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紅葉
【短歌】
落葉を
一枚頭に
乗せた君
紅葉舞い散る
はしゃぐ秋の日
【物語】
今日は天気がいいので彼女と二人、紅葉デートに来ました。
「タイミングばっちりだったな」
「ほんとだねぇ。てか、人多いね」
俺も彼女も人混みが得意ではないので、人を避けるように歩を進める。
「ここからの眺めすごいぞ。見てみろよ」
そう言って振り返った俺は、頭に紅葉を一葉乗せながら向かって来る彼女に胸を高鳴らせた。
「どしたの?」
「いや、何でもないよ」
「顔紅いよ? 紅葉みたいだねぇ」
途端に恥ずかしくなり、感情を隠すようにはしゃいでごまかした。
【ひとくちメモ】
今回の作品【紅葉】ひな月雨音様が担当してくださいました。