悲劇の舞台って、毒が出てきますよね?
どうも〜 月に2回の更新を継続中の蔵ノ宮です!
ここでドヤ〜とかしてみたいのですが、毎日更新とかされている方とかもいるので、ドヤれません。
# 82 ことわざって、ケアレスミスをしてる事ってありますよね?
豪奢な扉が重い音を立てながら開いていく「こちらにどうぞ」と、メイド服を着せたくなるくらい可愛いユウちゃんに言われて着いて行くと? ヴァルハート王国の姫のルーシア様と変わらぬ年頃の女性だが、女王とも言える気迫というか、貫禄やらカリスマ性が溢れ出している方が居た。
私達が全員、膝をついたのを確認すると、先程の威厳が台無しになるくらいの、キュンキュンするくらいの可愛らしい甘ロリボイスで。
「良くぞ、我が国へ参られた。
事情は衛兵から聞いています…… お忙しいフェロリーナ様の代役を任せられたと」
情報はしっかり伝わっているようだ。
説明する手間が省けて楽が出来るのはありがたい。
それで国宝を今出した方がいいのか迷っていると?
「フェロリーナ様の代役の方、彼女に国宝をお渡下さい」
ほー…… やはり彼女は一介のメイドさん等ではなく、女王陛下の右腕やそれに準じた役割を担っているようで、護衛役等もしているのだろう。
膝を付いている私の前に、殺気を放出しっぱなしの彼女が前に来た…… ここは素直に指示通り渡すべきだと思い、下から優しく両手で持ち上げ。
「どうぞ、こちらがおわずかりしていた国宝にございます。
お受け取り下さい」
しかし彼女はあろう事か、国宝に手をかけて持ったと思ったので、私が手を離すと?そのまま下えと落下する。
謁見の間に居た人々もざわつき、このままだと、地面に落ちたガラス玉のように砕け散るのは誰でも分かるだろう。
強度がどの程度の物なのかは知らないが、大事な物をぞんざいに扱ったとして、罪を着せられかねない…… なので私はフェロリーナちゃんが取り出す時に使っていた、魔法?を使い異空間へと入れた。
すると?
「なっ!?」
と、ネフィリムさんが驚いた様な顔をして、冷静沈着なクールビューティーが崩れる
そして私は。
「すみません。手を離すタイミングが早かった様です。申し訳ございません」
―――まぁ彼女的には、私に罪を着せる策略でも企てたのだろう。
という事は、この程度高さから落としたとしても、壊れる心配がないという事だ。
すると彼女はというと? 私を陥れる策を破られたせいか、あんまり面白くは思ってないようだが、営業スマイル(殺気を出したまま)で。
「いえ、こちらこそ申し訳ございません。
貴方様が魔法を使い、対処してくれなければ、壊れていたかも知れません。
ありがとうございます」
流石に公衆の面前で2度もドジっ子メイドさんを演じるのは、彼女自身にもリスクがある行為であるし、いくら忠実な下僕だろうと、同じ策をやるとは思えない、私への嫌がらせが、この1つだけとも考えにくかった。
案の定、2度目は無く安心して渡す事が出来た。
用も済んだので、早急に帰ろうとすると?女王?姫?が。
「お待ちください! フェロリーナ様代行の方、良ければお食事でもいかがでしょう?」
やっぱり来たよ…… コレって、断ったら不敬罪とかになるのだろうか? しかも流れ的に毒とか盛られてもおかしくない。
「では、お言葉に甘えてご相伴にあずかりしても、よろしいでしょうか?」
すると甘ロリボイスの女王様は、年相応の少女の様な笑みで。
「我が国が誇る、超一流のコックが作る料理で、おもてなしさせていただきます」
それから、慣れない謁見でお疲れでしょうからと、最初に入って待たせてもらっていた部屋で、小休憩を頂いている。
シュレさんがいきなり現れていきなり。
『勇者ちゃん? ちょっとええ?』
「はい。なんでしょう?」
『勇者ちゃんはさ? いっぱい食べても平気なタイプやろうか?この国の料理はめちゃくちゃ美味しくてな? アレやったら、ウチの作った特製ドリンク飲んでみん? コレを1瓶飲めば、フードファイターもビックリなくらい食べれる優れものなんよ〜どうやろうか?』
ふむ。折角のご厚意だ、断るのも失礼という物、頂くとしよう。
「はい。有り難く頂きます」
『皆の分もあるんよ、コレを飲んでたらふく食べぇ〜なっ』
―― ※ 毒を食らわば皿までって言うし?毒物があっても?皿ごと勇者ちゃんに食べさせれば問題無しやな!
※ 思い切って禁忌を破ったのであれば、もはや良識などは気にせず、徹底的してやるべきであるの意味で、彼女が言ってる様な、物理的に一緒に皿まで食べたら大丈夫、という事では無い。
そんな声にいち早く答えたのは、同じ輪天武神である、ルナージュさんだった。
『まぁ、私は食べれないのだけどねぇー!200年くらい前に1度食べたのだけど、本当にっ!この城のご飯は美味しかったのよねぇ…… この時ばかりは身体の無い事が悔やまれるわね〜 本当に』
神の舌でさえ唸らせる程の料理という事か…… ますます気になる。
そんな会話をしながらワクワクしながら、待っていると? ドアの外からノックがあり「ネフィリムです。入ってもよろしいでしょうか?」と声が掛かり、私が「どうぞ」と声をかけると? 笑顔で「失礼します」と入って来て。
「それでは会食の準備が出来ましたので、宴会場へいらして下さい」
それからは皆で、ルナージュさんが言っていた通りの、美味しい料理が次々と運ばれて来て、楽しい食事会をしてきた…… が?
「ぐっ…… !」
突然、私の視界がぐにゃぐにゃになり、胸が張り裂けそうなくらい苦しく、杙を打ち込まれた様な激痛が身体中を走り、椅子から転げ落ち、視界が暗転した。
身内以外の悲鳴や驚きは全くと言っていい程無くて、静かなものだった。
_______ルナージュ視点______
『なんでや!? 毒の成分の解析は充分やったはずっ!』
『シュレ! 大丈夫って、言ったわよね!どういう事かしら!?』
『分からんよっ! でも、憶測になるんやけど、毒を強化されとった可能性があるな』
『ちっ…… だから貴族や王族の相手は嫌なのよ…… 』
お疲れ様でした。
長くなりすぎました…… ごめんなさい。
書きたい描写があると、どうしても長くなりますね〜 次は控えめな文章になるかと思います。




