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女神と魔王が何故か転生した私に絡んでくるんです…  作者: 蔵ノ宮 辰秋
フェルニーラ王国編
84/103

強者のその先……

コロナ感染者の影響で人員が減って多忙になり、更新が遅れてしまいました。

本当にいつ終わるんですかねー? このままイタチごっことかは嫌ですね


# 78 こちら、シュレーク(ス○ーク風)


______ シュレ視点________


ウチは面接を終え、お姉やんに頼まれたミッションを遂行する為に、某…… メタルなギアなソリッドな気持ちを高めて、ノリノリな気持ちでスニーキングミッションを開始した。


――しかし、お姉やんの求める情報源は何処に有るんやろうか? とりあえず研究所っぽい所やけど…… 中に()る人には聞けへんし、怪しい所と言えば地下っちゅ〜 イメージやから、とりあえず下に行けば何かあるやろ。


シュレ改め。シュレークは地下に潜入捜査ゲームの感覚で向かう事を決めた彼女だが、メルティア毒殺計画の証拠よりもヤバイ真実に直面する事も知らずに。

そうしてノリノリで地下へとズンズン進んでいくと? 行き止まりになったのだ。

魔法知識の無い者は引き返すくらい何の変哲もない壁だが、ビンゴ!とも言いたげな、にちゃ〜とした不敵な(えみ)を浮かべた彼女は。


『この程度の隠蔽工作で、ソリッド · シュレークを出し抜こうなんてな…… とか言ってみたり』


彼女は壁に肉球を押し当てて呪文を唱え始める。


『我、汝の隠されし物を解き明かさん!ディアンサハイド』


魔法が発動した途端に、先程まであった壁は蒸発した様に消えて無くなり、奥へと続く通路が現れた。

彼女はニヤニヤ顔で誇らしげにしてから、某…… 潜入捜査(スニーキングミッション)をする、ナイスミドルの男性の様な険しい顔をして、低い声を頑張って出す様にして。


『大佐。これより隠し通路の奥の捜査を開始する』


誰も聞いていないのにも関わらず、居るはずもない大佐?に宣言してから前に進んで行った。

彼女は階段を降りたり、見張りの兵士を後ろから首絞めをして気絶させたりと、プロかと思う程の手際で無力化しつつ、下へと進んでいく。

長い廊下をずんずん行くと? 馬鹿でかい鉄製の扉が現れた。


『コレはビンゴやな~…… 怪しさ抜群や! 如何にもっちゅ〜怪しさやな』


シュレは猫の姿のまま[かりかりかりかり]と、扉を引っ掻く様に必死に開けようとする…… が、それで(ひら)けば苦労はしないのだが、時間が過ぎていく。

彼女が無駄な労力である事に気付くまで10分程かかった。


『はっ…… ウチは何してんやろ。

猫のまんまやと開けれるわけないやん…… 人間に戻るか』


やっと諦めた彼女は人の姿に戻り、扉を開けたた…… シュレが調べたい毒薬の製造研究所とかでは無く、ドデカイ縦長の水槽にホルマリン漬けされた人間と魔物が混ざった様な姿をした、物体がぷかぷか浮いている。


『いやぁ…… コレは流石に予想外っちゅうか、見てはいけんものを見てもうたって感じやな。

勇者ちゃんの暗殺計画を企ててないかの確認の為に潜入したんやけど、明らかに国家機密やん…… コレ。

とりあえず、お姉やんに報告やな』


彼女はいそいそと部屋から出ようとするが、遅かった。


「おい、何者だ!この部屋を見られては、生かして返す訳にはいかんなっ!」


ここの守備をする為だけに居るような、暗がりでも分かる程、筋骨隆々のガタイの良い、2mを優位に超える大男が現れた……


『ありゃ〜 見つかってもうたな。

まぁ、ウチのスキルならどんな男でも関係あらへん』


直ぐに異変に気づいた彼女は、そんな呑気な声は一瞬にして止まった。

何故なら彼女のユニークスキルである、魅了や戦意を削ぐ事が出来ないのだ。

発動しているにも関わらず、お構い無しにじり寄ってきた。


『あれ? なんでなん? このデカブツは止まらんのんや?』


すると大男は、困惑している彼女が面白いのか声を荒らげて。


「グハハハハッ! お前さんが不思議に思うのも無理もない! 理由はコレだ!」


接近してきてようやく分かった。

彼は人間でも、魔物でもない存在である事が1目で分かる程、繋ぎ合わせたような歪な物がコチラを睨む。

そう……先程見た、ホルマリン漬けされた物と似たような化物なのは間違いない。

しかし彼女はいつもの緊張感の無い様な声で。


『フェルニーラ王国の闇を見たっちゅう感じやな〜 しかし、ウチとて素直に引く訳にはいかへんのや。

伊達に輪天武神という肩書きを背負ってないってことを!戦意を削いだり、魅了だけが専売特許じゃないっちゅ~事を! シュレちゃんファンの読者に見せつける時やな!【にちゃ〜】』


