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その隠しクッキーは私のもの。

成り上がりの庶民舌の私には、ハーブやピール、酒精が効いた食事、デザートは、キツすぎた。

愛想笑顔で作ったクラスメイトの友達とそれらを食べる。口直しに持ち込んだクッキーを食べる。

クッキーはタッパーに入れて、自分の所属する園芸部の花壇に隠している。友達に部活動でお花に水遣りをしに行くと言って、別れる。

学校の隅の花壇に保護と隠蔽の魔法をかけたタッパーを開ければ、焼いてから少し冷めたクッキーの匂いがして私の口に、クッキーが入るはずだった。

「なんだこの不審物」

目の前で、上級生によって、私のタッパーが持ち去られていく。

園芸部の先輩ではない、誰もが知っている留学生の黒髪優秀な男子生徒だ。

隠蔽の魔法がなくなり、保護魔法はかかったままだ。

「それ中身、クッキー、私のです。返して」

思わず、声を上げてしまった。

このまま見過ごせば、中身クッキーのタッパーで学園大騒ぎが起きるところだ。

「君の?随分と凝った隠蔽魔法と保護魔法だね」

男子生徒が私に目を合わせる。

「保護魔法本当に強いけど、中身本当にクッキー?」

男子生徒が詰め寄ってくる。

そして、タッパーを私の身長の少し上にチラつかせる。

そんなことしたら、中のクッキーが崩れちゃう。

身長の高い男子生徒は自然と私を見下し、私は見上げる形となる。

「本当です。なんなら今解除して、この場で食べて見せます。」

そう言って、私はクッキーにかけていた保護魔法を解いて、身体強化して、跳ねてタッパーを奪い返して、蓋を開ける。

「ほらね、クッキーでしょ」

そう言って、一枚、クッキーを手に取り食べる。

中身は無事なようだよかった。

そう安堵した。

そして、その男子生徒にも一枚取らせた。

「本当にクッキーなんだね。」

観察するような目で私のクッキー見て食べた。

「うん、クッキーだ

けど、強い魔法を使う時は、学校に申請しないといけないでしょう。言わないと罰を受けるよ」

私は罰を受けてしまうの。

そんな強い魔法使った覚えないのに。

ただでさえ赤点ギリギリで実技も筆記も頑張ってこの学園に通ってるのに。

「クッキーが美味かったから言わないでおく。

ここに隠す時、僕にもくれないか。

そうしたら、ここで、クッキー入りタッパーに厳重な隠蔽と保護の魔法がかかっていたことは学園に言わないし、材料費諸々の費用渡すから。」

どこか、落ち着きのない探るような目で私を見てきた。

「どうして、私のクッキーを学園に嘘ついてまで欲しがるの」

私は男子生徒の異国の血が入った黒い目を見つめる。

「ここの食事が合わなすぎるんだ。いつも、消臭や感覚麻痺で流し込んで食べてます。

君の作ったクッキーが、素朴で魔法を使わなくても食べれたから、お願いです。僕にもクッキーわけてください。」

泣いている。

あのクールで有名な留学生が泣いてる。

留学生よ、あなたも味覚同志だったのか。


こうして、隠しクッキーが繋いだ縁はのちに、この学園どころか世界を救うことになるとはこの時の私たちは知らない。


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