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女神と魔王が何故か転生した私に絡んでくるんです…  作者: 蔵ノ宮 辰秋
異世界に着いた様でして?不幸の始まり
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私の中で女神が悪魔な件


#6 私の中で女神が悪魔な件



とりあえず私は街に戻ってきた……前回のように急に人が倒れたり、鼻血ブーする人もおらず、安心して歩けているが、視線は相変わらず老若男女問わずに視線を独り占め状態なのは変わらない。

お金がないから宿にも泊まれないので野宿か、泊まり込みで働ける所か、短時間で稼いで宿に駆け込むか、誰か泊めてくれる人を探すか、なんて考えていると?慌てた様子で急に脳内に響く声がしてきた。


『知らない男の家に泊まるなんて許しませんよ!私の可愛いメルティアちゃんの触らせるお肌は、ありませわぁぁぁぁ!!』


「おぉ?!…… 女神さんさっきぶりですね。

お仕事終わったんですか? というか、考えてる時に声を出さないでください!ビックリするじゃないですか…… 私はいつ女神さんの物になったんですか?」


そう問うと、差も当たり前であるかのように淡々と。


『メルティアちゃん先程ぶりですね!それは申し訳ございません。

メルティアちゃんの貞操がピンチな時にじっとはしていられませんし、お仕事なら先程終わって家に着いて、ワインをあけて今から飲もうとしていた所にメルティアちゃんがとんでもない事を考えるからですよ? 何時と言われましても……貴方が産まれる時から目をつけてました』


-- 何かとんでもない事を言われた気がする…… スルーしよう! 精神衛生上良くないし相手は女神だ、何を仕出かしてもおかしくは無い。


「それはお疲れさまでした、じゃあ何か良い方法はありますか? 野宿は考えたくないのですが、やっぱり誰かに泊まらせt……」


と、言いかけた所で女神さんが、是が非でもそれは許さない!とばかりに、喚き散らしながら提案をしてくる。


『だからそれはダメです! 却下します! 神や仏が許しても、この女神が絶対に許しません!! この街には全国各地から人が集まってきて、宿と食事が出来る大きな宿泊施設があります! 宜しければ、其方(そちら)へ行かれてみてはどうでしょう? ずっと人手は足りてないようなので』


その申し出に感謝しつつ、女神さんに労いの言葉をかける。


「ではそちらに声をかけてみますね、ありがとうございます! では、ワインゆっくり飲まれてくださいね」


すると女神さんは嬉しそうにして『おやすみなさい』と言い終わると、繋がっている感覚が消えた。

それから宿泊施設とやらに向かい、迷わずにどうやら着いたようだ。

扉を【ガラガラガラ】と開けると? ススススっと、小走りで近づいてきて、高級老舗旅館の様に出迎えられる。


「ようこそいらっしゃいました、ご予約はして頂いてますでしょうか?」


なんと!?女将さんのような格好でお出迎えしてくれたのは、30代前半くらいの黒髪の美しい女性でした。

このファンタジー世界はどういう設定なのかますます分からなくなってきた。

そして私は彼女にここに来た要件を伝える。


「お客として泊まりに来たわけではなく、住み込みでよろしければ働かせて頂けないかなーと思い足を運んでまいりました。

知り合いに、この宿泊施設なら、住み込みで働けるのでは?と聞いたので」


ふむ……と、少し考える素振りをしてから、何かしらの事情が有るのだろうと察してくれた様で、深くは聞いで来ず、美しい笑顔で対応してくれる


「そういう事でしたか…… 今、有り難い事に繁盛してまして人手が足りない状態で、困っていた所にその申し出は非常に助かります。今からでもお願いしたい所です」


「ええ勿論大丈夫です! お世話になります」と、深くお辞儀をすると、女将さんの方も同じく返してくれて、向き合うと妖艶な微笑みで。


「ええ、こちらこそよろしくお願いします。

しかも、こんなに可愛らしい従業員が入るなんて嬉しいですね……何か困った事があれば聞きに来てくださいね?今から早速ですが、コチラの服に着替えて来てください」


と、事前に用意されていた? 紙袋に入った服が、1式渡された。

女将さんと同じ様な着物みたいなものだろうと思いながら、更衣室に案内されて着替え始めた……がっ!


「なんでぇぇえぇぇぇえぇ!!」


服を見るなり絶叫してしまった、その服はどっからどう見ても、紛うことなき【メイド服】だった! おかしい!! 最初は着物なんて上手く着れるかなーと思っていた。

何故統一しない! 困った事があれば聞いていいと言われたので不安気に女将さんを呼んだ。


「あの……服が女将さんのと違うんですけど」


すると彼女はニコニコしながら何を言ってるの? 当然とばかりに。


「あら? そんな事? だってうちの店は、こすぷれ宿屋ですもの、おほほほほ」


――Why?コスプレだとっ……?!聞いてないよ!


