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ナースコール
【短歌】
真夜中は
一瞬止まる
押す勇気
申し訳無さ
安堵に勝る
【物語】
痛みで目が覚めて、ナースコールボタンを手に取るけど、廊下を忙しなく足音が聞こえて、ボタンを押すのを迷ってしまう。
しばらく痛みと葛藤するも、痛みには勝てずそっと押すナースコールの丸いボタン。
「どうされました?」の看護師さんの声に、申し訳ないなぁの気持ちが、スッと消え安堵と共に戻る痛み。
真夜中の看護師さんは、どんな薬にも勝る存在だった。
【ひとくちメモ】
今回の短歌「ナースコール」の上の句は菜須よつ葉、下の句をひな月雨音様が担当しました。