表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
レイトン先生と、ミキちゃんの物語〜前日譚〜  作者: 星狼


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

3/6

理屈の壁

二つ目の窓口に近づき、レイトンは再び穏やかに声をかけた。

「失礼します。私と、こちらのミキちゃんの話を物語にしたいんですけど、こちらでよろしいでしょうか?」


職員は、怪訝な目を向けてくる。

「……はぁ?アンタ、わかってんの?うち、ライトノベルだよ?」


強い言葉が、再び空気を切り裂いた。


「ま、またダメなの……?私のせい……?」


ミキちゃんの目に、涙が滲む。


職員は、鼻で笑うようにして続ける。

「いや、お前はいいよ。頭空っぽで、思った事、すぐに口にするからな?ライトノベルのど真ん中だ」


レイトンが声を上げる。

「失礼ですよ……!ミキちゃんは、頭空っぽなどではありません! 私の講義をしっかり理解してくれているんですよ!?ミキちゃんは、まだ一年生なんです……!」


職員は、レイトンを睨みつける。

「うるせぇ!お前だよ!お前のそういう理屈っぽい所が、ラノベじゃねぇんだよ!」


言葉は、まるで編集部のデスクから投げつけられた原稿のように鋭い。


「……えっ?原因は私ですか?」


レイトンは目を丸くする。


職員は、矢継ぎ早に続ける。

「なんだよ、お前のこのわっかりにくい授業はよぉ? 始めから、そのミキちゃんだっけ……?その子に説明したので言えばいいじゃねぇか?なぁ〜んで、こんな小難しい説明してんの!?こんなんじゃライトノベルの読者層は離脱するんだよ!読者が求めるのはテンポだ!萌えだ! サービスシーンだ!哲学なんか誰も求めてねぇんだよ!」


一つ一つの言葉が、冷たい蛍光灯の下で跳ね返る。

商業の論理が、容赦なく二人の上に降り注ぐ。


「わ、私が原因ですか……も、申し訳ありません……」


レイトンは頭を下げた。


職員は、最後に吐き捨てるように言う。

「売れない物語は、存在する価値がないの!それがラ〜ノ〜ベ!」


言葉は、冬の霧のようにではなく、もっと現実的で、もっと乾いた風のように、二人の背中を撫でた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