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14話 アーティファクト

「ね、いいでしょ?」


 とマニが尻尾を揺らしながら上目遣いで言う。


 クッーーこいつ自分の可愛さを分かってやがるな。


 断る理由がほぼ無いが、やっぱり危険な気がしてしまう。


「仮に行ったとして、俺たちは世界の外側に行くのは初めてなんだ。魔獣が来た時、守り切れないかもしれないんだぞ。」


「大丈夫だよ。今までの探索で防御系のアーティファクトを見つけてるから!」


 アーティファクト。未だに魔法陣の解析が出来ていない過去の遺物。


 その効果はピンからキリまであり、凄いものになると、それの解析に成功した魔法研究家が3代先まで遊んで暮らせるような金額を手に入れたとか。


 そして世界で一番有名なアーティファクトは一番発展している国、ヴェニゴランの王城そのものだ。どんな効果すら分かっていないらしい。


 それはともかくアーティファクトは売ればある程度の金額にはなるが、効果は唯一無二の物も有るので個人所有している人も居る。


 彼女もその1人のようだ。


「それは世界の外側で通用するレベルなの?」


「うん!スゴ腕の冒険者のお墨付きだよ」


「じゃあ分かった。俺一人では決められないから相方と相談してくる。明後日にここでまた会おう」


「分かった〜」


 と彼女は言って本を渡してきた。そして目的だった本を読み、ある程度の情報を手に入れてこの図書館を去った。


「バイバーイ。また明後日ね〜」


 とお見送りがあったが。


 そしてミレイユと合流。荷物を置いて昨日の絵の続きを描き始めた。


 ミレイユの絵は本物以上に雰囲気を捉えた綺麗な絵だ。


 追いつける気はしないが、昨日よりかは自分の絵が上達しているので気長に行くとしよう。


 そして絵を描きながらマニについて聞いてみる。


「そういえば古代語のこと忘れていたわね。いいんじゃない?自分の事を最低限守れるようなら、メリットの方が大きいんじゃないかしら」


 ということで、マニと同行することは確定した。


 次の日は冒険者の依頼ではいいのがないので、知名度を利用して大道芸で稼いでみようと思う。


 市役所まで行き、許可を取ってきたので、早速やってみよう。


 マジックと違い本当にタネも仕掛けも無いので準備は楽だ。


 セットが完了した頃には何人か人が集まっていた。


「ではこれから冒険者ユーヤによるマジックショーを行わせていただきます。」


 と言って、まずあえて魔法陣を体外に構築して火魔法で小さめの花火を打ち上げる。


 体外で構築するのは大気の魔素の影響もあり、大変だが魔法陣自体がとても綺麗なので見栄えがいい。


 最近の冒険者生活でまた増えた魔力にモノをいわせて次々と魔法を使う。


 レーザーと光属性で空中に作り出した鏡で模様を作り出し、次の瞬間には火と共に姿が消え、別のところから現れる。


 万華鏡のように目まぐるしく変わる美しい光景に時を忘れる観客もいるようだ。


 一応目標であったあのショーのように人を感動させる事は出来るようにはなったようだ。


 一通りのショーを終えたら次は演舞をやる。


 ミレイユに相手になってもらい、さっきの動きを取り入れたショーの続きのような試合を行う。


 けれどこれ、実はほぼ毎日やっている息を合わせるための訓練の一つだったりする。


 しかし、そういったことは関係なく、これってショーの続き?とか、これが有名なあの戦闘動画のやつか、と話題になったのか人がどんどん増えてきた。


 人が多すぎるほどになったので終わりにして、おひねりをもらい撤収する。


 一回で相当な金額が手に入ったので、この町ではこれで終わりにしておこう。


 そして午後は観光することにした。話にあった獣王の王城と教会を見に行くのだ。王城とに関してはここからでもすでにだいぶ見えてしまっているがそれでも力強さを感じる。


 まず王城から見に行こうとなった。


 王城はこの国で一番高い所、つまり山の上に作られていた。


 ただの建物でさえ50mが普通だったなか王城の大きさは200mは優に超えている。


 だいぶ近づくと視界を遮る建物が無くなり、全体像がはっきり見えてきた。


 白い城に金色の屋根を持つ無数の尖塔があり、通路はそれらをつなぐようにゆっくりと螺旋を描きながら上るような形をして、中心から少し左にずれた場所に一番上には獣王がいると見られる豪華絢爛な一際大きな尖塔がある。


 これだけで獣王の凄さを示すのには十分だが、実は城の周りは魔法で覆われているのが見える。


 巨大な城を覆う、より巨大な防御魔法。


 これを維持するだけでもすごいコストが掛かるはずだ。獣王の余裕が伺える。


 ミレイユとそんな話をしながら次の教会に向かった。

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