第6章「交流試合」 - 10
「<発現>」
ギン
ペガサスから飛び降りて態勢を崩したカインリルに切りかかったマナだが、鎧の魔法で防御され途中で剣は止められた。
「ちっ」
「<発現>」
「<発現>」
舌打ちして離れるマナを追撃するように攻撃魔法をカインリルが放つが、これはマナの魔法で危なげなく防御された。
「奇襲は失敗かにゃ」
「うるさい。このくらい想定内よ」
「そうか。じゃ、後はのんびり見物してるにゃ」
そう言ってヘータはすたすたと歩いて闘技場の端の方まで行ってちょこんと香箱座りに座ってしまった。
元々、ヘータの担当はマナが魔法でペガサスの動きを牽制している間に気づかれないように接近し、水属性魔法で痛覚神経をひねって気絶させるところまでで、カインリルの方はマナが倒すことになっていたからだ。
ヘータの手の内は明かすにはまだ早いということだ。
「マナさん、本気でやってくれ」
「本気でやってるわよ」
「だったらなぜさっき切りかかったタイミングで魔法で追撃しなかったんだ」
「次はやるよ」
そう言ってマナは再び剣を構えなおした。
「<発現>」
カインリルの攻撃魔法をきっかけに再び戦局が動いた。
「<発現>、<発現>、<発現>」
連続で魔法を放つカインリルに対し、マナは沈黙したまま足さばきだけで魔法を避けてじりじりと距離を詰めていった。
「<発現>」
間合いが詰まってきたところでマナがカインリルの足元に向けて魔法を放った。それは足元に泥沼を生み出してカインリルの足を一瞬止めたが、すぐに対抗魔法で泥沼を消滅させた。
しかし、その一瞬でマナは回避不可能なところまで間合いを詰めていたのだ。
「っ」
「<発現>!」
ギン
完璧なタイミングで振るわれた剣はまたしても防御魔法に阻まれたが、今度のマナの攻撃はそこでは終わらなかった。
「<発現>」
「<発現>」
「っ、セミオートは便利ね」
剣を防がれたタイミングで即座に攻撃魔法をカインリルに仕掛けたが、今度はカインリルが鎧のセミオートを連続発現させて魔法を防御した。思わず恨み節を呟くマナだが、カインリルはその隙に即座にあらかじめ手に仕込んでおいた結印を発現させてマナを攻撃した。
「<発現>」
「<発現>」
危なげなく防御したマナだったが、その間にカインリルは距離を取って、再び戦局はにらみ合いの状況へと戻ってしまった。




