22話 2日目
次の日も早朝に出発する。魔獣を警戒しつつ、早めに進む。
いつの間にかマニの定位置は俺の背中になっていた。
万が一の時が不安だが、片腕さえ空いていれば魔法が使えるので受け入れて背中に高い体温を感じながら進む。
魔素の濃く、気温も高く、まだ地平線しか見えない中進む。
昼はすぐに食べられるものを休憩も兼ねて岩陰で食べる。食べ終わると、疲労回復と体力増大のバフをミレイユに掛けてもらってから再開する。
そうして進み続けて夕方になる頃、ようやく遠くに夕焼けに染まるなか小さく蜃気楼のように遺跡が見えて来た。
この日はここで野宿をする事にした。料理担当は俺だったので、肉などの生物を早めに消費するために獣王国で食べた美味しい肉料理を再現してみた。出来はまあまあだったんじゃないだろうか?
周りの反応、特にマニの反応が良かったので満足だった。
そしてこの日の夜、見張りを交代して眠っていた時、
「魔獣が来たわ!」
と起こされた。確かに遠くから強い魔獣が近づいて来るのを感知できる。
魔獣は魔力と肉を食う必要があるが、同じ魔獣ならそれらを同時に食うことができる。それにより魔獣は獲物を探す時、魔力感知を使うようになり、鼻は退化したという。
そういうことで魔力をできる限り隠していたが、こいつには感知されてしまったようだ。
そして何より厄介なのはこの魔獣だいぶ強そうだ。全力でやっても勝てるかどうかはだいぶ怪しい。
逃げることも考えたが、この速度だとマニを連れながらでは逃げきれない。
幸い魔獣が着くまでにはまだ少し時間があるので罠を作り待ち構える事にした。
いつかの初討伐のような麻痺に加えて、毒、デバフなど時間の許す限り重ねがけをする。
罠を設置した後にマニにあらかじめアーティファクトを起動してもらい、待つ事3分。
ついに魔獣が現れた。
そこにいたのは亜竜の上位互換である竜だった。
その赤色の鱗に覆われた体はいわゆるドラゴンのような形で体長は20mはあり、餌を見るかのような青色の目がこちらを見据えている。
気持ち悪さが急速に軽減する。ついでに言えば少しづつだが魔力量が減っている。
その理由には亜竜が竜の紛い物と言われる最大の理由。亜竜にはない、周囲の魔力を魔素に分解し、吸収するという特性があった。
それによって竜は魔法が効かないと言われているがこの竜は赤色、つまり最下級の竜なのでだいぶ軽減はされるが効かないことはない。
しかし、魔法よりは普通の攻撃の方が効くのでそっちでいく。
エルカガンスと目線を合わせて、竜を罠に誘導する。
すると竜は簡単に罠に引っかかった。痺れて動けないうちにエルカガンスはそのパワーで鱗を砕きながら攻撃をし、俺は紫汐で鱗の少ない関節を攻撃し続ける。
その時、まだ麻痺が完全には解けてないにも関わらず巨大な咆哮をあげ、暴れることで俺たちを強制的に引き剥がす。
少し離れる間に竜の傷はみるみる治っていく。
戦況は振り出しに戻ってしまった。
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