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第8章「陰謀」 - 06

 「ただ、こっちがそういう態度を見せてると、向こうも警戒して囮作戦がうまくいかないわ。ただでさえ、今回の失敗で向こうのリスクは高くなってるんだから。今は、できるだけこっちが油断していると思わせておいた方がいいのよ」

 「僕は油断などしていない」

 「うん。いいね。完璧だわ」

 「僕は真面目に言っている」


 マナに褒められたカインリルだが、微妙な表情で口をゆがめている。だが、マナはそんなことはどこ吹く風だ。


 「また交流試合で仕掛けてくるなら、鎧に仕掛けをしてくるのも同じだと思う。使える手段は少ないだろうし、むしろそうなるように誘導したいわ。そうすると、決定的証拠をつかむには誰かが鎧の監視をしないといけないんだけど」

 「俺にゃらできるにゃ」

 「ヘータなら監視はできるけど証言ができないからね」

 「そうだったにゃ」


 ヘータには後で別の役目を任せることにして、今は鎧の監視のことを決めることにする。


 「ミレイ、小型のビデオカメラって用意できる?」

 「ん、できるけど、監視に使うなら魔晶石が足りるかな」

 「半日ごとに交換でも大丈夫」

 「なら何とかなると思う」

 「じゃ、それでよろしく。明日までにお願いね」

 「え゛」


 鎧の監視についての話が決まったところで、少し遅刻してしまったものの学園に登校することにした。まずはもう一度交流試合をやり直すようにお願いしないといけない。


 ミレイの顔が引きつっているような気がしたが、それは見ないことにした。



 「失礼します。マナです」

 「どうぞ」


 マナとカインリルは学園についたらまっすぐに学園長室へと向かった。いつもいるとは限らないが、ちょうど在室だったようですぐに入れてくれた。


 「失礼します」

 「カインリル様」

 「ノルフレド先生」


 マナに続いてカインリルが入ると、中には驚いた様子のノルフレドがいた。


 「一体どうなさったのですか? 今朝、部屋に行ってみるとお姿が見当たらなくて、心配したのですよ」

 「すみません、先生。朝起きたら、マナさんの使い魔の子猫が部屋にいたので、マナさんのところまで送って行ったのです」

 「昨日はあたしも疲労で動けなかったので、代わりに使い魔に様子を見させに行かせたんです。ヘータはあのあたりを猫の縄張りにしているので、夜の散歩のついでに。すぐ帰ってくると思っていたのですが、どうやらカインリルの部屋で寝込んでいたようで」


 カインリルとマナの説明を聞いて、ノルフレドは一瞬わずかに唇をゆがめた。


 恐らく昨晩の毒ガスが失敗した理由を、ヘータが侵入したときに窓を開け放ったせいだと考えたのだろう。そのせいで濃度が下がってカインリルは無事だったがヘータは朝まで目が覚めなかったという筋書きだ。


 「そうなんだ。じゃあ、使い魔が2人の恋の橋渡しをしたのね」

 「ありえません!」


 学園長はこんな時でも平常運転だ。

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