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出会い
ある土砂降りの夜、会社から駐車場まで歩いていた所、ふと足を止めた。暗く街灯もなく、屋根の下に1つの段ボールがあった。なにやらゴソゴソと段ボールが動くものだから猫でも入っているのかと思い、男はふたを開けてみた。
開けてみたとたん、猫ではなく、ガリガリに痩せた小汚い少女が入っていた。こんな雨の中からだろうか、少女は震えていた。男は見なかったことにしようかと少し迷っていたが、パッと少女と目が合い、ニコっと笑ってきた。何を思って笑っていたのかは、理解できない。だが、男はこの少女に対して興味深いと思った。
そして、左腕に少女を持ち、歩き始めた。