ポップ系ゴブリン転生〈まさかの無限ループ地獄へ〉
久しぶりに書きました!
「ぐぎゃ、ぐぎゃぎゃぎゃ!」
どうも始めまして、僕の名前はクスノキクスオ。
「ぎゃぐ!」
年齢は17歳。
「ぎゃぐ、ぐぎゃぎゃぎゃ」
趣味は読書、得意な事は水泳といった、いたって何処にでもいる普通の真面目な元高校生です。
「ぐぎゃぎゃぎゃ、ぎゃぐ?」
え、なに? 『ぐぎゃぐぎゃ』うるさい?
「ぎゃぎゃぐぎゃぎゃぎゃ!」
仕方ないじゃないですかー。
だって僕、ゴブリンに転生しちゃったんですからー。
「ぐぎゃぁぐぐぐぐぎゃぎゃぎゃぐ」
あ、ゴブリンと聞いて今流行りのゴブリン転生ものだと思いました?
「ぎゃぐ、ぐぎゃぎゃぎゃ!」
残念。実はそんな物語ではないのです。
「ぎゃぐ」
だって僕は、
「ぐぎゃぎゃぎゃ」
ゴブリンはゴブリンでも
「ぐぎゃああああぐぎゃぎゃ!!」
ポップ系モンスターゴブリンに転生したのですよ!!
「ぎゃぎゃぎゃぐ」
まぁ、何故にこうなったかを簡単に説明すると。
「ぐぐぎゃぎゃぐぐぎゃぎゃ」
学校帰りのバス停で、
「ぐぎゃぎゃ」
僕に駆け寄りちゅーをした
「ぐぎゃぎゃ」
セーラー服のパツ金の
「ぐぎゃぎゃ」
人違いビンタが忘らりゃか、即死。
「ぐぐぎゃぎゃぐぐぎゃぎゃ」
と言う訳なんですよー。
え、意味が分からない?
大丈夫、僕もよく分からん。
「ぐぎゃぎゃぎゃ」
神様が言うにはそう言う事だそうだ。
「ぎゃぐぎゃぐぎゃぐ」
それがコントみたいで面白かったと、笑わせてくれたお礼だと神様は僕に異世界転生のチャンスをくれたんです。
「ぐぎゃぎゃぎゃ」
しかもチート付きで。
「ぐぎゃ」
何でも一つ。
「ぐぎゃぎゃぎゃ』
ならばと僕は流行りの死に戻りがほしいですと言ったんですよ。
「ぐぅぎゃぎゃ」
したらお前には格が足りないから無理だと。
「ぐぎゃぎゃぎゃ!」
何でも一つじゃないじゃないですかー。
「ぎゃぐぐぎゃぎゃぎゃ」
それならばと色々とほしいチートを上げてみれば、格が足りないので無理ですからと。
「ぐぅぎゃ?」
あれ? 単純な肉体強化さえ無理なんですか? え、今度はポイントが足りない? そうですかー。
「ぐぎゃぎゃぎゃぎゃぐ」
そんな格もポイントも足りないクソ雑魚な僕に提案してくれたのが、神様おすすめのポップ系モンスターへの転生。
「ぐぎゃぎゃぎゃぐぐぐぐぎゃ」
なんでも、今流行りの死に戻り異世界転生のモンスターバージョンだとか。
「ぎゃぎゃぎゃぐ!」
ポップ系モンスターなので死んでもまた蘇ってポップするよ! とのこと。
「ぎゃぎゃぐぐぐぐぎゃ!!」
しかもしかも、ポップするモンスターは完全にランダム制なので、格もポイントも足りない僕でももしかすればドラコンなんて最強種族になれるチャンスがあると!
「ぎゃぐぎゃぐぎゃぐ」
その代わりクソ雑魚に転生することもあるが、その時は諦めて死んでポップしなおせとのこと。
「ぐぎゃぎゃぎゃぎゃぐ!!」
それならばと、すぐさまにそれを選んだ僕は悪くない。
「ぎゃぐぎゃぐ」
全て神様が悪い。
「ぐぎゃぎゃぎゃぐぐぐ」
まさかそのお陰でこんな目にあうなんて……
「ぎゃぐぐぎゃぎゃぎゃ?」
きっと神様はまた笑ってんだろうなぁー。
「おい、そろそろこの辺りだろ?」
「うん、この近くだと思うんだけど」
「――ぐぐぐぎゃぐ!」
おっと、そんなこんなしてるうちに、またアイツらやって来た。
「ぎゃぐ」
仕方ない、神様に祈るのはまた今度にしょう。今は、
「ぐぐぐぐぎゃ」
アイツらを
「ぐぎゃぎゃぎゃ」
今度こそ
「ぶっぎゃぐぎゃぐ」
ぶっ殺してやるか。
「ぐぎゃぎゃぎゃぐぎゃ!!!」
死ね、リア充共!!
「――ぐぎゃぶっ!?」
はい、ボク死亡。
やり直しね。
「ぐぎゃぎゃぎゃ!」
はい、オレ復活。
「ぎゃぐぎゃぐ」
次はどんなモンスターかなー。
「ぎゃぶりん」
ゴブリン。
「ぎゃぎゃぐ」
知ってた。
「ぎゃぐぎゃぐ」
もう296回目のゴブリンですよ。
「ぐぎゃぎゃぎゃ!!」
誰か助けてーー!!
