心中お察しします…
まずは、ごめんなさい!色々忙しかったり体調が優れなかったりして、小説を編集するのは出来たのですが、次の話を書くような時間と元気は無く間が空いてしまいました、次からは更新を無理しない程度に出来たらな〜と思います
#21 再び冒険者相談所へ…行きたくないが
お店の皆んなから送別会をしてもらって、その翌日の事だ……聞き慣れた女神さんの爽やかな言い方の声がする。
『メルティアちゃん!おはようございます!いい天気ですね!旅立ち日和ですよ〜起きて下さい!』
「そうですよ!もうお昼前なんです!今日は、冒険者相談所で仲間を集めて旅に出るって言ってたじゃないですか!」
眠い身体をリクさんが揺すって起こそうとしてきて、
私は声を絞り出すような呻き声を上げる。
「ぅー…ねむい…」
案の定私は、送別会が終わった後に旅に出る予定だったが、朝までドンちゃん騒ぎをしていたため、その後に直ぐに旅に出る気も起きず、結果的に翌日出ようと言うことになったのだが? この調子である……すると女神さんが、いつになく必死な声で。
『メルティアちゃん!凄く可愛いですけど!流石にルリちゃん怒られてしまいます!!』
続いてリクちゃんも涙目になりながらも、必死に布団をバンバン叩きながら。
「リクも魔王さんに、メルティアを街からさっさと出せ!!って怒られたんですよ!」
私は目を擦りながら、休日に長年寄り添った奥さんから、出掛ける準備を急かされた旦那さんみたいに、のそ〜と、起き上がりながらそのままの状態で。
「は〜い…分かりました…冒険者相談所へいってきまーす……」
リクさんが慌てふためきながら。
弟や妹を叱るお姉さんみたいに、頬を膨らませながら。
「メルティアさん?! パジャマのままです! 着替えて下さい!!この間お揃いで買った防具を装備してください!!」
そんな私の姿に、どうしようもないくらい興奮した変態面が思い浮かぶレベルで、興奮した女神さんが。
『寝ぼけた時のメルティアちゃん鬼可愛いわぁ〜////』
そんな事も梅雨知らず、私はリクさんに両手を広げながら、猫撫で声で。
「リクゥ〜……お着替え……してぇ〜?」
その様子を見た変態(女神)は「ブシャー」と、水飛沫の様な音(鼻血が吹き出した?)が鳴ってから「ゴンッ」と、鈍い音が聞こえてきた後に、鼻息をフガフガ鳴らしながら興奮した様子で。
『ぐはぁっ…!!なんて?!破壊力なのかしら!萌え力が58万を優位に超えているですって?!メルティアちゃん……恐ろしい子!』
リクさんは鼻血を垂らしながら後方に倒れながら。
「ゃばぃ…かわいすぎますぅ…」と、言いながら昏倒した。
こんな惨状を見ていて、我慢できなくて参上したこの物語のラスボスであり、貴重な軌道修正係の人? が、ブチ切れた様子で。
『おいこら!!そこのアホ3人!!大人しく人が黙々と仕事して待ってんのに、てぇめぇらはよ……メルティアの寝ぼけ姿は確かにヤバいが、物語が進まねぇだろうが!』
叱咤された3人が、同時にビクッ! となってから、3人同時に。
「「『はいぃ!!すみませんでした!!』」」
続けて魔王さんは、軍の鬼教官の様に。
『わかりぁー良い……さっさと支度しろ!!分かったやつは、頭とケツにサーを付けて返事しろ!!』
リクちゃんも見よう見まねで痙攣しながら3人で。
「「『サー!イエッサー!!』」」
という感じに、魔王様にお叱り受け、ようやく旅に出る事になったのだ……それから忘れ物は無いか、準備は出来てるか、確認してから冒険者相談所へ向かうのだった。
「こんにちは……お邪魔します……」
相談所のイカついお兄さんが、私の顔を見るなり「待ってたぜ〜」みたいな顔をしてから。
「おっ?来やがったな、メルティア!ちょっと来い!お前に直々に依頼がきてんだわ」
「こんにちは、依頼ですか?どの様な物でしょう?難しい感じですか?」
「メルティアなら大丈夫だ……それを見込んでの依頼だからな、デイブは覚えてるな? 秒殺した噂がな、城の騎士で最強と名高い奴の耳に入っちまってな、それで相談所に来たら、城の決闘場まで足を運んで欲しいと、そして……1戦交えたいんだとよ」
相談所のお兄さんの言葉聞いたリクさんは目、をキラキラさせながら
「凄いですね!メルティアさん!最強の騎士からのご指名ですよ!どんな人でしょうか?」
うわぁ〜面倒くさそうな依頼だな……と、眉間にシワを寄せながら。
「個人的に気は乗らないんですがね?」
