まさかのフラグを全回収?!
こんばんは〜1週間に1回更新が性に合うみたいです。なので、コレからは無理をせず、このペースで書こうと思います。
# 53 まさかのフラグを全回収?!
目の前に現れたイカドラゴンは『ギャォォオォォ』と咆哮をあげ急に。
『ふむ……とてつもない力のぶつかり合いを感じ取って近くまで来てみれば、その片方がこの様な幼子とはな……我輩の声が聞こえるであろう? 輪天武神に選ばれし者よ』
メルティアは心の中で「喋るんかい!!」とツッコミを入れる。しかし大王イカと海龍が合体して現れるとは……フラグさんよ、欲張りさんめ。そして私は、無視をする訳にもいかず、取り敢えず営業スマイルを意識しつつ。
「初めまして、私はメルティアと申します。そして、如何様でしょうか?」
やはりそうであったか!と、自分の感が当たって、声音が少し威圧感減り。
『うむ……我輩は、この海を統べるゲッソーラという者だ。その力を見込んで、メルティアに折り入って頼みたい事があってな』
リクとシュリと船乗りは、化け物と見つめ合って話をするメルティアに対して、怪訝な顔で見つめているのを無視しつつ、「頼みたい事とは、何でしょうか?」と返事をした。するとゲッソーラさんは。
『最近この海域で、幽霊船が出没しておってな、そなたに除霊してはくれないか? 無事に終われば、メルティアに今後役立つ物を授けよう』
「やってみるのは別に構わないのですが、幽霊を成仏させれる様な道具も、魔法も知りません」
『心配は無用だ……そなたが契約している、クリムゾン·ジーグリッド·リィデア·ヴァーミリオンが知ってる。今はルナージュと名乗っているのであったか?』
上から目線の物言いに対して、ルナージュは腹を立てながら、メルティアに嫌味ったらしさを込めて。
『このイカ臭い奴の言ってる通りよ。私達は悪を感知するのは勿論の事、対魔や除霊、アンデット駆除なんかも、そこら辺の専門家よりも優秀よ』
「なるほど……ルナージュさんの助力があれば、問題ない事は分かりました。少し疑問に思ったのですが、御二方はお知り合いでしょうか?」
するとルナージュさんは。
『こんなイカ腐ドラゴン何て知らないわ!公衆の面前で人を真名で呼ぶ、デリカシーの欠ける奴とかね!』
そして、その物言いに対抗する様に、ゲッソーラさんは、触手をうねうねさせながら怒った様子で。
『己の今有る力で満足して、探求心や努力をしない無気力干物女何なんぞ、知るものか!』
どうやら2人には唯ならぬ因縁が有るみたいで、まるで女神さんと魔王さんの様だ。
まぁ話が進まないと、またシュリさんに怒られるので、ゲッソーラさんに幽霊船の出現場所を聞く事にする。
「ゲッソーラ様、話を戻しても良いでしょうか? それで対抗出来る術が有るのは分かったのですが、肝心の幽霊船は何処にいるのでしょうか?」
『我輩にも分からぬ、しかし……』と言いかけた所でルナージュさんが小馬鹿にしたように。
『ぷっ!人に頼んでおいて、場所も分からないのにしろとか、とてもじゃないけど本当に、名ばかり海神かしらねぇ〜? 貴方のお姉さんなら、こんな事はないわよねぇ〜ふふふっ』
余りにも挑発的言動にキレながらも『ぬぅ……』と、唸ってから、説明をし始める。
『最後まで聞けぇ!!この無気力干物女! しかし、こちらに呼び寄せる事が可能だ。後、姉様でも対処は出来ない……我々海神は、海域全ての生きとし生けるもの達に、平等ではなくてはならない……例え彷徨う亡者とて、関涉する事は出来ぬのだ』
「なるほど、事情は良く分かりました。
