18話 儀式魔法陣
まずマニを入院させる。先生の話によると全治2ヶ月、リハビリに4ヶ月はかかるらしい。
マニは自分の出生について語っていなかったが、どうやら両親はいないようで、俺たちは保護者代わりをする事になった。
装備に関しては今まで動きさすさとメンテナンス性からレザーアーマーにしていたが、はっきり言って意味が無い。
俺とミレイユは最悪転移で避けられるが、マニはそうはいかない。防御のアーティファクトはあるが、今回のように不意打ちには対応できない。
なので重くてつらいと思うが、金属のアーマーをつけてもらう。
それと俺の愛刀『紫汐』は研ぎに出したいが、反りのある刀の研ぎなんて慣れていないだろうということで、これを作ってもらった鍛冶屋に行くことにした。
けれど、ここから行くには遠すぎるので転移魔法で行く。
転移魔法は距離に応じて消費魔力が増えるが、その増え方は尋常じゃない。
ここからあの鍛冶屋まで行くとなると俺20人分は必要になるだろう。
そこで個人ではなく、二人以上で使用することが前提の儀式魔法陣を使う。
これは個人では扱いきれない規模だが、効率が良く、転移ならミレイユに手伝ってもらえば可能になる。
まずミレイユを呼び、帰る時にここが転移先となるような魔法陣を作る。そして転移の魔法陣を構築する。
構築には時間と手間がかかったがなんとか構築に成功し、俺は鍛冶屋の前へ転移した。
(? 今の感覚どこかで......)
と思いつつも鍛冶屋に入る。
「おお!お前さんか!教えてもらった日本刀だがなお前さんが使ってたって事で有名になってな、最近儲けさせてもらってるよ」
「おお、それはよかった。ところでこの刀を修理して欲しいんだ。少し刃こぼれしたのと鞘を切ってしまったんだ」
「なるほど、ちょっと見せてくれ」
「ふむ、刃こぼれもあるが、刀身が少しグラついているな。何かエンチャントでも施したのか?」
「ああ、風属性のエンチャントをした。その時振動していたから多分それだ」
「なるほどな。完全に固定してしまうがいいか?」
「それは困る。振動していると切れ味が増すんだ。」
「えっ、そうなのか? ならエンチャンターを雇って──」
あ、しまった。ただで情報を与えてしまった。
「お前さんには色々感謝しなきゃだな。お礼をしたいが何か希望はあるか?」
お礼か、武器はメンバーが増えない限り必要ない。他には道具か? いやそれよりもマニの義手の材料をもらうか。
「端材の金属や魔結晶の余りが有れば欲しいのですが」
「ん? 端材? 構わないが、魔結晶はないぞ」
「端材だけで大丈夫です。ありがとうございます。それでは修理頼みます。」
「任された。刀は4日に取りにきてくれ」
店を出て、空を見上げる。
そこには元の世界より少しだけ星が見やすい夜空が広がっていた。
・・・・・・
あの雑貨屋や魔法学校へ挨拶に行って4日経った。
鍛冶屋へ修理された刀を受け取りに行き、その足で魔法学校へ行った。
帰還のための転移魔法を手伝ってもらう為だ。
リサ先生やキース先生といった顔ぶれに懐かしさを覚えつつ、
「貴方も一人前の冒険者になったのね。
ミレイユは元気にしてる?」
「ええ、元気にしてますよ」
「冒険者のみにかまけてないで魔法の鍛錬も続けるんだぞ!」
「はい!」
そんな会話をしてから、儀式魔法陣の構築、魔力供給を手伝ってもらう。
そして俺は帰還した。
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