第6章「交流試合」 - 02
「どうしたんにゃ?」
「ん?」
教室移動のとき、マナはふと目に入った光景に何気なく足を止めてぼーっと眺めていたところを、胸元のヘータに訝しまれた。
「いや、あいつは何であんな風にすぐに人と打ち解けられるのかなって」
「ん?」
マナの視線を辿ってみると、カインリルが他の高等部の男子たちとサッカーをしているところだった。
「人徳ってやつだろ」
「人徳ね」
「ま、四六時中周囲に殺気を飛ばしてるマナにゃ分からんだろうけどにゃ」
「あたしをそんな程度の低いチンピラみたいなのと一緒にしないで」
「でも、人から近寄りがたいって思われてるってことはそう言うことにゃんじゃにゃいか?」
「……」
ヘータの言葉を受けて、マナは少し悲しそうに顔を歪めてカインリルがサッカーをしている方をじっと見つめた。
「ま、心配しにゃくても俺も似たようにゃものだけどにゃ」
そして、小声で何か呟いたヘータを、マナはぎゅっと抱きしめた。
「マーナ。何ぼーっとしてるの? 早くしないと次の授業に遅れるよ」
と、そこへ通りがかったミレイが立ち止まったまま歩こうとしないマナに気づいて声をかけてきた。
「え、ああ、そうだね」
「ん? あ、もしかして、マナ」
「へ?」
意味深な笑みを浮かべてマナの方を見るミレイに何を言いたいのか分からず首を傾げるが、はっとその意味に気づいて眉をひそめた。
「ちょっと、ミレイ。そういうんじゃないからね」
「その割にはちょー心ここにあらずって感じだったけど」
「そ、それは、ちょっと魔法の結印の新しい組み方を思いつきそうだったから考えてただけよ。別にカインリルを見てたわけじゃ」
「あれ、ボクは別にカインリルさんのことなんて一言も言ってないよ」
「あんな才能と環境の上に胡坐をかいてるだけのやつとあたしがなんかなるなんて、天地がひっくり返ってもありえないわ」
面白そうに追及するミレイに対し、見る人が見たら震えあがりそうなほど不機嫌な表情をしたマナは、吐き捨てるように言い放った。
「その言葉、頂きました!」
その瞬間、突然飛び出してきたのはいつもおなじみの新聞娘のカルネだ。例によってマナをストーカーしていたら美味しいセリフが飛び出してきたので、我慢できなくなって首を突っ込んで来たのだ。




