―――.
「なぁ、蓮」
「なんだ?」
「第一章終盤辺りから、俺の出番少なくね?」
「いやいや、バレンタインで出ただろ?」
「あんなの出た内に入らないぞ! しかもさぁ、数えたら俺……8話近く登場してなくてさ? 悲しいぞ!」
「だってお前、ただの友達だぞ? RPGで言うところの村人Aだぜ? むしろよく登場してる方だと思うが?」
「なんだって! クラスも離れ、このままじゃ第二章で出れるのか? って密かに悩んでたのに!」
悩んでたんだ……。
「それだけは辛抱ならん! だったら最初っからいかせてもらうぞ!?」
「おっ、おい! 止めろ栄人! それには順番ってもんが……」
「いいや! 出られない位なら……爪痕残して、読者にインパクト残すしかないだろ!」
「おい! そのメタ発言止めろ! あぁ! お前本当に……」
「当たり前だ! ここで、声を大にして言わせてもらおう!」
「俺! 片桐栄人は、第二章でも……例えクラスが違うくたって、必ず何度でも登場してみせる!」
うわぁ、人差し指空に突き上げてるよ……
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俺は……嫌いだ
噂好き、陰口が好き。集団行動大好きで、最終兵器はその涙。
俺は……嫌いだ
知ってる様なその口ぶりと、全てを見透かした様なその素振り。
俺は……嫌いだ
無駄に明るくて、声が大きくて、人が嫌がる事を平気で行えるその性格。
俺は……嫌いだ
誰に対しても隔てなく、優しく接するその姿と……その思わせぶりな態度。
俺は……嫌いだ
本当なのか偽物なのか、
本心なのか嘘なのか、
知る術のないその……笑顔。
あぁ……俺は…‥
俺は……
「大嫌いだ」
読んで頂きありがとうございます。
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