異世界に到着どうしてこうなった…
#2 異世界に到着どうしてこうなった…
そして……意識が戻ってくると、大勢の人々の声が聞こえてきた。
「なんという美しさ…」
「女神様のようだ」
「なんなのかしら……女の私でも胸がキュンキュンする」
「それにしてもこんな子が街にいたからしら?」
――などなど様々な感想が聞こえてくるが、その時の私はまさか自分の事を言われているなんて、思ってもみなかった……
私の目がだんだん開いてきて、視界が広がり初めて、ココが街である事に気がついた、しかし目の前には人、人、人、人、大勢の人間が自分を取り囲むように見ていた。
何故このような状況になっているか思考回路が追いつかず黙っていると、ある男性の1人が?
「おー!目を覚ましたぞ!」 と言って、私と目があった瞬間!「グハッ!」 と、倒れてしまった。
しかも鼻血を垂らしながらである……何故?
私は思わず立ち上がり男性に声をかけ「大丈夫ですか!?」 と近づいた。
男性は凄く「はぁはぁ…」 言っており、呼吸が荒く顔が真っ赤に染まっていました。
―― あれ? 私の声が偉く甲高く、可愛らしい声になっている事に気がついたのである。
まるで10代くらいの少女のような感じだった。
今はそういう事を気にしている状況では無く、男性をどうにか治さなければならない。
そういえば魔法も女神さんが使えるようにしておいてくれたと聞いていたので、試して見る価値はある。
治って!と念じながら祈ってみた。だんだん男性の顔色が戻り、呼吸も穏やかになってきた「もう大丈夫そうですね」 と、安堵して顔が綻び、自然と笑顔になります。
その瞬間!私の顔が見える範囲にいる人達がバタバタと倒れていく…… えっ?
「なんで!?どうして!さっきまで皆さん普通だったはず!」
どう考えてもお前のせいだよ!って、突っこんでくれる人は居らず、本人は気づかない。関ヶ原義継は先程男性に使った回復魔法的なのを、バタバタと倒れた人々に使っていったのである。
それから三次災害が起きる前に、人のいない街外れに今置かれている状況や、どうして先程のような事が起こったのかを考えるために来た。
人がいては同じ様な事態を招きかねないし、繰り返してしまう可能性があると思っての行動だ。
すると脳に直接語りかけてくる声がした。
『異世界は堪能してますか?』
「女神さんですか?!」
『そうですよ?何か困った事でもあったでしょうか?』
「目が覚めたら街の人に囲まれてて、いきなり人が倒れてしまったんです!何かしてしまったんじゃないかと不安で不安で困ってました…」
緊急事態である事を伝えているのに、全く緊張感の無い感じで、現状を確認出来る方法を教えてくれる。
『あらあら~その件なら、自分のステータスをご覧になってみて下さい、そうすれば分かるはずですよ?』
「ステータスですか?どのようにみればいいのか分かりません」
『では私の後に、呪文を復唱してもらって頂いても宜しいですか??』
「はい!分かりました」
『それではお願い致します…我、汝を解き明かさん!万物を見とうせし真実の目よ、開眼せよ!ステータスオープン!』
「我、汝を解き明かさん!万物を見とうせし真実の目よ、開眼せよ!ステータスオープン!」
名前 関ヶ原義継 性別 女 年齢15 Lv10
HP100 MP∞
攻撃力 13 防御15 知力 26 素早さ 11
運 -999999999 魅力 測定不能
スキル 誘惑LvMAX 不幸体質 不幸不敗
魔法全部(術式を理解する事で効果上昇)
「なんじゃこりゃー!!」と、雄叫びをあげたくなるステータスだ。
『どうかされました?何か変な所でも?』
むしろ変な所しかないんですが?
「性別とか年齢は分かりました、ですが何なんですか?この偏ったステータスは!あと不幸不敗ってなんでしょう?」
何故か楽しそうに、説明を始める女神さん。
『あらまぁ〜こんなふうにしたつもりはないのだけど? 不幸不敗というのは運が少ない分だけ、基礎能力が運以外上がるレアスキルですね。
コレだけマイナスに振り切って入れば、たとえドラゴンから燃やされ切り裂かれようとも! 魔王の極大魔法をゼロ距離から撃たれても死にませんし、傷1つ付きませんよ?良かったですね!』
――こんなふうにステータスを途中で改竄出来る人は、あの愉快犯しかいませんよね…ふふふ