そう高らかに異型の男に指をさしながら、宣言した。

すると彼は、余程彼女の自信に満ちた、威勢のいい声が面白かったのか、(けもの)(オッサン)の豪快な笑い方を足した様な声で。


「グゥハッ!グハハハハハハハハハハハッ!! 更なる強者求めて、こんな馬鹿げた実験に参加したが、今まで雑魚ばかりで退屈してた矢先に、いつか合間み得たいと願っていた輪天武神が現れるとは! 研究所の人間の、この実験に参加すれば猛者(もさ)と会えるだろうという言葉には半信半疑だったが、まさか数多(あまた)の 人の世の巡りの輪の中で進化し続け、武の頂点に立つ天の神!」


明らかにキャラクターあるあるの、相手の解説や説明をすると死亡フラグを立てる男に対して、思わず彼女は笑いながらこう言った。


『にゃはははっ!おもろいやっちゃな?お兄やん…… 好奇心旺盛なのはええけど。

勝負を挑む相手は選んだ方がええで? やないと、いくつ命があっても足らんで? 』


「そんな事は100も承知よ!この身は一度失った物…… 夢であった輪天武神と闘えて、もう一度死ねるなら本望だ!」


そう言われた彼女からは笑顔が消え、いつもの天真爛漫の雰囲気から一変し、殺気で押し潰されるのではないかと思う程の覇気の様な物を放出した。

すると男は身震いをした瞬間!それが合図になったかのように、シュレに突撃した。


「流石、輪天武神だ! 今まで感じた事もない恐怖! 虚言ではないかと思ったが、確信した!」


彼女はそんな言葉を耳に留めてないかのように、棒立ちで無視を決め込み、彼は上に飛び上がり殴りつけてきた!しかしシュレは、男の拳をいとも簡単に片手で受け止めたのだ。


「ぬぅっ?!」


彼が驚くのも無理もない。

パッと見、軽く掴んだようにしか見えない…… シュレの周囲には、バトル漫画とかで、相手を地面に叩き付けた時に出る様な、大きなクレーターが出来上がっており、男の拳の威力が化物級である事が分かる。

一撃で殺すつもりで放った彼は、仕留められずとも、ダメージくらいは与えられるのではないかと思っていたのだが、まさかのノーダメージ。

戸惑いを隠せないでいると?淡々とした声音で


『まるでお話にならんな~…… こんなもんかいな、近代の戦闘兵器の開発技術は。

お姉やん達の全盛期で作ってた奴の方が1000倍は優秀やな…… この程度やったら、国1つも落とせへん…… 失敗作でも作ったんか?』


男は耳を疑った…… 研究員が俺が出来た時に言ったのだ。


「おぉ〜大成功だ! 自我も有るようだし、戦闘力も前回の者に比べて3倍以上!隣国との(いくさ)があってもコレで大丈夫だ!」


確かにそう言っていた……初めて聞いたセリフだからこそ覚えている。

しかしそんな俺を…… 目の前にいる女は!こともあろうか!『失敗作』と、言った。

怒りが湧き上がり、幾度となく攻撃を仕掛けるが、相手はその場から動かずに、払いのけたり、足払いで転ばされ、かかと落としで沈められ、圧倒的な力の差に今までの努力が水の泡だった…… 今まで実験が徒労に終わったかのような気持ちになり、高ぶる感情が地の底へ沈んでいく。

俺は何もかもがどうでもよくなり、そっと目を閉じる。

すると輪天武神が、囁くようにこう言った。


『お兄やんのパンチ、一般人にしてはなかなかやったで? ほな、お疲れさん』


そんなセリフと同時に意識が飛び、死んだ事を悟った…… またか。

改良に改良を重ねた俺に対してのあの言葉…… 本当に、上には上がいるもんだ。


一方、シュレは戦闘兵器と設備と研究データを破壊し、当初の目標であるメルティア毒殺計画の真相は、場内をふらついてる時に意外にもあっさり、兵士達と研究員の会話から情報が直ぐに得られ、使用される毒薬の成分をメモに書き留め、城から脱出した。

そうして、彼女はこう呟く……


『はぁ…… ウチが活躍するのは、もうこれで最後なんかなぁ〜 読者の反響があれば、面倒な任務やったけど、またやりたいわ』


そんなメタ発言をしながら、彼女は帰路に着く。

お疲れ様でした!シュレが大活躍!の2本立てになりましたが、いかがだったでしょうか? 他のキャラクターがメインの話も書いてみたいなーと、思ってます。

次回は主人公達の視線に戻す予定です。

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異世界転生 ギャグ 百合 変態 TS
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