モテ期到来
#10 モテ期到来
部屋に入るなり兄妹喧嘩を開始すると思いきや? この状況である、どうにかしてください……というのも、只今メルティアは、王子殿下と姫様のお世話を粉骨砕身でやっております、1人で! もう一度言います1人で……大事な事なので3回言いましたと、昔の偉い人も言っていたので、もう1回言います1人で!! 周りには10人近くいるのにどうしてでしょう?不思議です、理由は分かっているんですが。
「メルティア、茶が空になったついでほしい」とか
「メルティア、頭をなでなでしてくださいな? 特別に触れる事を許可しますわ」とか
「メルティア、何か芸はあるのか? 良ければ見せて欲しい」と言われ
大学生時代にダンスサークルに所属していたので、即興ダンスをご披露しました、御2人とも褒めては下さいました……良かったです。
「メルティア、ケーキを食べさせて下さいな? あーんをして欲しいですわ」とか
それからも兄妹のメルティアコールは止まらず、しばらく時間が経過した頃に女将が急に
「王子殿下、姫様、少々よろしいでしょうか?」
そう言われた王子殿下は、今この時を楽しんでいて、他の者(私以外)等忘れていたかの様な反応する。
「ん? あぁ女将か、何かあったのかい?」
一方、姫殿下は何かに気付いた様で、少し悩ましげな顔をしてから、こう返す。
「んっ……なるほど、聞きますわ」
「本日もう1組のVIPのお客様がもうすぐ到着するようなので、少しばかり席を外してもよろしいでしょうか?女の子も数名離れますがよろしいですか?」
「うん、構わないよ?しかし貸し切りにしておけば良かったな」
「仕方ないわ、いくら王族と言えど、我儘を押し通すのは、傍若無人な行いですし」
「王子殿下に姫様、ご理解頂きありがとうございます、それでは失礼します……」
というと女将は頭を下げて、アイドルの服を着た子などを数名連れて、部屋から出ていった。
「しかし先程は驚いたが、メルティアは舞が出来るのだね?見た事の無い形だ」
「そうですわね、何という舞なのかしら?興味があります」
「なにぶん記憶が曖昧なのですが、舞なら出来るかとと思ってやってみた次第なので、名前があるものなのか、意味があるのか、申し訳ございませんが私も分かりません」
そうこう色々お世話させていただいてると、通信魔法が急に聞こえて来ました。
《メルティア?聞こえるかしら?答えれるなら返事をしてくれないかしら》
《こちらメルティアです、女将さん、何か問題がありましたか?》
《先程来られたVIPのお客様が、メルティアをご指名なのよ……王子殿下と姫様で忙しいかもしれないけれど、こちらに来てはくれないかしら?出来るだけ早めにお願いね? モテるって大変ね?じゃあ……VIP3の部屋で待ってるから》
《分かりました、王子殿下と姫様を説得次第そちらに向かわせていただきます》
黙って突っ立っていたのが不思議に思ったのか、王子殿下が声をかけてきた…
「メルティア?大丈夫かい?疲れたなら椅子に座って休んだらどうだろうか」
「お兄様?違いますわ、メルティアは通信魔法を使っていたんですのよ?女将からの連絡でしょ?違うかしら?」
「王子殿下、お気遣いありがとうございます。
疲れたわけではありませんよ?(あなた方、兄妹のお陰で、大変疲れましたよ!)姫様ご名答です、女将さんからの連絡が入りました、先程来られたVIPのお客様が 私をご指名して下さったみたいで、今からそちらへ行く旨を伝えようとしておりました」
すると王子の様子が暗くなり、どんよりしながらこう呟きはじめた……
「メルティア……行くのか? 正直に言うと行ってほしくない……店の都合もあると思うが、僕の傍にいて欲しい」
――まぁ王子というだけあり超イケメンである、そんな男性にこんな甘い台詞を言われたら、普通の女性は「はい! 貴方様のお傍に…」なんて展開になるだろうが、如何せん元35のオッサンである、いくら前世でモテなかったからと言って、男色家にはならないのである。
すると、状況を把握をしている妹が、兄を説得する。
「お兄様? メルティアを余り困らせるものではありませんわ?御自分で言われたように店の都合もあるのだから……」
そう言われた王子殿下は、まるで舞台に立っている別れを惜しむ主人公の様に、私にカッコっよく思いを伝えてくる。