では早速ですが、幽霊船を呼んで頂いてもいいでしょうか? 」
小首を傾げながら、触手を顎下まで持っていき、考える人のポーズを器用にしながら、本当に良いのか?とも言いたげに。
『うむ? 我輩は良いのだが……そこの無気力干物女に、まだ何も教わっておらぬではないか』
メルティアの力を見抜けないの?貴方は本当に海神なの? 馬鹿なの? 死ぬの? と言う風に嘲笑いながら。
『本当に分かんないの貴方は? それで今は偉そうに我輩とか言っちゃって、昔は蟹に挟まれて痛い痛いと言って、お姉さんに甘えてた頃と何も変わってないんじゃないのぉ〜?図体だけは立派だけど、ぷッ』
『おい……さっきから何だ貴様は!!我輩を愚弄しおって!、姉様の友であるお前であっても許さんぞ!魂ごと破壊してやろうか?』
ルナージュは子供に言い聞かせるように。
『事実でしょ、ソーラ? 貴方が私に勝てた事なんてあったかしら? しかも今の私は、メルティアという最強の勇者と契約しているのよ? 万が一、億が一にも有り得ない』
そう言うと、突如! 海全体を震撼させる程の圧倒的な何かが現れた、それは……水の女神……否、海の女神と呼ぶに相応しい容貌の女性であった。そして笑顔で目が笑ってない顔で、ルナージュに。
『くりむは〜ん、ソー君を弄り過ぎたらあきまへんえ? あんまり、オイタが過ぎるとウチ、怒りますえ……(にっこり)』
そう言われたルナージュは刀身をカタカタ振るわせて。
『ひっ……ごめんなさい、リウム……』
『謝るんは、ソー君にやで? 』
そして何時になく真面目なトーンで、ゲッソーラに。
『ソーラ……本当にごめん!許して!貴方のお姉さんのお仕置きだけは嫌なのよ!』
見た目が青いせいか、分かりにくいのだが、急な姉の登場にゲッソーラもガクブル状態になりつつも、トラウマが蘇り、気持ちは分かると思いながら。
『姉様に免じて許そう……いや、許さねば、我輩があの地獄のお仕置きを受ける可能性があるからな、仕方なくだ』
噂の張本人は、喧嘩を治められた事を満足気に「良かった、よかった」と言いながら、うんうんと頷く。本当にどうなるの?
『うーんあのシスコン変態騎士を倒しても、あの程度の経験値か……』
そう私がボヤいていると?どっかで見た事のある、好戦的なお嬢様(剣の姿ではなく人の姿)がズカズカと部屋に入ってくる
『私が今回のゲストだわぁ〜ん!良きに測らいなさいな!』
するともう1人急に。
『それならウチも、仲間に入れて貰いましょか?』
その声を聞いた途端、エルリアーレがビクッと震えて声のする方へ、錆びたロボットが首をゆっくり捻る様にして
『ひっ!この声は……リウム。今回は忙しそうだから帰るわぁ〜ん!おーほっほっほぉっ?!』
と、言い終わる前に、急いでこの空間から出ようとするエルリアーレの首根っこをガシッと掴み。
『久しぶりの再開やのにエルは冷たいなぁ?そんなにウチと居るのが嫌なんか?』
エルリアーレは思った、別にリウムは嫌ではないい……むしろ好ましい部類に入る、しかし彼女に会うと、お仕置きされるのではないかと、トラウマ蘇ってしまうのだ、脳が警告を出し……身体が!どうしても逃げようとするのだ。
『そそそっそんな事は無いわぁ〜ん! 私の現主が、戦いに敗れて落ち込んでいるので、傍に居てあげなきゃ!って思ったしだいですわぁ〜ん』
我ながら完璧な言い訳だ!勝利を確信したのも束の間。
『エルのお友達はウチの友達でも有るから、慰めに一緒に行きましょ』
『なんでなのよぉ〜ん!!』と叫びながらリウムと一緒に消えていくのだった。
本当にリウムは何をしたんでしょう。次回明かされます。




