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不死者(ノスフェラトウ)に愛の手を!  作者: 赤丸そふと
第零章  おお〇〇よ!死んでしまうとは情けない!
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第五話 逝ってらっしゃい異世界へ!




 ―――――真っ暗な闇夜の中、波に揺られる感覚――――


 そんな不安定な感覚を味わいながら、九郎は独り考えていた。


(これが転移って奴か……最初ん時もこうだったんかな? 最初は気絶してたっぽいからなぁー)


 目の前に手を掲げても先も見えない真の闇。


(―――と、あんまりじっくり周りの確認してる場合じゃねえな……。いつ転移が終わるかも解んねえ。

とりあえずソリストネからの『神の力ギフト』をとっとと決めねーと。

 望む力をくれるってんだ……。強力な力をもらってとっとと『俺Tueee』してかなきゃ……。

 しかし、どういった力が良いか……。これはよく考えないとな……)


 九郎は闇の中で唸る。


(テンプレだと強力な魔法の力? けど俺あんま魔法使いって奴に良いイメージないんだよなぁ。なんか性にあわねって言うか……)


 九郎の中の魔法使いのイメージは『指輪物語』に出てくる魔法使いや、日曜の朝に流れている子供向けの変身ヒロインたちの印象が強い。

 どうにも英雄という言葉には当てはまる気がしないと、頭を振る。

 

(――とすると剣士? 確かに『英雄』てのはこっちのイメージだよなぁ……。ただ、『剣士』って最初に武器無いと詰みそうなんだよなー。大体弓や魔法で遠距離戦仕掛けられたらあっさりと負けそうだよなー)


 どうも考えが纏まらない。今まで『英雄』という単語のみでイメージしていて、『英雄』がどういった能力を持っていたのかをよく考えてこなかったからか、明確な英雄像が浮かんでこないのだ。


(―――ちょっと考え方を変えてみるか……。

 ―――俺の目的は何も異世界で『俺Tueee』することじゃねえ。

 それなら女が俺に惚れる能力? こっちの方が理に適ってるんじゃね?)


 アイドルがごとく行く先々でキャーキャー言われる自分……。

 そんな想像をして惚けた九郎は、ぶんぶんと頭を振る。


(――――いや、『神の指針クエスト』は『真実の愛を10人分集める』だ……。能力で惚れさせるのは洗脳みたいな感じがするからマズそうだな……。)


 洗脳みたいな感じで女を惚れさせる自分を想像して九郎はため息をついた。


(あーーーもう! こんな考えしてっから女に浮気されて振られんだよ!! こんな後ろ向きな男じゃ『真実の愛』なんて無理に決まってる! 前向き!!! 前向きに考えないと!!!!)


 そう考えながらも九郎は最後に見た彼女ミキの顔を思い出していた……。

 声をかけた時の驚いた表情―――あわてて男の腕から手を放す仕草―――

 ――――――――そして何かを言おうとして……意を決して放たれた彼女の言葉――――


   『『『『『変質者』』』』』


 その言葉が九郎の頭の中にリフレインした瞬間………



  ―――――――九郎は眩しい程の光に包まれていた――――――――



※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※

 


 ――――身体が落ちていく感覚――――


 闇の中で漂う夢現の感覚から急遽変化した肌を撫でる風の鋭い感触に九郎は意識を覚醒された―――。

 頭の中で綺麗な女性の声が聞こえる。


『転移者の確認――。転移ナンバー072番。クロウ・フジ。確認しました』


「えっ?」


 急に変化した感覚に九郎は慌てながら周りを見渡す。


『転移者の神の指針クエストを確認。『真実の愛を10人分受け取る』こと』


 頭の中の声が続く。


『転移者の神の力ギフトを確認。『黒の綴り手』―グレアモル様より能力『フロウフシ』を確認」


「え?え?」


『転移者の神の力ギフトを確認。『白のことわり』―ソリストネ様より能力『ヘンシツシャ』を確認』


「ちょっ!?!まっ!!」


『転移者の転移先を確認。『アクゼリート』世界。座標866-210。アゴラ大平原――――」


『――――――1万6000ハイン上空にゲート開きます―――』


「お!!!おいっっっ!!!」


『それではクロウ・フジ。新たな世界『アクゼリート』にて良い人生を!!!』


 そう頭の中の声が矢継ぎ早に告げると九郎は異世界転移した……。


 ――――異世界の大地のはるか上空に――――


「ちょっと待てやああぁぁぁぁぉぉぉぉあぁぁぁあぁあ゛あぁぁぁぁ!!!!!!」


 九郎の叫びが大空に吸い込まれていった――。




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