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過去

「どういうこと…?」

自然と言葉が溢れた。


「ふーは役目を終えた。

と言うか見定めも終わったし、この気持ち悪い喋り方も辞めるね。」


情報量の多さにイラリアは思わず口を開け、固まる。


「イラリア、この世界の奴隷について君はどう思う?

俺は誰しもが自由であり仲良く生きていくことがこの世界の在り方だと思うんだ。

でも奴隷はどうだ?自由など無く、仲良くなる事を許されない。それだけじゃない。

多くの奴隷の殆どは子供達だった。自分の息子を奴隷にしている奴すら存在した。

人族じゃない奴隷も沢山居た。

同じ生きている種族同士、会話ができるのに何故そこに優劣を付けるのか。

同じ人として存在している事に憎みすら覚えた。

でも…大人達は子供を…人種以外をものとしか見てない…

そんなこと…許されていいはずがない。」


感情的に語るフレンディア。


(あぁ、そうか。この子はずっと一人で抱えて解決してきたんだ。相談する相手も居なくて、ずっと孤独で…)


だがどうしてそれが“奴隷”と言う話題に繋がったのか、イラリアは疑問を覚えた。


「貴方は元々奴隷だったの?」


「俺は元々両親と一緒に暮らしてたさ。

だけど突然知らない人を連れて来て、その人達に俺を託してどっかに行ったんだ。

そしたら…あいつらが俺を毎日…毎日…」


フレンディアはそこで言葉を切らし、大粒の涙を流し、唇をかみ締めていた。


恐らくフレンディアは親に捨てられ、代わりの親に毎日虐待を受けていたのだとイラリアは悟った。


イラリアはフレンディアに近づき、彼を抱きしめる。


「何年それが続いたのか、何故そうなったのか私には分からないけれど…分かってあげられないけれど…

今はとりあえず好きなだけ泣こう。」


会ってまだ数時間なのに、何故こうなったのか。


そんなことなど今は気にしていられなかった。


昔から私はこういう話にめっぽう弱い。


多分孤児院が家の近くにあったからだ。


最近は学院が忙しくてなかなか行けてはいないが、昔はよく孤児院に顔を出していた。


なのでそういう話はしょっちゅう聞いていた。


彼もまた被害者の一人。


だが今は同時に容疑者でもある。


でも私は彼を責めることが出来ない。


同情した…のもあるが、元々奴隷の扱いについて常日頃から疑問を抱いていたからだ。


彼が起こした事件がきっかけになったかもしれないが、それでも私は彼を肯定してあげたい、という気持ちがある。


やり方の正誤なんか分からなくて当然。


そもそもこの問題は解決策が今まで無くてこうなってきたんだから、国の問題だった。


それを僅か十一歳にして…いや、それ以前から孤独になり、今までずっと一人でその疑問と戦ってきたんだ。


誰も彼を責められるはずが無い。


それに………


(シンプルに一目惚れしちゃったかも…)


そんな事を考えているうちに、だんだん自分に掛る力が大きくなってきていた。


結構シリアスな展開だったはずなのに、彼は安心しきった表情で眠っていた。


「あのね…」

イラリアは呆れた。

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