取りあえずは、297回目のゴブリン転生という偉業(異形)をはたした今現在の僕の状況を説明しょう。
只今の現在地は、私立魔術学園地下第7迷宮1階層上層。
そこが僕の現在地であり、ポップする地点である。
うん、どうして僕がそんな場所、魔術学園の地下迷宮にポップするようになったのかと言えば、話は1回目の転生に戻ることになる。
簡潔に話せば、見事、第1回目の転生をゴブリンというクソ雑魚を引いた僕は本当に運がなかった。
始めにポップした場所は草原地帯。
勿論、地下迷宮とかそんな物騒な場所とかではなく、外の世界。
弱肉強食の世界が広がる野生の世界。
そんな産まれて直ぐの僕は、何故か草原地帯に偶々訪れていた大賢者と呼ばれる凄い魔法使いに出会い、ティムされ、そうして僕は強制的に契約魔術と呼ばれる魔法で第7迷宮1階層上層地点に縛られ、ゴブリン固定厳守ハードプレイモードを強いられることになった。
ちなみに解放条件は契約者を殺すか、この縛られた迷宮、第7迷宮を撃破するかとどっちかだ。
契約者、魔術学園の総帥であり伝説の大賢者。
第7迷宮、上層下層を含めた全20層の大迷宮。
噂では最下層でポップするのは全てドラコン種だとか。
なんと言うクソゲー
「――ぎゃぐっ!?」
そんなこんなしているうちに僕は死んだ。
死因は後ろからの奇襲、首がすぱーんと飛んでいった。
実に297回目の死亡であり、
「ぐぎゃぎゃぎゃ!!」
298回目の転生だ。
「ぎゃぶりん」
ゴブリン
「ぎゃぐぎゃぐ」
知ってる。
「お、見ろよ。ゴブリンが湧いてるぜ」
ちっ、またか!
いい加減にしてくださいよ、本当に。
今日だけでもう8回も死んでるんですよ!
「あ、本当だ! 殺さなきゃ!」
なんと言う無慈悲、使命感。
見逃して下さい!
「経験値~、経験値~」
サイコパス!
「――ぐぎゃっ!?」
はい、ボク死亡。
やり直しね。
「ぐぎゃぎゃぎゃ!!」
299回目の転生だ。
「ぎゃぶりん」
ゴブリン
「ぎゃぐぎゃぐ」
知ってる。
「ぐぎゃぎゃぎゃぐぐぐ」
全く、これで9回目か。
下手をしたら今日はまた2桁代にまで届くかもしれないな。
やれやれ。
ちなみに過去最高の1日の死亡記録は24回。
流石に慣れた。
んな訳あるか。
誰か助けてーー!!
もう無限ループはイヤーー!!
「少し疲れたね」
お?
「そうだな。ここでちょっと休憩するか」
リア充発見!
「少し早いけどお昼にしょうか」
「うん、そうだね!」
差し足、抜き足、忍び足~。
「今日はね、早起きして作ったんだよ!」
「旨そうだな」
くっくっく、バカめ。
迷宮の中では気を抜いてはいけないという学園のウェット先生の忠告を忘れたのか?
ゴブリンの餌食だ!
今までの恨みをはらしてやる!
え?
ウェット先生は誰かって?
魔術学園の教師だよ。
何故に知ってるのか?
言わせんな。
奴とは好敵手でありライバルだ。
…………
すみません、嘘をつきました。
ただあの人に一番多く殺されているだけです。
軽く200回程。
え、なんでそんなに多いのか?
あれですよ。
あの人、魔術学園の教師であり、第7迷宮一階層の専属案内人なんですよ。
周に6回はあの人、少数の生徒さんを連れて潜りにやって来るんです。
目的は恐らくはレベリング。
ソースは僕。
だってあの人、毎度毎度、僕を探してはギリギリの瀕死状態まで追い詰めるんですよ。
止めは勿論、生徒さん。
やはり初心者。
瀕死状態の僕だが、やはり殺すのは抵抗があるのかもしれない。
物凄い時間がかかる。
何度も何度もナイフでグサグサと。
もうね。
あれだ。
いっそ早く殺してくれ!
そしてその時の生徒さんが今、目前に。
「ぐぎゃぎゃぎゃぐぎゃ!!」
余りの舐めプに僕激怒。
「あ、ゴブリンだ」
「本当だ。気が付かなかったよ」
僕は馬鹿か?
「早く殺さなきゃ」
なんと言う無慈悲、使命感。
流石です、ウェット先生。
貴方の生徒さんは間違いなく皆、
「経験値~、経験値~」
サイコパス。
「――ぐぎゃっ!?」
チキショウ。
『おめでとうございます。300回目の転生特典により得点がプラスされました』
ん?
『得点プラスにつき、スキル鑑定を取得しました』
は?
『おめでとうございます。連続ゴブリン300回転生特典により、ユニークスキル、エンタの神様を取得』
どういうこと?
〈鑑定〉
対象物問わず、様々なものを鑑定することが出来る。
〈エンタの神様〉
隠しシークレットスキル。
このスキルは持つものは、主である神様、エンタの神様の――――
読んでくれてありがとうございます。