ホワイトデー
朝起きたら
仏壇にハートのボックスに入った
チョコが置かれていた
お父さんだなと思った
仕事から帰ってきたら
大きな円筒型の包装と
小さな袋が2つ
お兄ちゃんと
おじちゃんと
さっちゃんだね
さっちゃんは
おじさんの息子だけど
お父さんと3つしか違わないから
さっちゃんは変だというのに
さっちゃんっていっていたね
お葬式の時も
49日の時も
クリスマスも
バレンタインのときも
さっちゃんは泣いてた
きっとチョコを持ってきたときも泣いてたろうね
お父さんのチョコを見て泣いて
おじちゃんのチョコを見て泣いて
お兄ちゃんのチョコ見て泣いて
こんなに愛されているのに
チョコをあげなくたって
ホワイトデーにチョコをくれて
泣いてくれる
こんなに愛されているのに
あなたはどうして
遠くに行ってしまったの?
お父さんも
お兄ちゃんも
おじちゃんも
さっちゃんも
お母さんも
オネエチャンも
おばちゃんも
おばあちゃんも
毎日
あなたを探している
もうすぐ
もうすぐ
あなたと最後に話した日が来てしまう
あなたの笑顔を見られない日がきてから
1年たってしまう
今でも
お母さんは
あなたを探している
車の中
家の中
空の中
あなたの小学校
あなたの中学校
でも
あなたの高校は見たくない
近くに行きたくもない
きっと
どこにあなたがいても
そこにだけは
あなたはいない