私は頭の中で、今の状況を処理しながら疑問をぶつける。


「はい? コスプレ宿屋? つまり女性がいろんな

コスチュームを着て、接客するんですか?」


「ええ……ある時、天から声が聞こえてきて、店の売り上げが減り、困りはてていた所に救いの声が聞こえたのです。

女性がありとあらゆる衣服を身に(まと)い、お客様をおもてなしすれば、黒字に変わるでしょう…… と、服のデザインは私が貴女に後ほど届けます」


私は疑念した……あの人の手のひらで踊らされているのでは無いかと……そして女将さんに話の感想をこぼす。


「それで女将さんは天からの言葉を鵜呑みにして、今は大繁盛なんですね……」


興奮した様子で、女将さんが律儀に、天の声さんの全台詞を復唱していく。


「そうなんです! 天の声のお方が私を救って下さったから今があるのです! 貴女が来る前にもお告げがあり、このお店に新たな従業員候補が来ます!その娘には めいどふくが、とぉぉぉぉっても似合うので、是非着せて下さい! はぁはぁ/// さすれば、売り上げがさらに上がるでしょう! と」


――私は確信した。

絶対に女神さんだと、本当にあの人何をやっているんだと、自分の仕事しろよと、ちゃんと女神してくれよと、まるで自分が手のひらで踊らされてるような気分になり、げんなりしてると。


『それで質問はよろしいですか? 私は仕事に戻らねばいけないので、他になければですがよろしいですか?』


お世話になっている? とは言っても、新たな人生で他人に踊らされるのは、どうにも(しゃく)である。

そして私は決意した!いつもは目が半眼(ジト目)の私が目を見開き、自分の思いの丈を! 自由を手にする為に! 女将さんに告げる。


「やっぱりやめます!こちらで働くの……すみません!! せっかく忙しい中、色々して頂いたのに申し訳ありません!では、ありがとうございましたぁ!!」


って帰ろうとすると女将さんが


「ちょっと待ったー!!」と引き止めてきた。


私はこれ以上関わらないでほしい! という気持ちを込めて。


「え?なんですか?コレから野宿の準備するので急ぐのですけど?」


そう言うと 女将さんは、あたふためきながらも「そんな寂しい事言わないで!」と言いたげな感じで、すっとんきょんな事を言ってくる。


「なんで辞めるんです?!そんなにめいどふくが嫌なんですか?」


「普通に嫌なんですが、それだけの理由じゃ……」


人の話を最後まで聞かずに、またよく分からない事を、必死に言ってきた。


「じゃあ!とっておきの※ ロズ〇ール邸で、お仕えしてる双子が着てる、めいどふくならどうでしょう!」


そんな事を言ってくるが、私は心を鬼にして冷たくあしらう。


※私はラ○さんが好きです。


「詳しく存じ上げませんが、結局はメイド服ですよね? 却下します! さよなら」


続いてバッ!と取り出したのが……一見、紐の集合体にしか見えないが、女将さんが目をキラキラさせながら自信満々に広げて見せてきた。


「待って下さい! これならどうですか? めいどふくに見えるけど実は! ミズギという服ならどうでしょう? コレは、かなり個人的にも自信作で可愛いでしょ? ミズギという服なので決して、めいどふくじゃないです!」


――ドヤ顔して、これなら大丈夫でしょう? みたいな顔はやめてほしい……しかも、このメイド服に見える水着は、普通のメイド服よりも生地がない、ほぼ全裸と言ってもいい、上はビキニタイプにフリルで下はギリギリTバックじゃない感じで、腰周りだけの超ミニのエプロンドレスとガーターベルトもついていて、膝下はまでのタイツのようだ……とてもじゃないが、まだ普通のメイド服の方がましだ。

だからと言ってビキニメイド服は着ない! こんな痴女みたいな格好をするなら野宿する。


「やっぱり……すみませんが、ここでは働きまs……」と、言いかけた所で脳内に悪魔が囁いて来た。


『そんな事を言ってよろしいのですか?』


「え?!」


この面倒くさい状況の張本人である女神が現れた。

そして彼女は淡々とした口調ながらも何処か威圧的な物言いで脅してきた。


『メルティアさんの運と魅力を抑制する腕輪を無効化してもいいんですよ? そうなると困るはずです。

私は別に構わないんですがね〜 ここには今、多くの男性のお客様がいますよね? そして腕輪の効果を消します、そうした瞬間にハイエナの如くあなたに押し寄せますよね? 皆さんが鼻血を出してココ一帯が血の海に〜! あ〜そうなると…… 大変ですよね? 如何します?』


――くっ! 人質を取るなんて……なんと卑劣な! それでも貴女は女神ですか! と、言えれば主人公っぽくていいのですが、如何せん……元35歳のサラリーマンは圧力には弱いのだ…… 背に腹は変えられないのです、仕方ありません。


「女将さん分かりました。メイド服着て働きまs……」


『水着メイドですよね? も・ち・ろ・んっ/// (ボソッ)』


再び脳内で悪魔(女神)が囁いた……泣きたい、死にたい。


「お……女将さん、水着メイド服を着て、こちらでお世話になります! よろしくお願いします……」


そう言うと、「ぱぁっ」と、笑顔の花が咲いたかの様に、嬉嬉としながら。


「まぁ! どういう心変わりか分からないけど、コレからよろしくお願いするわね!着替えたら私の所まで来て下さいね?」


あっ……はい、と返事をして嫌々ながら着替え始める、すると……鼻息までもが聞こえてくるくらいに、興奮した覗き魔(女神)が。


『あ〜/// たまりませんわっ! 可愛い美少女のお着替えとか、最高にいいですね! アニメ化とかしたら、5分くらい使っても足りないくらいですね♡ 着替え後は10分くらいメルティアちゃんが恥ずかしながら色んなポーズをとり、あらゆる角度から撮ってる風のシーンで決まりですね!はぁはぁ/////』


――えーとつまり確かアニメは30分間だったはず、OP曲やED曲やCMが間に入るという事は、半分くらい私の着替えシーンと着替え後は、グラビアアイドルのイメージビデオみたいなシーンで終わるって事だろう……カオス過ぎる、元オッサンのお着替えとか誰得だろうか、考えるのをやめよう……今は働く事だけを。

最近女神さんが壊れてる。

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異世界転生 ギャグ 百合 変態 TS
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