すると案内所のお兄さんが、いたずらっ子が見せる様な、ニカッとした顔で。
「一応言っとくが、逃げたら逮捕状が出るようになってるからな?一躍指名手配犯になっちまうぜ?」
何故かリクさんも、一緒に驚きの声を上げる。
「「えぇー?!」」
嫌がるのを、心の底楽しんでいる様子のお兄さんが「クックック」と、笑いながら私に追い討ちをかける様に。
「えーも、うーも無いな、メルティアは絶対にあの騎士からは逃げられない運命だからな、諦めろ……(にやっ)」
--ここでも、理不尽という名の暴力で縛られなければ行けないのか、不幸だ……
私は諦めて、詳細を聞く為に皮肉混じりに。
「分かりました、今から城に行ってきて、負けてきますよ……事前に今から向かうという旨を伝えたいのですが」
そんな皮肉な物言いも効果はいまひとつで、逆に親指を立てながら、爽やかな笑顔で。
「もう城には連絡しといたぜ!」
--仕事早いな?!というか、凄く嬉しそうに言うなよ……まぁコレで城の前で門前払いをされない、というかされた方が有難いが。
もう反抗も無意味だと悟った私は嘆息気味に、後ろを向きながら背中丸め、手を上げながら去っていく。
「では、負けてきます…」
少し弄り過ぎたか?何て顔をしながら
「おいおい……デイブの時と、全然やる気が違うじゃねぇーか(笑)まぁ骨なら拾ってやるよ、行ってこい!」
--やる気など出る訳ない。
何せ城で最強の騎士である、いかにも勝っても負けても面倒な事にしかなりそうにない……
そんな事を考えながら歩いていると?どうやら城に着いたようで、門番らしき男が声を張り上げながら、槍を構える。
「おい!そっ…そこの女子、君の来るような場所では無い……ぞ?」
いきなりキョドった男のセリフでビックリでしょう、私も驚いている……説明すると城に着いて、門番が居ました、それで顔を見るなりキョドりました、終わり……それで終わりか?と言われてもそれしか情報がないです。
「すみません……ココに最強の騎士さんがいらっしゃると聞いて来まして、」
と?素直に理由を述べたのだが、脳筋騎士は頭が固い様で、思ってる事も馬鹿正直に。
「エリザベート様に、君のような可愛らしい人がどんな用事があると言うのだ!」
そんな言葉に反応したのか?門が急に「ギィィー……」と重い音で急に開いた。
すると門番は、出てきた人に向かって、畏まりながら。
「コレはエリザベート様!ご機嫌麗しゅうございます!今、この可愛らしい少女に帰るように、言っていた所でして……」
セリフの途中で鎧を着た、白髪のショートカットの美女が、キッと睨みつけてから遮る様に、私に尋ねてきた。
「説明はいい!後にしろ!もしやキミがあの、猪突のデイブを秒殺したというメルティアか?」
いきなりで困惑しながらも、素直に答える
「はっ……はい!デイブさんと決闘して勝ってしまったメルティアです…」
何処に面白要素があったのかは、本人には分からないが、先程の顔とは違い、素敵な笑顔で門番に告げる。
「あははは!面白い奴だ! 勝ってしまったか……おい、門番!彼女は私の客だ!」
「はっ……はいぃ!!どうぞ、お通り下さいませ!!」
そんな事があり、私は後ろから最強の騎士であるエリザベートさんに付いて行くのであった…一方門番は。
「あれ?さっき猪突のデイブを秒殺したと、エリザベート様言ってたよな? つー事は? 今から決闘場で、あの子と戦うって事だよな? しかし分かんないな…あんな子がデイブを倒すとか……」
「くしゅん!」誰か噂をしてるのか?リクちゃんはニコニコしながら付いてきているし、お店の皆んながしているのであろう。
突然、聞いた事のある嬉しそうな声がしてきた。
「メルティアじゃありませんの?!久しぶりですわね? 私のメイドになる為に来たのかしら?」
「お久しぶりです!姫様……すみません、メイドになりに来た訳でわなく、エリザベート様に呼ばれまして、今から決闘場にて戦うらしいです?」
私と姫様が知人である事に驚いた様子で、姫様に確認する。
「姫様、ご機嫌麗しゅうございます。
メルティア殿と面識がお有りで?」
「シュリ、私のお気に入りのお店の店員なのよ?何ヶ月かくらい前に初めて会ったのよ!運命の出会いでしたわ!」
「そうでしたか……懇意にされてるようですね。
しかしメルティア殿?今から決闘を行うのに、不明確な物言いは、余りよろしく無いと思いますよ?」
自分の物言いに思う所も有り、素直に謝罪しつつ。
