第二九話 閑話 『風の魔境』の動植物
作中に出てきた動植物の説明です。
興味の無い方は読み飛ばしてください。
単位は1H=1m
1HH=1km です。
※ フェアリーウィード
『風の魔境』の大部分で見る事のできる植物。
根の無い特殊な構造をしており、風に撒かれて移動する。
六辺の葉の中心部に栄養と水分を貯める。
葉にも核にも毒を持ち、触れるだけで熊をも麻痺させる。
狩人の一部がこの毒を使って獲物を狩ると言われているが、生半可な知識では触ることすら不可能だろう。
九郎曰く 「雑草」
※ 黒耀犬
『風の魔境』の地に住まう凶暴な魔物。
黒い毛並みの3対の脚を持つ犬の様な姿をしている。
体長は1Hから1.5H程度の小さな魔物だが、その毛並みは生半可な刃物など通しもしない。
群れで移動し狩りを行う。偵察の一匹が獲物を見つけると、夜間の内に忍び寄り、集団で攻撃してくる。
体躯に見合わず強靭な体力を持っており、また、炎に対する完全耐性を持っているとされる。
熟練の冒険者によると、土の魔法で四肢を封じ、必殺の一撃で首を刈り取ることで倒せるらしい。
黒々とした牙は魔術の媒介として重宝されると言う。
九郎曰く 「柴犬」「犬っころ」
※ タナトススパイク
『風の魔境』に生える赤紫色の植物。
近寄る動物を感知すると、表面から棘を生やし、それを全方面に発射して攻撃してくる。
その棘は巨大な岩をも貫通すると言われ、魔鉄鋼の鎧ですら容易く貫くと言われる。
タナトススパイクはこうして倒した獲物を養分として育つと言われる。
採取する事が不可能に近いので、眉唾モノではあるのだが、その果肉は非常に美味で、聞く処によると一欠けらで金貨100枚の値が付くと言う。
九郎曰く 「サボテン」
※ スラッシュウィップ
『風の魔境』に生える多肉性植物。
通常、弦の様な葉を内側に巻き込む様に小さく丸まっているが、動く物の気配でその弦を弾けさせて獲物を攻撃する。
その弦の威力は鞭と言う生易しいモノでは無く、ブラックバイトすら細切れにしてしまう程だと言われる。
若い頃は地上に生えているが、弦を弾けさせる度に周囲の土を抉ってしまうので、年月と共に地中へと沈み込んでしまうと言う。
赤い果実を中心部に大量に実らせて、時期が来ると弾ける弦に引っ掛けて遠くに飛ばす事で増える。
『風の魔境』で夜に歩くという事は、この天然の「デストラップ」の中を歩くという事に繋がる為、避けるべきだと思われる。
九郎曰く 「毛糸玉」
※ サファイアバジリスク
『風の魔境』で後述の『大地喰い』と双璧を成す凶悪な魔物。
深い青色のガラス状の鱗を持ち、八本の脚のある体長1H程のトカゲの姿をしている。
その美しい鱗は全ての攻撃に耐えると云われ、魔金鉱の刃も通用しない。
超大型の『大地喰い』と同等に恐れられている訳は「魔眼」と呼ばれる凶悪な力に寄る所が大きい。
一目見ただけでその者を死に至らしめる「魔眼」の力は熟練の冒険者であっても恐怖の対象だ。
その「魔眼」の力は50Hの距離でも発動するらしい。
近年新たな説として、サファイアバジリスクは周囲の空気を毒に変えていると言った説もある。
遠目の魔法により確認した時は、「魔眼」が発動しないのがその根拠だとの事だ。
だが結局の所、「魔眼」がどのような効果だとしても倒せない事には意味が無く、現在もサファイアバジリスクを倒す方法は見つかっていない。
九郎曰く 「トカゲ」「旨い肉」
※ 大地喰い
『風の魔境』に巣食う巨大なミミズの魔物。
単に巨大なミミズと聞いて知らない物は侮ってしまうだろうが、その巨大さも度を越えてしまうと伝説のドラゴンと同等の脅威となる。
その直径は100Hを超え、その体長は3HHを超える。
普通のミミズと同様、土を食い穴を掘り進めるのだが、これ程の大きさになるとその爪痕は大地を割き、山をも崩してしまう。
普段は『風の魔境』から外には出てこないとされているが、稀に迷い、人間の領地に出現すると言う。
特性などの脅威は持っていない為、倒すことは可能とされるが、王国歴1420年に現れたこの『大地喰い』を倒す為に、当時4万もの軍隊と1000人を超える魔術師が必要だったと言われる。
大地を喰らい栄養を絞ると糞として排出する為、この『大地喰い』の通った穴では金や銀、魔銀鉱や魔金鉱が時折見つかる。
九郎曰く 「ミミズ」
※ 弾丸兎
ハーブス大陸全域に生息する兎の魔物。
魔物と言っても脅威度は小さく、農民でさえ力が有れば倒せる程である。
体長1~2H位の大きさで、敵と認識すると突進して来る。
頭突きはある程度の威力が有り、鉄程度なら粉砕するとも言われるが、攻撃としては単調なので当たる事もそれ程無いと思われる。
ちなみに肉は其れなりに旨いらしく、駆け出しの狩人が良く狙う獲物だとも。
九郎曰く 「うさぎ」




