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女神と魔王が何故か転生した私に絡んでくるんです…  作者: 蔵ノ宮 辰秋
異世界に着いた様でして?不幸の始まり
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女神VS王子


#12 女神VS王子



そして唐突に王子から提案が出てきたのである。


「ミカエリス殿…私と勝負しましょう」


『王子殿下? 私とでしょうか? 構いませんが……(なんですって!? せっかく妹、もとい姫様とメルティアちゃん争奪戦! 野球挙! ローション相撲! 水着で騎馬戦! ポロリもあるよ! を企画してましたのに……キッ!)』


(クッ! 何かしら、今ゾワッってしましたわ……恐怖とも言える身の危険はまさか?! 間者!? 私の目を持ってしても見破れぬ猛者が存在するとでも言うのかしら)


--姫様が怯えていますね……犯人は近くにいますよ、と教えて差し上げたい……女神さん(変態)が、変な妄想したに違いないだろう……本当に美少女に見境ないな



「では勝負内容は、メルティアの幸せにする為の方法というのはいかがでしょうか?」


『ええ構いません、では質問します、王子殿下は如何にしてメルティアを安全で幸せに出来るとお思いでしょうか?』


「それについては考えがあります、僕が思うに街で働くより、僕の城で働く方が安全だと思うのです」


『ええ、確かに……街の宿屋は危険性は高いです、何せ数多の人々が…目まぐるしく入れ替わりますものね?』


「ええ、そうです! 街は色々な人が住み来る場所、僕の城なら変な輩も来ないし、警備は徹底されている!危険性は無いし、不穏な輩は父が処罰を下す!これは決まりましたね僕のか……」


そう言い終わる前に女神さんは、何時になく丁寧口調で有りながらも、何処か棘の有る様に。


『王子殿下?お待ちください、失礼ですが申し上げます、城は大変徹底されていると言われましたが、それは王子という立場だからではありませんか? メルティアは 一般市民ですので、王子殿下と同じように守られる訳では……ありませんよね?』


図星を付かれた様に、イケメンの顔が引き攣る。

しかし負けじと王子殿下は困惑しながらも、女神さんに対してこう言った。


「それは……メルティアを側に置くことが決まったら、城内の者ものに伝えるから大丈夫なはずだ!」


そんな甘ちゃんの言葉に女神さんは、妖艶な(えみ)を浮かべつつも、卑しくも馬鹿にした様に、こう言い放つ。


『ふふふ……お言葉ですが王子殿下? それでは基本的解決になりませんね? あまりにも他力本願じゃあ……ありませんか? 御自分の護りたいと思う人を他人に任せて、何かあったら許さないと……権力を使い、ぽっと入ってきた新人が、特別待遇で入って来たら城内の人間は、直ぐに納得出来ますでしょうか?』


――王子殿下は女神の言葉に、ぐうの音も出ないようだ、どうやら八つ当たりしてるようにも感じる、内心ニヤニヤしながら弄っているように思う、余程姫様と勝負したかったんでしょうねきっと……


完全に負けを認めてしまった王子殿下は、声を絞り出す様に女神さんに問いかける。


「では……お聞きしますが、ミカエリス殿が思う、メルティアを幸せにする方法とは何か?どのようにお考えでしょう……詳しくお教えくださいませんか?」


『王子殿下……答えは簡単ですよ? メルティアに選択肢を委ねる事に限ります……コチラが一方的に、こうした方が良い! と、道を決めるのはお(かど)が違いますよ?』


――え? この女神(変態)は何を言っているのだろう?ココの店に行くよう誘導していき、エッチな服を無理やり着させるように仕向けてきて、強制的に働かせるようにしたのは人違いだろうか? 貴女が言っちゃダメなセリフじゃないですかね?


そのセリフに感銘を受けてしまった王子殿下(ピュアボーイ)は、目をキラキラさせながら女神さんに尊敬の眼差しを向けながらこう言った。


「ミカエリス殿……いや! ミカエリス様!ありがとうございます!完全に参りました、僕の負けです……考えが浅はかで未熟でした、貴女に認められるような相応しい国王になるため精進します」


「あぁ……また女神さんに騙された人が増えた」

『クソッ!アイツの口車にはめられた奴が……』


と同じタイミングで、魔王さんと私は同じタイミングでボヤいて、目と目があって、苦笑いをするのであった……

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