06話 初依頼その2
「シュウさん!こっち、こっち!いましたよ!」
探さなくても見つかりました。
「そうだ、シュウさんはレベルいくつなんですか?もしかして、また。1だったり…?」
「する。ま、まだ俺はステータス見てないんだが。」
「ステータスの開き方がわかんないんでしょ。教えてあげる。」
「あ、別にいい。なんとなくこんな感じかなってのはあるから。」
「じゃあやってみてくださいよ!絶対できないから!」
「ああわかった、やってやるよ!」
「グキャアアア!」
「「へ?」」
いつのまにか、ゴブリンの団体さんが目の前まで来ていた。
「や、ヤバくないですか?」
「ひぃふぅみぃ…15体はいるな、これ。」
「じゅ・う・ご・た・い!?逃げます!」
「俺は…なんとかなるかも。」
「はぁ!?なんとかなるかもじゃないですよ!早く逃げますよ!ほら!」
「ちょっと待ってて…。」
俺は、剣を抜くと、相手に敵意をみなぎらせた。
『運之王』発動。
これで、相手の運を自由にかえられるはずだ。
『幸運値-100に変化』。
これを使えば!
「ちょっと!なんで戦わないんですか!」
「うるさい、ちょっと待っててくれ。」
「は、はい。」
「行くぞ!」
ゴブリンへ剣を振るう。すると…
「グキャ!?」
一撃で仕留められた。やっぱり。幸運値-100だと、相手の急所に当たる。
その後も、どんどん俺は剣を振り続け…
「お、終わった…」
「す、すごい。全部一撃で…」
「おい、もう帰ろうぜ。」
「あ、はい。ていうか、シュウさんすごい強いんですね!」
「そんなことない。相手の運が悪すぎただけだ。」
嘘は言ってない。
「そうですかねぇ。」
「そういうもんだ。」
「じゃあ帰って報告しましょうか。」
「そうだな。」
こんな感じで、初依頼は終わった。
でも、これは運之王よりも不幸散布の方が楽だったりして。
まあ使ったことないからわかんないけど。
ステータス
個体名:シュウ
職業:異世界から来た人
種族:人間
Lv.1
スキル:擬態
運之王
不幸散布
スキル奪取
アイテムボックス
耐性:無し
加護:無し