01話 異世界転生
「うん?ここはどこだ?」
目を覚ましたら、めちゃめちゃ広い真っ白な空間に居た。
「あ、起きたの?」
声がした方を見ると、14歳ぐらいの女の子がいた。
かなりかわいい。しかも、かなり露出度の高い服を着ている。
ロリコンには最高のシチュエーションだろうが、残念ながら俺はロリコンではない。
もう少し年上の方が好みだ。
「なあ、ここはどこ?私は誰?状態だからさ、なにか教えてくれ。」
とりあえず、気になるのはそこだ。
「えっとね、ここは異世界への入り口みたいな感じで、あなたはー」
この女の子が言った俺のプロフィールは、まとめてみるとこんな感じか。
沢木 駿
24歳
独身。童貞。彼女いない歴=年齢。超絶不幸。
趣味はネット小説を読むこと。
ブラック企業のサラリーマン。
過労死。
…ひどすぎる。なんて最悪な人生だ。
っていうか、過労死ってなんだ過労死って。
「なあ、お前。俺は死んでるのか?」
「お前って酷いなぁ。私はねぇ、神なんだよ!?神!ちゃんと敬ってくれないとダメだよ!?」
「はいはい、そうですか神ですか。で、名前は?」
「はぁ、こんなに適当に扱われたのは初めてだよ。まぁいいや。私の名前は、ルイ。」
「ルイか、わかった。で?俺は死んでるのか?」
「うん、死んでるよ。だからここにいるんじゃない。」
そういえば、異世界への入り口みたいな感じとか言ってたな。
ということは、俺は異世界転生するのか?
…スキルとかあるとしたら、ちょっと楽しみだ。
「なあ、異世界へ行くということは、スキルとかもらえるのか?」
「えーっと、もらうっていうかなんというか。その人の能力を引き出していったものだから…なんていうん だろうね。」
「まあいい。早いとこおれのスキルを出してくれ。」
さあ、何がくる?
「わかった。行くよ?」
目の前に文字が浮かび上がる。
えっと、なんて書いてあるんだ?
ー擬態ー
周りの物に擬態して敵をやり過ごす
ー運之王ー
戦う相手の運を自由に変化させる
ー不幸散布ー
周りにいる者を不幸にする
ースキル奪取ー
倒した相手のスキルを真似できる。
(永続)
ーアイテムボックスー
ルイからのプレゼント。
時間経過無し。無限。
こんな感じか。やっぱり運関係が多いな。
しかし、擬態って。俺は生前そんな隠れるのがうまかったのか?
「え?なにこれ!?」
隣で俺のスキルをのぞいたルイが叫んだ。
「珍しいのか?」
「いや、スキルが3つもある人なんていなかったし、スキルも初めてだよ。」
「そうなのか。じゃあ、ここにいるのも飽きたし、さっさと転生させてくれ。」
この世界がどんな世界かは知らんが、なんとかなるだろ。
「わかった。いくよー?『転生』!」
おれの体を白い光が包み込む。
「じゃ、頑張って!」
という声がかすかに聞こえ、その後はなにも聞こえなくなった。
ーこうして、俺、沢木 駿は異世界へ旅立った。ー
ステータス
個体名:沢木 駿
職業:異世界から来た人
種族:人間
Lv.1
スキル:擬態
運の王
不幸散布
スキル奪取
アイテムボックス
耐性:無し
加護:無し