愛子VS梓
海斗は、あるプロジェクトのメンバーに選任された。
嬉しい海斗。
その日は、選任メンバーのお祝い会があった。
飲んで、歌って、騒いで……、
帰って来たのは、十一時を過ぎていた。
「おーい、帰ったぞー!」
電気を付ける海斗。ヘベレケになって帰ってきた海斗は、まず、ニコの所に急いだ。
「ニコー、俺はやったぞー」
上機嫌の海斗。
ニコは、そんな海斗を見て、なにも話さなかった。
それを、海斗はそれほど気にもしなかった。
その日は、そのままベットに直行。大イビキをかいて寝てしまった。
海斗は、その日から、起きるのを早くした。二本ばかり電車を早くするためだった。
「行って来るなー」
そう、ニコに言って、張り切り出発していった。
―またか……!
そこに、上村が出現した。
「貴方、メンバーから話によっちゃあ替えてしまってよ。私の権限で」
「う……なんであんたなんかに……」
―いかん、負けそうだ……。
そう思っていると、
「上村さん」
と、もう一人女性の声がした。二人はその人の方を向いた。
「なに?貴方は」
「私は、伊藤愛子」
「なんか用かしら?愛子さん」
と、上村が言う。
「貴方の、成績は、河野さんの利益より劣っているわ。
居なくなるなら、貴方の方でなくて?」
「……な、何を見て……そんな根拠」
「成績表。知らないの?」
「……う」
狼狽した上村が去って行った。
―こんな追っ払い方があったのか……
そう、感心している海斗。すると、愛子が、
海斗の手を取った。
「頑張ってね、河野さん」
「あ……はい、ありがとう」
そう言うと、愛子は去って行った。
―初めて会ったが、可愛いし、俺の味方みたいだし、やった!
そう思い、元気が出てきた海斗であった。




