第3話。―森の中、キミが好き。―
私と陽南都は、思いっきり走って森に着いた。森には、水が流れる音と風の音しか聞こえなかった。そして、緑ばかりだった。
「陽南都、きれいやな」
「うん。きれい。目に良さそうやし(笑)」
確かにそう。見に良さそう。(笑)湖には水が流れ、木は風に吹かれ気持ち良さそうだった。
「俺な、好きな子おるんや」
びっくりした。突然、陽南都が言い出すから。私も言いたかったんだ。陽南都に翔大が好きと。
「私も好きな子おる。陽南都は誰が好きなん?」
「俺は、妃華李や」
初めて知った、陽南都の好きな人。ひーちゃんか〜・・・。人に言わしたんやから、私も言わなアカンでな。。。
「私の好きな人は、翔大。でも、翔大とひーちゃんって付き合っとるんやろ?」
「うん。俺も、それは知とった。やってあの2人ラブラブやもん(笑)」
お互い、付き合ってる二人を好きやった。初めて知った事実。
「私、翔大の恋が上手いこといったら2人を応援するつもりやった。でも、今は出来ん。翔大への思いは断ち切れんのや」
「俺も。2人応援するつもりやった。まだ、妃華李が好きや」
小6のにしてこんなほろ苦い恋話。寂しなるわ。。。
「雅は翔大のどこ好きになったん?」
「翔大の全部が好きや。バカなとこもうるさいとこも全部好き。陽南都は?」
陽南都なら全部話せると思った。二人で逃げ出してきてるんやからこれくらいのことは話さないかんって思ってた。
「俺も全部(笑)かわいいしぐさするとこも声も全部」
「私ら似たもん同士やな(笑)」
「そやな(笑)」
似すぎとる。恥ずかしいくらい、似すぎとる。お互い好きな人は付き合ってる子で、片思い。好きなところは全部。
「でも私、小6で付き合ってるんはおかしいと思う。それはただ私が田舎モンなだけかも知れんけど、、、」
「俺も、それは考えた。俺、中学校行ったら告白しようって考えてたのに翔大に先、越されたしな」
考えてることも一緒なんや、私ら。いっそのこと付き合ったらええんちゃう?(笑)でも、そんなこと小学生が言うようなことじゃないから言わん。
「俺ら、付き合ってみん?」
なんや!?マジ顔やん!!しかも、またまたおんなじこと考えてる!!なんか腹立つ・・・(笑)
「えぇよ〜?私もおんなじこと考えてたんで。(笑)私らやったら結婚できるんちゃうん?(笑)」
「そうやな。じゃあ、俺ら将来、結婚しよか?」
マジ顔や、陽南都。私がまだ、翔大のこと好きなん知っとって言って来たん?恋なんかそんな長いこと続くわけが無い。「将来、結婚しよう」とかなんか幼稚園児みたいや。
でも、嬉しい。私と結婚したいとか思ってくれる人。翔大やったら絶対こんなかっこいいセリフ言えんやろうな。
「いいよ。私、翔大のこと忘れる。もう、陽南都のことしか頭にない自分になる。こんな私でよければ、よろしくお願いします。約束しよーや?」
「ええよ。俺は、いつか雅をお嫁さんにするから、絶対にお嫁さんにしてあげるわ」
陽南都と私はユビキリをした。ホンマに約束してくれた。これで私の将来は保証されたんや。
「ありがと、陽南都。大好きや」
「俺も、大好き」
『大好き』たった4文字の言葉だけど、たくさんの愛が詰まってる。
「ちゅーしたいw」
陽南都は甘えん坊。初めて知った彼の特徴。「ちゅー」とかかわいい。てか、私たちまだ小6やで。やのにちゅーかい。
「都会ではちゅーとか小6でしとる子いっぱい居るんで??(笑)」
じゃーいいかな。ちゅー、初体験w
ちゅっw
「あっ・・・」
陽南都、きつすぎやろ、、、長すぎる。。そーいえば、陽南都5年の最初、転校してきたんやった。親がもともとここの出身で、東京から帰ってきたんやっけ・・・?
「み・・・みや・・・雅?聞こえる?」
私、寝てた!なんで!?
「ちゅーしてる間に雅、酸欠で倒れたんやでー?俺、ビビったわ。大丈夫?」
そうなんや〜。なんかちゅー初心者って丸分かりやん。はずかしw
「あ・・・うん。なんとか」
「ホンマに大丈夫?ごめんな。俺、東京に居った時もこんなんやったんや。女の子に長いちゅーして酸欠にさせてた。んで即、病院行き。
だからウチのかーちゃんにめちゃくちゃ怒られてさ、ここにきた。たぶん酸欠にさせて3回目んときかな」
どんだけ酸欠にさせてんだ、お前は。じゃあ、私がもし酸欠で病院行きになったら陽南都はまた、違うとこに転校するん?ここが森でよかった。誰にも見られん静かな場所で・・・。
「でもさ,それって小4のときに酸欠3回さしたん?」
「そうやで」
「陽南都、よーやるやん。さすが、イケメン!」
「こりゃどーも。ありがとさん。俺のことよー分かっとるやん」
翔大、大好きやったで。ありがとう、私をこんな気持ちにさせてくれて。
わたしはもう、陽南都を好きになった。
「君たちはなんなんや!!教師と生徒で言い合いかい!!」
教頭の怒鳴り声が聞こえる。どーも、妃華李ですけども。教頭、うるさっ!
「でも、教頭先生、悪いんは知影先生やで!?なんで俺まで呼び出されなあかんの!?」
翔大、教頭先生にくらいタメ口はやめようや。
「いいかげん、お前は敬語というものを覚えろ!!大人になれないぞ!」
ほら、言われた。翔大バカや。でも、そんなトコも好き。
「イヤでも大人になるんやから大人になれるわ!」
翔大の言うとおりや。私たちはいやでも、大人になる。
上司にペコペコ頭下げて、回るんや。
私に今、何が出来るのかな。
その場に入ってこのビックリマークの多さを抑えること?
黙って見てること?
何をすればいいのかな?
私、翔大の彼女やのになんちゃ出来ん。。。
恥ずかしすぎるわ。。。。
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やっと3話更新できましたよ。
今回はひーちゃん目線でおわってますけど。
私の友達をちょこちょこ(とゆーか大幅に/?)変えてます。
やから、極小に実話です。100分の1くらい?(笑)
えーと知影先生の紹介をしましょーか。
知影未希
26歳。
1981年7月22日生まれ。
ほとんど「知影先生」or「担任」としてでしか出てきません。
とにかくこれから頑張って更新します!!
☆紗菜☆