一日目:冒険への誘い
〜それは暑い真夏の出来事だった〜
たかし:あーあ。今日で学校終わって夏休みかー。今年の夏休みは何をしようかなー。
てっち:おいたかし。
たかし:げ。てっち。
てっち:げってなによ。それより夏休みはお暇か?
たかし:うーん。暇といったら暇だなー。何も予定入ってないし。
てっち:それなら明日ちょっと付き合ってくれないか?
たかし:付き合うって・・・。・・・でもてっちに付き合ってもろくなことないし・・・。
てっち:あ。なんか言ったか。
たかし:いや、何も言ってません。で、何に付き合うの?
てっち:じつは今年の夏は旅に出ようと思っていかだを作ったんだ。そしてそれで明日旅に出ようと思って。で、特別にたかしも乗せてあげようという俺の心配りさ。もちろん行くだろ?
たかし:旅に出るって・・・。いかだで行くって行くあてはあるの?
てっち:ばか。どこに行くかわからないから旅が面白くなるんだべや。
たかし:そんなのあまりにも危険すぎるよ。
てっち:そのスリルがまた面白いんだよ。
たかし:それじゃ僕はやめとく。
てっち:何ー。行かんだとー。
たかし:だって何が起こるのかわからないもん。
てっち:行かないんなら罰として俺の夏休みの宿題をやってもらおうか。
たかし:それじゃあ強迫じゃん。
てっち:どうするんだ。
たかし:わかった行きますよ。行けばいいんでしょ。
てっち:わかればよろしい。して、今日は暇かね。
たかし:暇だけど何かやるの?
てっち:天気もいいし釣りでもしようと思って。
たかし:釣りかー。いいねー。それなら僕も行く。
てっち:じゃあ今日の午後3時にいつものポイントで待ち合わせってことで。
たかし:わかった。じゃあねー。
〜恒例の校長のながーい話も終わり、それぞれが帰っていった。たかしはというと帰りに駄菓子屋で寄り道した後、家に帰ったのだった。家に帰っても別にこれといってやる事がなく、プレステをしながら時間をつぶした。そうこうしている間に2時半になったのだった。〜
たかし:お、もうこんな時間か。早く行かないと怒りだすからな。
〜そうしてチャリンコで例の場所へ5分前に着いたのだった〜
たかし:てっちは・・・まだ来てないようだな。ここら辺でボーっとしてるか。
〜川沿いの河川敷に寝っころがって雲を見ながらボーっとしていると、不意にチャリンコの音が近づいて来た〜
たかし:お。きたきた。
てっち:ちょうどいい時間だな。
たかし:それじゃあ釣ろうか。
てっち:俺最近フライフィッシングにはまっているんだ。
たかし:フライフィッシング?あー、あの虫みたいな物を投げるやつ?
てっち:そうそう。なんだったらお前もやってみるか?
たかし:後でやらせてもらいます。
てっち:お、そうか。
〜そんなこんなで釣り始めた2人。30分ほど釣ったけどいまだ二人とも釣れていない〜
てっち:釣れねーなー。
たかし:釣れないね。
てっち:お前フライフィッシィングやってみねーか?
たかし:やってみる。んじゃ貸して。
てっち:いいぞ。
〜フライフィッシィングをはじめたたかし。なんと始めて数分後に釣ってしまったのであった〜
てっち:お!なんで釣れてんのよ。
たかし:僕こっちの方が合っているのかな?
〜そしてまた数分後にたかしはまた釣ってしまったのだった〜
てっち:お前釣りすぎ。やっぱ返して。
たかし:えー。
てっち:えーじゃねえー。
たかし:せっかくフライフィッシング始めたばっかなのに。
てっち:いいからよこせ。お前ばっか釣ってて面白くない。
たかし:わかったよ。返せばいいんでしょ、返せば。
〜そしてフライフィッシングを返してもらったてっち。しかし一行に釣れない。それから30分が経った〜
てっち:何で俺は釣れねーでたかしは釣れるのよ。
たかし:たぶん疑似餌を動かしすぎているからだと思うよ。
てっち:そうか!動かしすぎているのか。んじゃ、もう少し落ち着いてやってみようか。
〜それから10分後。ようやくてっちに魚がヒットした〜
てっち:やった!ようやく1匹ゲットした。長かったなー。
たかし:もうそろそろ帰らない?
てっち:ようやくコツがつかめたのにそんなに早く帰れるかよ。
たかし:しかたないなー。
〜それから1時間過ぎた。それぞれたかしが計3匹、てっちが4匹釣ったのだった〜
てっち:よし。たくさん釣ったしもうそろそろ帰るかー。
たかし:僕も帰る。
〜そうして家に帰宅するのであった〜
たかし:ただいまー。
母 :おかえりー。
たかし:今日のご飯は何?
母 :スキヤキよ
たかし:お!大好物だ。
母 :ふふふ。
たかし:あ、それと今日魚釣ってきたから塩ふって焼いておいて。
母 :はいはい。
〜それから夜の7時になり家族3人でスキヤキ+焼き魚を食べるのであった。その時ニュースでは台風の情報が流れていた。今思う。あの時ちゃんと天気のニュースを見ておけばと・・・。そして夕食も終えて自分の部屋で明日の支度をするたかしの姿があった〜
たかし:とりあえず持っていくものはと・・・ハンカチ、ティッシュ、雨がっぱ、方位磁石、寝袋、食物、ナイフ、ライター、着替え、釣り道具っと。あーそーいえば今日買った駄菓子があったなあれも持ってこっと。
こんなもんかなー。後はてっちにどこに集合するのか電話しておくか。
〜ピポパ〜
〜トゥルルルル〜
〜ガチャ〜
たかし:もしもし。たかしと言いますがてっち君いますか。
おばば:はい?どちら様ですか?
たかし:たかしといいますけど。
おばば:たかえさんですか?
たかし:たかしと言いますがー。
おばば:たかしさんですか。それで誰にですかー。
たかし:てっち君お願いします。
おばば:てっちですか、ちょっと待ってください。
たかし:もー。てっちのおばあちゃんほんと耳遠いんだから。
てっち:もしもし。
たかし:あー。ようやく出やがった。
てっち:ようやくって何よ。もしかして家のおばあちゃんとコントしてたの?
たかし:そうそう。コントしてたの。それにしても耳遠いね。
てっち:ちょっとね。それで何?何のよう?
たかし:明日の集合場所と時間決めようと思って。
てっち:そっか。決めてなかったね。んーっと、集合場所は今日釣りしたところ。時間は朝9時でどう。
たかし:いいよ。朝9時ね。そっちの方荷物まとめた?
てっち:今まとめているところ。いろいろ持ってこーと思ってる。そっちは?
たかし:そっか。こっちの方はもう準備できたよ。
てっち:念には念を入れて食物多めに持ってった方がいいよ。
たかし:そだね。そうします。
てっち:んじゃ明日例の場所で。
たかし:例の場所で。
〜ガチャ〜
たかし:さーて明日は早いしもう寝るかー。
〜そうしてたかしは床についたのであった〜