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2話 情報収集

案外長くなりそうな気がしてきた

 目覚めると日は十分上がっていた。時計らしきものは部屋にあるが針すらないので今が何時なのか全く分からない。一日が何時間か分からないが地球なら8時くらいか? と思いながら少ない荷物を整えつつ今後の行動を考えることにした。


 まずなんにしてもお金を手に入れないとだが言葉が分からん。誰かに教えてもらいたいが日本語を知っている奴なんていないだろうしなぁ。と思いつつ部屋のテレビをつけると少し粗い画質で女のハーピーのようなのがニュースらしきものをやっていた。


 リモコンをいじると字幕が付いたのでしばらくメモを取りながら見ているうちに文字の発音はなんとなくわかるようになった。文字は30個ほどで似たような発音の文字はないのでアルファベット的な文字だろうか?


 ニュースの内容から単語の意味や文法を探ろうとしたが結局よくわからなかった。


 体感2時間たったのでチェックアウトして交番や学校的な場所がないかを探すがなかなか見つからない。


 しばらく歩くうちに暇そうにしている人間の子供を見つけたので話かけてみると疑いの目で見られたが言葉が分からないアピールをしつつさび鉄チップを5枚出して教えてくれるように誘導すると教えてくれる雰囲気になった。


 小6くらいの子供に教えてもらうのは少し屈辱だが多分3歳児よりしゃべれないので仕方ないと思いつつ少年についていくと少年の家らしき場所に着いた。


 そこでメモ帳を出しつつ言葉を教えてもらうが母国語を教える経験なんてないだろうから、教えるのはだいぶ下手だったが時間をかけて何とか単純な単語や文法を知り、簡単な文なら書けて読めるようになった。


 文法は英語に近く何とか理解はできた。少年に今習ったばかりの礼を言い、ついでにこの世界についていろいろ聞いてみた。ここはセトリアという国で様々な種族が集まるが人間の国らしい。あと自分みたいに転移してきた人は聞いたことがないらしい。


 他にもお金や物価、文明の発展度合いを聞いてみると、


 お金は

 透明チップが10万円、

 金色が1万円

 銅色が5千円

 鉄色が千円

 さび鉄色が100円

 青色が10円

 赤色が1円

 とのこと


 チップはどれも同じ形だが彫られている溝が違い、色以外ではそこで区別をしているそうだ。


 物価は食べ物が割高らしいことは分かった。


 また文明はほとんど変わらなく、電気もあるがどちらかというと魔法に頼った発展をしているので環境問題的なのはないらしい。他に暦も教えてもらったが地球と大差は無かった。また、時計の読み方も教わった。


 そして最大の驚きはこの世界、魔法や冒険者という職業があるらしい。


 魔法!異世界といったら魔法!


 ここでテンションが上がったが詳しく話を聞くと、冒険者のような免許を持ったものしか使えないらしい。それと魔法はほぼ誰でも使えるらしいが適性があり魔法を使う人は少ないらしい。


 後冒険者はイメージ通りのものに加え、世界の外側と呼ばれる未開拓の地を探索する職業らしい。


 異世界に来たのだから冒険者になってみたいのと元の世界に戻る手がかりを探すのとお金を稼げるという一石三鳥の職業だがなるには免許を持っていることが前提となるようだ。


 免許は適性があれば一年ほどで手に入れられるようで魔法学校の入学テストで適性が分かるらしくそれを受けたいがなんと金貨2枚いるらしい。


 最後にここらの大まかな地理を教えてもらい今知りたいことは大体知れたので自分のことを秘密にするよう言ってから別れた。


 とりあえず魔法学校へ行ってみたいが金がない。


 そこで話を聞いていて疑問に思った最初の雑貨屋さんへ行くことにした。


 雑貨屋に着くとあのでっぷりとしたおっさん店主にも言葉を教えてもらいながらいくつか質問をした。


「なぜあんなガラクタに金貨一枚以上の値をつけんだ?」


「お前さんおそらく北東から来たんだろうが言葉も金も不自由な子供を見たら助けたくなるに決まってるだろう。今は少しだけしゃべれるようだが」


 どうやらこのおっさんは優しそうな見た目通りで子供?に優しいようだ。


「ありがとう。重ねて申し訳ないができればお金を貸してほしい。このスマホを担保にするから金貨をもう一枚貸してほしい。魔法の適正があるか調べたいんだ。お金は利子を付けて返す」


「金は貸してやるが魔法の試験を受けてどうするんだ?冒険者になるつもりか?やめとけよ。冒険者は命の危険があるんだぞ」


「どうしても冒険者になりたいんだ」


「そうか...... もし適正がなければうちに来てくれ従業員として雇ってやるから」


 おっさんは泊まっている宿と名前、スマホを回収して金貨を二枚貸してくれた。期限は特にないらしいができれば早くに返したい。


 金貨3枚を手に魔法学校へたどり着くと。門番の人がいたのでその人に試験を受けたいというと誰かを呼びに行った。


 しばらくすると黒髪を長い耳の後ろに流した、ローブを着た女性の先生らしき人を連れて戻ってきた。


「私はこの魔法学校の試験監督のリサ・ウッドというものよ。試験を受けたいということだけど申請書は?」


「小西友哉というものです。実は申請を忘れていたのですが今から適性試験を受けることは可能ですか?」


「コニシ・ユーヤね。まだ申請締め切りではないから申請書を持ってくるからそこに必要事項を書き込めば明日には受けられるわ」


「ありがとうございます」


 よかった試験は受けられそうだ。


 申請書に書き込んで金貨2枚を渡した。


「試験は明日の9時にここで行うからその前には来ておくようにね」


 といった意味の会話をカタコトながら終えた。


 この日は宿に帰る途中に本屋で絵本を数冊買い、時間をつぶしてから眠りについた。

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