表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

39/40

39話 まだ帰れない

 かれこれ3ヶ月が経った。


 もうすぐ帰れると思い、この世界を離れることを思いノスタルジックに浸っていたが、1ヶ月も経てばその気分は消えていた。


 魔力が全然足りない......


 魔水晶を高い金を払って買い、魔素吸収のエンチャントをして、世界の外側に設置して魔力を集めたり、募金みたいに魔力を募ってみたりしたが、必要量の半分ほどしか溜まっていない。


 1番効率がいいのは、魔水晶に吸わせ続けるものだが、金がかかる上に労力が少ない分どうしても時間がかかる。


 次の手段は魔石を集めることだ。


 魔石ならば、魔獣を倒すだけで手に入り、ある程度の魔獣ならば魔力も多い。


 赤竜の魔石は、ブレスの直後だったので魔力を内包していなかった。そこで砕いて魔法陣の構築に使ってしまったので、魔力の当てはない。


 最終的には、少し格下の魔獣を魔力を使わせないうちに討伐し、その魔石を集めるという手段にでた。


 そこでチームを再結成しようと思ったが、


 あの頃とは違い、マニは思ったより研究に熱が入ったのか、まだ大学にいるらしい。


 マニからの手紙にはアイテムボックスで持ち帰った100冊を超えるであろう古代語の本をこの3ヶ月の間に全て翻訳まで終わらせたと書いてあった。


 その内容を発表するだけでも教科書が変わるレベルの大発見らしいが、まだ時間をかけて他の文献との差異などを調べるそうだ。


 完了するのはまだまだ先だそうで、マニは参加できない。


 エルカガンスは今のところ音信不通なので諦める。


 ということで二人だけになった。


 安全面が少し心配だが格下を質より量を重視して討伐する予定なので大丈夫だろう。


「よし、行くか」


 ・・・・・・


 俺たちは今、荒野の中にいた。


 しかし、ここは世界の外側ではない。


「元」世界の外側だった場所だ。


 5年ほど前に、壁に沿った国では世界の外側に進出しようという動きがあった。


 壁に近いことで魔獣の被害が多く、不満があった中、壁の外側に進出しようという公約を掲げた元冒険者が大統領となった国があったのだ。


 領土が限られた世界で、近年では領土争いでの戦争も減ってきた頃、せっかく世界の外側に面しているのだからそこを領土にしてししまおうというのだ。


 もちろんこれが初の試みだったわけではない。


 過去に挑戦した国も多かった。


 しかしその全ては悉く失敗していた。


 魔獣や濃い魔素による作業の停滞、国内での反発などの理由もあったが、何より一番の理由は世界の外側が人が住むには適さない土地だった。


 魔素のせいなのか、植物は育ちにくく、育ってもそれは人が食べられるようなものではない。


 そしてその性質は土を少し変えた程度では消えなかった。


 そんな理由などもあって、今まで成功していなかったが、ここは違う。


 今はなんと世界の外側を取り込み、その外側に壁を新しく築き、国土を大きく広げたのだ。


 運がいいことに、この付近に龍が現れたらしく、魔素が抜かれて、人間が住めるようになったのだ。


 今は、壁を築き上げてから数年は魔獣などを退治し、その後に開発に着手するらしい。


 そして今俺たちはその魔獣の討伐に来ていた。


 討伐制限などはなく、殲滅が目的なので大量に魔石を稼げるということだ。


 さて、始めようか。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