事情説明を2人にする。
「すみませんでした……ですが、私は戦うという行為が余り好きではないのです。
相談所へ行ったのは仲間を集める為でして、使命を達成するには何かと不安で、心強い味方が必要なんですよ」
そういうと、姫様は目を見開きながら驚いた様子で。
「え!?……メルティア、何処かに出てしまわれるの?!」
一方、納得しながらもエリザベート様は、考える様に唸りながら。
「なるほど、そういう事でしたか……それは、私の勝手な都合に付き合わせてしまって、申し訳ない」
謝罪は求めてはいなかったが、少しは理解して頂けたせいなのか、安堵しつつ。
「姫様…成し遂げねばいけない事が有るのです、言いそびれていましたね?申し訳ございません。
後エリザベート様?コレも何か良い経験が出来ると、思う事にしますので、気にしないで下さい!」
その説明を聞いた姫様は「はっ……!」と、何かを思い付いた様に。
「では、私はメルティアの為に……早く帰って来れるように全力でサポート致しますわ!うーん……良いこと思いつきましたわ!シュリ、もし貴女がメルティアに負けたら旅に付いて行きなさい!メルティア?わざと負ける様な真似をしてみなさい……私のメイドにするわよ?あの人(魔王)が怒ろうと知った事ではないわ!分かったわね?」
そんな突然の命令に、姫様相手にも苦言を呈す事もじさない覚悟で。
「姫様!!正気ですか?! 私がいなければ誰が城を守るのですか!?」
「もう決めましたの!有無は言わせませんわ!コレは命令です!シュリ·アルストリア·エリザベート!」
突然の暴挙に対して、私も何か言わねばと思い、真摯な気持ちで、姫様にこう言った。
「私からもお願いします!お考え直し下さい!ご自分だけで判断されてはいけません!国の安全に関わることですよ!」
追撃する様に、エリザベート様も必死に懇願しながら。
「そうです!メルティア殿の言うように、ご自分の判断だけではいけません!国王陛下に相談し、それからでも遅くはありません!」
すると何処から沸いてきた、王様っぽい格好のナイスミドルが、しれっとした顔で。
「ん?儂は構わんぞ?行ってまいれ、しかしココじゃ見ない可愛い娘じゃの?よう顔を見せてみよ。」
その、何も考えて無いかの様な物言いに、シュリさんは怒りを堪えながら、意見を物申す。
「陛下!!軽すぎます!も少し考えて物を言われて下さい!」
確かに言う通り軽いよ……って! 国王陛下?! 綿毛より軽いよ! 一言で済ませるなよ! 話の切り替え早いなぁ!フットワーク軽すぎだよ! 顔を見せたら良いんでしょ?! と心の中でツッコミを入れつつ、膝まづいて顔を上げる私。
私の顔をご覧になった国王陛下が、厭らしい顔で舐め回すように視線を泳がせながら。
「おぉ〜べっぴんじゃの〜儂の妾にならんか?不自由なく暮らせるぞ?」
まさか妾に誘われるとは思って無く、動揺していると? 姫様が急に、娘が父親に対して怒る様な感じで。
「お父様!そんな事はさせませんわ!お母様に報告しますわよ?」
その言葉に、先程の厭らしい顔が一気に青く染まり、女王陛下が相当怖いのか、ガクブルしながら娘(姫様)に、本気の発言で無い事を激しく動揺しながらも、アピールする様に、懇願し始める。
「わっ……儂の可愛い愛娘よ!?そんな恐ろしい事を言うではない!!あの鬼嫁に殺されてしまうわ!儂なりの可愛い冗談じゃよ〜本気にするでない……本当じゃ……よ?」
なんだろ……この親子喧嘩、どうしようか悩んでいると? エリザベート様が申し訳なそうに。
「メルティア殿、すまない……私の事では無いが、謝らねばいけない様な気がしてな、では行くか……決闘場に」
そう言われたので、親子喧嘩は見なかった事にしておいて、彼女の提案に乗る事にした。
そして、私は笑顔でこう言った……
「いえいえ、心中お察しします、この様な事を言うのは不敬罪に当たりますが、あのどうしようも無い親子は放っておきましょう」
エリザベート様は深々と礼をしてから、気持ちを切り替えようと、彼女もまた……ぎこちないが笑顔で。
「メルティア殿のお心遣い痛み入る」
本当に私とエリザベートさんは、このままならない気持ちのまま決闘をしなければならないのか?
そんな事を思いながら決闘場へ2人で向かっていく。
ほぼフルメンバーで新たな仲間候補と新キャラ登場です!読みやすく面白く出来てたら良いのですが…これからも宜しくお願いします!




