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8話 装備の準備

 剣術を修める決意をしたはいいが、よくよく考えたらこの世界の日本刀が無いから無理だ。


 これは独学でやらないといけない感じのやつかな?

 こんなことになるなら剣道でもやっておけば良かった....。


 まあ切り替えていこうか。とりあえず体力作りは冒険者になってから毎朝走ってるし大丈夫だとは思うが、剣の練習は素振りだけだと実戦で臨機応変に対応できない気がするからなぁ。


 まあ剣が上手い人がいればその人に指導をお願いすればいいかな?


 とりあえず剣のことはこれでいいか。


 そして次にやるべきとことは魔法陣を刻んだ手袋かな?


 これさえあればわざわざ魔法陣を構築せずとも魔法を放てる上、連射ができるからなぁ。


 けど日本刀が使いにくくなる上に別の魔法を使いにくくなる欠点もあるからどうしようか悩んだ結果、肘に付けることにした。


 肘なら咄嗟に出せるし、手が埋まっている時にでも使える上、フェイントにも使えそうだ。


 よし肘当ての中に土属性と炎属性を仕込むか。


 と同様の手順で魔法陣を刻んだ。

 途中魔法陣を発動させてしまい、肘当てが一つ燃えると言うアクシデントはあったが問題はない.....


 こうして戦闘に魔法を取り入れじめたのにはある理由がある。


 冒険者のなかには魔法の扱いに長けた種族や、10年以上魔法を使い続けている人たちも居て、その魔法は本当に実用性が高く、その姿は機能美とも言える美しさがある。


 しかし実は俺が目標としている魔法は魔術師、元の世界で言うマジシャンの魔法だ。


 この世界に来てから少し経って余裕が出来た頃俺は魔術師のショーを見に来ていた。魔法のある世界でのマジックがどんなものか見てみたくなったのだ。


 見た後にあったのは感動だった。ただただ深い感動だった。軽快な音楽と共に背景や服装は目まぐるしく変わり、魔術師は瞬間移動や分身を作り、踊り、歌っている。


 観客席まで宙を浮き、場所を変えつつ花火や効果的なライトアップも相まってその夢のような幻想的な光景が頭から離れなかった。事実この時連続で3回同じショーを見たほどである。


 ショーあと、余韻がまだ残るなか、これを出来る様になりたいと強く思った。しかしただでさえ難しいのにこれを戦闘に昇華するのは困難を極めた。


 まず転移魔法を任意で出来る様にならないといけない。さらに戦闘中にミスディレクションや視線誘導などを織り交ぜつつ攻撃を加え、相手を常に翻弄しなければならない。


 これらを実現するためまず、自分の好きなオレンジ色と黒を基調にした少し奇抜なカラーリングの革装備を身につけることにした。


 次にその装備のあちこちに魔法陣を刻みこんだのだ。


 最終的には靴には転移、肘と膝には攻撃、着脱が簡単な近接用の白い革手袋にはアポート・・・

 といった感じでほぼ近接専用装備になってしまったので、手袋だけ強力な狙撃ができる遠距離用と魔法を連射できる中距離用の手袋を用意した。


 これらの装備を使いこなせるように日々練習を重ねた。


 3ヶ月もするとまだまだ先ではあるが、このスタイルの完成形が見えるようになってきた。


 実戦を踏まえて、装備の魔改造を繰り返していった結果、


 装備はさっきの皮装備に対物理と魔法防御のエンチャントをかけたものに、愛刀『紫汐』はSLの車輪を模した鍔に魔石をセットする場所を設けて複数の属性を切り替えれるようになり、手袋は今まで掌に設置していた魔法陣を指先にも増設して近距離でも攻撃出来る装備も整った。


 近接戦闘は先輩方の旨を借りて模擬戦を繰り返す。


 最初は

「こんな妙な戦闘がうまく行くわけがない。」

 とか

「これだと1対1ならともかく多数相手には無力だぞ。」

 といった評価だったが、複数相手での練習を繰り返すことによりそれを克服し、


「よく3ヶ月でこんな奇妙な戦闘スタイルをモノに出来たな。」


「模擬戦を外から見ても不思議なのに、実際に戦うとその10倍は不思議だな。初見なら呆気にとられるか翻弄されまくって負けるなこりゃ。」


 などまあまあな評価になってきた。


 そしてそろそろ世界の外側に進出しようといったとこである障害が現れた。

 なんと世界の外側はソロは推奨されておらず、ソロの場合一定以上の実績か、戦績を残す必要があると言われた。


 ミレイユが冒険者としてデビューしたのはちょうどその頃だった。

魔法のショーはアラジンのジーニーとかを思い浮かべてくれれば分かりやすいと思います。


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