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炎温人神幻想紀録  作者: 雨坂 輝雄
幼少期編
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幼少期編①  出会い

 目を開ける。そして見慣れない天井。そして


「あ、起きたの?」


 …見慣れない人。紅と白の、…なんだっけ…巫女服?だっけ?それ着てる。なんで脇出してるのかは聞かないでおこう。いや、聞いちゃいけない気がするんだ。


「ねぇねぇ、なんか言ってよぉ」

「あ、ゴメン」


 いろいろ考えていたら言われちゃったよ。とりあえず、分からない事とか聞いてみよう。


「えっ…と、君は?」

「私はね、博麗霊夢っていうの。あなたはなんて名前?」

「僕は信道しんどう焔哉えんやっていうんだ。よろしくね。霊夢ちゃん」

「うん。焔哉君」

「ところでさ、ここってどこ?」

「博麗神社だよ」


 ふーん…。ここ神社だったのか…。博麗ってのは聞いたことがないよ……。


「じゃあ、ここは何県?」

「? なんのこと?」

「え?」

「え?」


 え? 何? どういう事?


「…霊夢ちゃん。ここってどういうところ?」

「えっとね、ここは幻想郷って言うところでね、忘れられた妖怪とか妖精とか神様とかいろいろな人がいるんだよ」

 人って言っていいのか…? ってちょっとまって! 幻想郷って何!?


 とりあえずなんとかなったのか? あの人達からは逃げられたのかな?


「忘れられた……か」


 そっちの方が都合がいいから、まぁ、結果オーライかな。


「どうしたの?」

「ん?何でもないよ」


 さて、と。これからどうしようかな。とりあえず寝泊まり出来る所は確保しとかないとな。


「ねぇ、霊夢ちゃん」

「なあに?」

「人がいっぱい居る所ってある?」

「あるよ。人里って所があるんだ。だいたい2・3000人ぐらい居るんだよ。行く?」

「うん」

「じゃあ行こう!」


 そう言って霊夢ちゃんは浮いた。……浮いた!?


「ちょっと待ってよ!なんで浮いてんの!?」

「えっ…と浮けるから?」

「いや疑問系で返されても」


 ……どうやらとんでもないところに来てしまったらしい。




 ●



 とりあえず飛べないので霊夢ちゃんに手を引っ張ってってもらい、人里に着いた。途中、妖怪だっけ?に襲われたけど霊夢ちゃんがやっつけちゃった。一匹僕の後ろから襲いかかってきたけどやっつけた。ぇ? どうやったかって? 教えないよ。ま、いつか分かるしね。霊夢ちゃんにも驚かれたし。なんでだろ?

 ともあれ人里に着いたんだ。ちょっと開けた場所にある公園みたいな所につれてかれて、待っててって言われたから待ってるんだけどね。なんか人里を守ってる人を連れてくるらしい。

 イスに座りながらそんなことを考えていたら、


「ね、ねぇ。君って外来人?」


 と声をかけられた。金髪の僕よりちょっと背が大きいぐらい。

 それより、聞き慣れない単語が聞こえたので聞いてみる。


「外来人?」

「この幻想郷の外から来た人のことだよ」

「日本がこの幻想郷に入ってないなら、そうなるかな」

「日本?」

「じゃあ、僕は外来人だ」


 この子の反応を見て分かった。日本ではないらしい。


「私、霧雨魔理沙っていうの」

「僕は信道焔哉。よろしくね」

「うん。焔哉!」


 へ?なんかいきなり呼び捨てにされたし。……ま、いっか。悪い気はしないし。

 そんなことで打ち解けた僕と魔理沙はいろいろ喋っていた。体験した面白い話や、将来の夢とか。僕はまだ具体的な夢ははないけど魔理沙は魔法使いになりたいらしい。頑張ってね、って言ったら満面の笑顔で


「うん!」


 って言ってた。やっぱ笑顔が似合うよ。

 そしたら暗くなってきたからもう帰るねっ、って言って魔理沙は帰っていった。

 魔理沙を見送り、見えなくなってきたらまた別の人が来た。


「ずいぶんと楽しそうに話ていたじゃないか」


 銀髪のへんな帽子をかぶった人だ。……この世界では黒髪は少ないのか?皆似合っているからいいんだけど。


「えっ…と、誰ですか?」

「おっと失礼。私は上白沢慧音という者だ。寺小屋で教師をしている。あと、人里の守護者とも言われているな」

「じゃあ、あなたが霊夢ちゃんの言ってた人ですか?」

「たぶん、そうなるな」


 ふ~ん……なんでこんな綺麗な人が人里守ってんだろ?


「あ、僕は信道焔哉っていいます」

「うむ、霊夢から聞いてるよ。人里に住みたいんだって?」

「ええ…まぁ、そうです」

「今日はもう遅い。うちに泊まっていかないか?」


 ほかにどうしろっていうんですか!?

 宿も見つかんないし。それしか方法がないでしょう。


「よろしくお願いします」

「うむ、分かった。それよりお腹減ってないか?」

「まぁ、減ってますけどそこま……で……」


 なんてバットタイミングだ!こんな時に腹が鳴るなんて…。


「空きました……」

「素直でよろしい」


 うんうんと頷きながら笑顔でいう……なんて呼べばいいんだろ?一様年上だし…。


「えっと上白沢さん?」

「ん?慧音でいいぞ?」

「いえ、仮にも年上。それに寺子屋で教師もしているんでしょう?下の名前でしかも呼び捨てなんて出来ませんよ」

「…じゃあ寺子屋では先生と呼んでくれ。二人きりの時や呼んでいいと言った時は慧音と呼んでくれ」

「いや、でも……」

「いいな」

「仮にも年上ですし……」

「いいな」

「それで「いいな」……分かったよ…」


 素直でよろしいとまた言われた。いや今のは素直と言えるのだろうか…?

 そこでまた腹が鳴る。


「……………」

「ご飯、食べにいこうか」

「……はい」


 まぁでも心地よい居場所だ。ここは。前の所はこんな場所無かったな……。

 でもここなら……




















 こんな僕でも受け入れてくれるかもしれない。





















 そんな儚く淡い希望を持ちながらとても濃い一日は終わりを告げた。




 ~一方その頃外の世界~


「なぁ神奈子……」

「あぁ…少なくとも、この日本にはいない」

「じゃあどこへ行ったのさ!!」

「私が知るわけないじゃないか!!私だって心配なんだ…」

「……ごめん」

頑張ったぜぇ……

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