「ああ……分かっている、しかし認めたくないのだ、すまないな……我儘を言っている、許してくれ! メルティア! 僕に構わず行ってくれ……客を待たせているんだろ? 妹とメルティアをどっちが傍に置くかの対決の内容を決めていよう、そして! 決着がついた時に君の隣にいるのは僕だ!」
「 いい案ですわ、しかしお兄様? メルティアは渡しませんわ絶対に……それでは行ってくださいな」
「ご理解頂きありがとうございます、それでは行ってまいります、先輩方すいませんが、王子殿下と姫様のお相手をお願いします」
お辞儀をしてから、VIP3の部屋に急いで行った、扉にノックをして、「どうぞ」と声があったので、失礼しますと入ったのだが……
『メルティアちゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁん!待ちくたびれた感じですわ〜ん! しかし千里眼で覗くのもいいですが、生が1番ですね! 究極的に可愛いです! 視覚に嗅覚に触覚でメルティアちゃんを余すことなく楽しめる! 最高ですね////」
と言いながら抱きついてきた凄い美女がいた、この声や変態的言動は心当たりがありまくる、そう思い美女に声をかけてみる……
「こんにちは、女神(変態)さん直接会うのは2度目ですかね?」
『ええ、こんにちは!メルティアさん、あと変態さんになってますわ……ルビが! そうですね、会うのは2回目です』
『おい! メルティア、俺には挨拶無しかよ!最初はしてくれたのによ?』
「あっすいません、魔王さん!こんにちはお元気でしたか?凄くお久しぶりですね」
『うっす!久しぶりだな、出番なくてな……城で暇してたのにな、この小説書いてる奴が、主人公であるお前と絡ませないからな〜 えらい久しぶりに喋った気がするぜ』
「あっあの!それは言わない方が良いかと……何か危険な感じがします」
『不良魔王は素行が悪いから仕方のない事です! 出番を削られても当然の結果なんですよ!しかも魔王が、そんなに勇者と毎回絡むライトノベルなんて聞きませんし』
『あん?探せば有るかもだろ?ないなら余計にいいじゃねぇか!オリジナリティに溢れてるだろうが! 腐るほどファンタジー系のラノベ出てんだからよ! 新しいジャンルを築くのは武器だろ?何が問題があんだよ?』
『それは評価が、あ· れ· ば です、 いくら独創性をついた所で誰も見てくれなければ意味がありません、無いのと一緒です! 読者が欲していない内容を、だらだら書いてもはっきり言って無駄ですね』
『ぐぅっ!確かにそうだな…この作者は確かに自己満足で書いてる気がするな、女神にまともな事初めて言われたぜ』
「あの〜そろそろメタな発言辞めませんか?流石に作者さんが自分にダメだして、ドMな感じするので……」
「少しよろしいですか?御三方はお知り合いですよね? どういうご関係でしょうか?」
『あ〜そうだな、こっちのデカい女は腐れ縁で、それで、メルティアは俺が最終目標で、超えなきゃいけない壁だな』
「私にとってこちらの女性は、まぁお世話になっていて逃げられない存在で、それでこちらの方は本人が言われたように、超えねばいけない人です」
『こっちの不良は幼なじみで、メルティアちゃんは私の娘でもあり、天使のような存在ですね』
「なっ……なるほど分かりました、えっ! あ〜すみません通信魔法が入りましたので」
《メルティア聞こえますか?》
《なんですか? また何か問題が?》
《王子殿下と姫様がこちらに向かっているとの情報が先程来ました》
『え?この国の姫様!見てみたいわ!』
《女神さん!急に入って来ないで下さい!》
《この声はまさか……天の声さま!!》
『あら〜バレてしまいましたか……』
《どうしましょう女将さん、一緒にするのは、まずいかもですよ?》
頭をぽーっとさせながら、他の従業員が聞いているのにも関わらず、自分の身体を抱きしめながら頬を染めながら、ダダ漏れる気持ち。
《はぁ〜天の声さまに直接お会いできて、お話できるなんて幸せです》
この人、聞いてない!!どうしよう……トリップしてやがる!!
『おい!メルティア俺は別に構わんが? 女神も姫様とやらに会いたいようだし、あの遊び人の国王の倅が、どの程度の男か気になるしな』
「女将さん!!戻って来てください!王子殿下と姫様を呼んでも構わないと、御2人とも言われてますので!」




