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短編集(仮)  作者: 仁奈
5/5

『Variety 番組』

 

 燦々と輝く太陽の熱が私の影を舗装された道に焼き付ける。私はフードの端を摘み、日差しから耐える。


 故郷が壊されてから、4ヶ月が経った。人々は、新しく見つけた場所で、各々の元の生活に戻っていった。


 道中、私はふと目にしたアーケード街に足を向けた。

 

 アーチ状の天井に張られた薄く、半透明なパネルが強く照らす光を辺りに散らす。宙を舞う塵に反射して空間が白く煌めく。まるで、白昼夢を見ているような幻想的な世界が創られていた。


『あは、はははは』

 清閑としたアーケード内に楽しそうに笑い合う声が響く。

『それでね。━━さんが、━━」

『えー!』

 どうやら、誰かの噂で盛り上がっているようだ。私はその話を耳にしながら、彼、彼女らの側を通り過ぎる。


『ねえ、どう思う?』


 すると突然、一人が問いかけてきた。私は、歩みを止めて考える。

 聞こえてきた断片的な情報から、私の脳が答えを差し出してくる。

 それは、彼らと同じものだった。


『俺はね、思うんだ。つまり、俳優のXさんは━━だ』

『あははは!』

 彼の一言に賛同の笑いが起きる。

 私はただ、黙ってそれを聞いていた。


『ここで、速報が入りました。』


 ガラスケースの向こう側にあるテレビに映し出されたバラエティ番組がニュースに切り替わる。


 そして、私はテレビから視線を外した。


 再び、笑い声が聞こえるようになった。画面の奥にいる他人の声が、無骨なシャッターが下された街に残響する。


 私は、寂れたアーケード街を後にした。

 



編集点


・情報が抽象的(噂話や主人公の思考など)

・ラスト余韻を作る



【初稿】

燦々と輝く太陽の熱が私の影を舗装された道に焼き付ける。私はフードの端を摘み、日差しから耐える。


 故郷が壊されてから、4ヶ月が経った。人々は、新しく見つけた場所で、各々の元の生活に戻っていった。


 道中、私はふと目にしたアーケード街に足を向けた。

 

 アーチ状の天井に張られた薄く、半透明なパネルが強く照らす光を辺りに散らす。宙を舞う塵に反射して空間が白く煌めく。まるで、白昼夢を見ているような幻想的な世界が創られていた。


『あは、はははは』

 清閑としたアーケード内に楽しそうに笑い合う音が響く。

『それでね。━━さんは、━━」

『えー!』

 どうやら、誰かの噂で盛り上がっているようだ。私はその話を耳にしながら、彼、彼女らの側を通り過ぎる。


『ねえ、どう思う?」


 すると突然、一人が問いかけてきた。私は、歩みを止めて考える。

 聞こえてきた断片的な情報から、私の脳が答えを差し出してくる。


『俺はね、思うんだ。つまり、━━さんは、━━だ』

『あははは!』

 彼の一言に賛同の笑いが起きる。


『ここで、速報が入りました。』


 ガラスケースの向こう側にあるテレビに映し出されたバラエティ番組がニュースに切り替わる。


 私は、画面から視線を外し、寂れたアーケード街を後にした。


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