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12話 獣王国ヴォルフガント

 俺たちは夜中、列車に揺られていた。


 揺られていたと言ったけど列車は魔法で浮いているので実はほぼ振動はないのだが。


 異世界の旅というと馬車とか徒歩のイメージだったがここでは普通に列車が走っているので隣の国まで寝台特急で向かった。


 こうなると異世界というより外国に旅行に来ている気分になる。


 そして俺は修学旅行の前日に眠れなくなるタイプの人なので期待を裏切らず起きていたが、ミレイユはそうでもないのかぐっすりと寝ている。


 俺はとりあえず目を瞑りながらこの旅の目的を整理してみた。


 まずは目的地であるソラクェル公国に行くまでのルートにある国の観光。次に元の世界に戻る手がかりを探す。これに関してはおそらく無いと思うけれどやっておきたい。


 それともう1人の仲間を探す。もし世界の外側への探索に興味のある人がいたら誘ってみたい。


 そして最後に米を探す。ここにきて早くも一年近く経つが、米は食えていない。


 水の豊富な北東には米があると言う噂を聞いたが遠すぎるので行く事は出来ない。 しかし、旅の途中でもし見かけたら食ってみたい。


 そんなことを考えているといつの間にか眠っていた。


 次の朝、ミレイユと車窓からのどかな畑と遠くに見える次の国、バロジアン連邦を眺めながら列車の中で朝食を食べ、その40分後には駅に着いた。


 ここら辺は陸続きだからか、パスポートのようなものも無くて身分証の確認だけで列車一本で外国に行けてしまう。


 そして、列車を降りるとまず微妙に獣くさい匂いがした。雰囲気も今までいたセトリアは種族が多いが、それ以外はよくも悪くも普通の国だったがここは違う。


 ここは獣人が多く住む国、ヴォルフガント王国。この国は獣人が気性の荒く、ガタイが大きい者が多いためか、まず建物がデカイ。ほぼ全ての建物が50mはある。


 そして建物はレンガ建てで地面は石畳、一つの建物には巨大な球型の時計が設置されている。 街は日光が遮られ薄暗く、清潔とも言えないなか、何故か神秘的かつ見るものを圧倒させる美しさがある街だった。


「すごい、電車で数時間でこんなにも雰囲気が変わるのね。けど、こんなに高いと首が痛くなっちゃいそうね」


「たしかに。それにしてもすごいなここ。この風景を絵にしたらすごい売れそうだ」


「絵、描けるの?」


「いいや、けどここを描いてみたくなった。」


「いいわね。私もやってみようかしら?」


 と話しながらとりあえず予約をしてある宿までの道を歩いていく。街を歩いているのは獣人がほとんどで俺たちは少し目立っていたが、誰かが話しかけてくる訳でもないので普通に宿に着いた。


 宿に荷物を置いてから地図を貰って、有名な観光地を教えてもらった。


 まず獣王がいる城に、大図書館、そして教会がメインの観光地というのを教えてもらった。


 けどまずは画材を買いたい。近くの画材に地図を頼りに行く。


 そこでは絵の具や筆などの普通のものと、魔水晶を入れてある、魔力を流すと光る絵の具も売っていた。


 必要な画材を2人分と夜景を描くのに便利そうだったのでそれも買う。


 後、冒険者の仕事が無いかと確認すると、討伐系はほぼ無かったので諦めた。


 そしてこの日は最初に見た街並みを描くことにした。


 日が暮れる頃、絵を描くのは美術の授業ぶりだが、下書きはいい感じにできて色を少し付けて終わった。ミレイユは天然を発動して下手だったオチかと思ったらなんと滅茶苦茶上手い。


 自信のあった下書きが残念な絵に思えてきた.......


「ユーヤも上手いよ。練習していればすぐ追いつけるって」


「そっちの絵が上手すぎて追いつける気がしないんだけど」


「ふふ、それ戦いの時に私が言ったセリフそっくりだよ」


 そういえばそうだった。 戦闘がまだまだの時、そんなことを言っていたなぁ。


「そうだったな。 じゃあやっぱり頑張るか」


「頑張ってね。 けど今日はもう終わりね」


 この日は近くの美味しそうなお店の夕食を食べて宿で寝た。


 次の日は別行動を取ることにした。


 俺は大図書館に行き、一応手がかりを調べてみる。


 ミレイユは色々と買い物をしてくるそうだ。


 宿の前で分かれて俺はそのまま大図書館へ行った。


 大図書館の近くまで行くとその光景に圧倒された。 まず大図書館というだけあってものすごく大きい。


 東京ドームのような形をしているが、その装飾は細部まで美しく、薄暗い雰囲気の街の中でよりその存在感を増している。


 その図書館に入ったら入ったですごい。


 古い本も蔵書しているのか、インクの匂いが微かにする。 広い空間は全面を本で覆われていて、朝の光が眩しすぎない程度に取り入れられ、装飾のある白い柱と相まって荘厳かつ神秘的な場所だった。


 それにしても蔵書量は凄いことになってそうだ。

 棚の数も尋常じゃ無い上、外周の棚に至っては魔法を前提としているのか10mほどの高さの棚が3つ重なっていた。これに加えて地下室まであるそうだ。


 けれど今回の目的は手がかりを探すことなので、まず転移者と思われる人を探すため歴史書の場所へ行った。


 そこで何時間かかけて古い本まで探してみたがそれらしき人物は転移使い以外は居なかった。


 次に度々話を聞くアジア系の顔立ちの人たちが暮らすという北東について調べたが、たまたま似ていただけという結論に至った。


 それと転移や召喚について調べようとしたが魔法関連では最近の物しか見つからない。


 転移関連は諦めて、目的地であるべランセグ帝国の歴史について詳しく調べることにしよう。


 そうして歴史書のコーナーへ行くとそこには先客がいた。

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