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第5章「公爵家の嫡子」 - 05

 式典の後はパーティーが行われた。立食形式でビュッフェからそれぞれ食べ物や飲み物を取り、思い思いに集まってテーブルを囲んで歓談を行うのだ。


 本来なら会話がメインになるべきパーティーだが、食べ盛りの少年少女たちが集まったことに加えてちょうどお昼時だということも重なり、ビュッフェにはあっという間に長蛇の列ができあがった。


 「マナーッ、こっちこっち」


 列に並び損ねたマナがどうにかプリールジュースだけを手に入れて落ち着ける場所を探してうろうろしていると、少し離れたところからミレイの声が聞こえた。


 「ミレイ」


 人ごみを掻き分けて、大きく手を振って飛び跳ねる友人の側にたどり着くと、ミレイはすでに大量の食料を確保して数人用のテーブルを1人で占拠していた。


 「もー。マナはそういうのちょーダメなんだから、ボクに任せておいてくれればいいんだよ」

 「別に、あたしはプリールジュースだけで平気よ」

 「本当に?」

 「俺は食べるにゃ」


 マナが強がっていると、胸元からヘータが飛び出してテーブルの上にあったアジのフライにかぶりついた。


 「あ、こら、ヘータ」

 「いいっていいって。ヘータくんってアジのフライ、ちょー好きなの?」

 「にゃあ」


 空腹にアジのフライを食べてご機嫌だったヘータは、思わずミレイに返事をしてしまったが、ヘータの言葉が猫の鳴き声にしか聞こえないミレイは特に疑問には思わなかったようだった。


 グーーー


 「い、今のは違うから」

 「もー、強がってないえ食べちゃいなよ。それともボクが食べさせてあげようか。あーん」

 「ちょ、分かったわよ。自分で食べるから」


 タイミングよくお腹がなってしまったマナは顔を赤くさせながらおずおずとテーブルの上の食べ物を手に取った。



 「マドモアゼル、こちらよろしいですか?」


 マナとミレイが食べ物を手に話しているところへ、不意に誰かが話しかけてきた。


 「よろしくないわ」


 つっけんどんに返事をしてミレイと話を続けようとするマナだったが、話しかけてきた人物を見たミレイは驚きに目を丸くしていた。

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