もう、本当に色々すいません。でも、ここまで読んでくれてありがとうございます
「お兄さん、ちょっといいですか?」
「ご相談があるんですよ」
レイトンの元に、二人の職員が静かに近づいてくる。
一人は無表情で、もう一人は穏やかな笑みを浮かべている。
「えっ、あっ、あっ……なんでしょうか……?」
レイトンは、我に返るように声を震わせる。
「あのね?嘘でもいいんで、お兄さんがあの女の子の事を、まぁ、殺したいとか……いやらしい事をしたいとか、そういう邪な感情持つ事って可能ですかね……?そしたら、うちのホラーで受け付ける事出来るんですよ」
ホラー職員は、無表情のまま、淡々と続ける。
言葉は、まるで処方箋を読み上げる医師のように、感情を欠いていた。
「えっ……?邪……!?いや、私にはそんな感情はありませんよ……!」
レイトンは大きく首を振り、否定する。
彼の胸に宿るのは、ヒューマンドラマ的な温かさだけだ。
「はい、だから、嘘でも構わないんですよ。今、お兄さんが『なんだこの流れは……これではミキちゃんを自分の物にする計画が台無しではないか……』って呟いてくれれば、ホラーになってうちで受付する事が出来ます。どうぞどうぞ」
ホラー職員は、なおも淡々と促す。
もう、レイトンが呟かなくてもいいよ。
お前の思考がホラーだ。
「いえ、無理に自分を変化させる事より、ありのままを表現するのが一番と思います。レイトン先生……貴方は機械学の知識もおありですね?」
もう一人の職員が、穏やかに切り出す。
「機械学の知識はあるが、大学時代に軽くサークルで学んだようなものだぞ……いや、待て、何故君がそれを知っているのだ……!?」
レイトンは、職員の顔を凝視する。
「はい、私はAI職員です。人間をスキャンして、スキャンデータから情報を得る事が出来ます。レイトン先生が、ミキちゃんに対し、機械学での例えを出せば、SFジャンルとして成立すると思われます。現在SFジャンルは我々AIの発展によって、流行枠になっています。是非、我々の元へ」
だから、例えなんか出さなくても、お前の存在自体でもうSFジャンルに突入しているんだってばよ!
「あっ、あっ、あっ……」
レイトンは、もう声にならない声を上げるしかない。
頭の中は、ジャンルの渦に飲み込まれ、ぐるぐると回り続けていた。
果たして、このレイトンとミキちゃんの話は物語になるのか。
そしてジャンルは、どのジャンルになるのか。
でも、読者は物語化したこれを読んでるんだし、ジャンルももう見ているよね?
この物語の正式なるジャンルは
『作者の病気がまた暴走した』
だと思います。




