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RotD:#01. バケツ頭のディスポーザー  作者: 夏瓜 竹海
1、バケツ頭のディスポーザー
12/17

1-10

 ピヨーン、ピヨー──、


 何かに躓き、身体が傾いだ。

 しかし、デクノボーはすぐに体勢を立て直す。

 ところが次の瞬間。

 黒い波がデクノボーを飲み込んだ。

 デクノボーはバランスを崩した。

 再び、体勢を立て直す。

 だが大波に飲まれ、溺れたように路面に倒れ込んだ。


 計画はいたって単純だった。

 デクノボーをネットでからめ捕る。


 事前にデクノボーの巡回ルート、時間、速度、バックアップ体制──警官の到着時刻──とやじ馬の配置を加味して、場所を決め、ワナを仕掛けた。


 ネットはロバートが準備した。カーボン複合材で編まれたものだ。

 路面に広げ、ローラーに絡ませ、手足に巻き付け、自由を奪う。

 いま、デクノボーはネットから逃れられず、這い出そうにも、両肩の盾や、突き出た装備がますます絡まり、長い手足を持て余した一匹の巨大な昆虫のように、ひどく無様な姿を晒してた。

 たいした獲物だよ。

 ウィリアムは、火を失って久しい街灯の上から飛び降り、緊急信号の発せられる前に、もがくデクノボーをすっぽり遮断シートで覆った。すぐさま腰に差したロッドを抜きだし、手足に捻じ込み、テコとモーメントを利用し、関節を砕いて動きを封じようとした。そしてバッテリーから伸びるケーブルを切断、待機しているロバートがピックアップのトラックを寄せて、二人で荷台に乗せると、即座に撤収する手筈──、


「な……ッ」

 何!?


 しくった。

 すぐさまバックアップ・プランに──、

 

 不意に強い光に焼かれ、今や自分が間抜けな獲物になったのを知った。

 闇を切り裂くのはヘリのローター。


「逃げろォ!」

 ウィリアムは叫び、引き倒され、もがくデクノボーの上から自分もまろびながら、光の輪から逃れようとした。

 どこかで何かが爆発した。確認している暇はなかった。


 どうしてこんなにすぐに来た。

 まさか──まさか。


 ひゅっと何かが身体を貫いた。

 ごきっと太い音を全身で訊いた。

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