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点滴
【短歌】
一定の
リズムで落ちる
雫みて
その一滴の
ありがたみ知る
【物語】
看護師さんが毎朝交換にくる点滴のボトル。いつも規則正しく一滴ずつ落ちる雫を眺める。
「いつもこれ本当に全部落ちるのかなって思っちゃう」
ボトルの落ちたところまでに印をつけて時間を書いている看護師の姿をぼんやり見つめる。
毎日のことながら、この流れる様にスムーズな対応に凄さを感じ感謝する。
「あっ、点滴に色付けたら映えませんか?」
「仕事増えるからこのままでいいわ」
軽い冗談もサラッと交わす。この看護師ベテランだなと悟る。
この一滴一滴が、元の生活に戻れる大切な一滴だと理解している。
【ひとくちメモ】
今回の作品【点滴】の上の句を菜須よつ葉、下の句をひな月雨音様が担当しました。