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名誉のためでなく  作者: ulysses
第2章
19/19

第018話 樹林Ⅲ

お久しぶりです。

随分と時間が開いてしまい、お待ちいただいた方には、申し訳ありませんでした。

 ミネルヴァ王国の王都ロンディニウムの中央部に位置する、古式ゆかしいサン・グリュモア様式の大建築メディカ宮殿。広大な敷地の隣には、国民の信仰を集めるマステル大寺院の天高く聳える尖塔が屹立する。

 そして宗教と政治の中心地シティ・オブ・イスリスの三つ目の大建築、広大なヘキサグラム(六芒星)型のそれがミネルヴァ王国大議院である。


 内部には幾つかの議事堂がある。

 連合王国の各国から王の代理として駐在議員が派遣され、連合王国の諸事情が討議される『連合王国大議院』。各王国の国軍の大方針を討議・調整するための『連合王国軍統括連絡委員会』。その他の諸政府委員会の討議場などが配置されている。

 そして、ミネルヴァ王国の国内関連の政治の中枢である『ミネルヴァ王国議会』の大議場がある。


 議員は皆貴族であり、法衣貴族の派閥と領地貴族の派閥、内政議員と軍閥議員、貴族至上主義者から階級にとらわれない者、更には人族至上主義から亜人融和主義など、あらゆる思想が混沌として、誰がどの派閥を掛け持ちしているか、見極めることが非常に難しい。


 そんな中、最古の血筋を誇る大貴族のひとりでもある議会の重鎮、第28代ドーンズタイア侯爵ウィリアム・アラン・ウェントワース・セシルトンの領袖する派閥『サウザンロー(南部議員連盟)』は、気位の高い貴族にしては比較的庶民寄りの政策を打ち出す、穏健派の内政集団として知られている。


 王都の空を覆う陰鬱な雲が珍しく晴れた6月の空の下、小雨のあとの澄んだ空気に包まれて黒々と濡れた閑静な通りの角、重厚感にあふれたヴィクトゥリアスⅣ世様式で建てられた『サウザンロー』の壮麗な政治クラブでは、国家憲兵隊による封鎖が行われていた。

 大扉や各所の出入り口は装備に身を固めた衛士隊が物々しく固め、内部ではジョージ・ローゼンブルーム中佐の率いる憲兵隊捜査官たちが忙しく動き回っていた。


 会計監査役のシェアハプトン領主議員アーソン・フレッチャー・コクヴィル子爵が、クラブハウス内の彼の執務室で死んでいるのが発見されたのは、給仕が朝刊を持っていった明け方だった。

 デスクには紅茶のカップと毒の小瓶、 “神よ、許したまへ” と走り書きされた遺書が遺されており、自殺と断定された。


「サウザンローの議員とあっては、記者連中が騒ぎだす。一切の情報は非公開とします」

 領袖であるセシルトン侯爵を始めとする幹部たちや、たまたま滞在していた派閥の議員たちは、足が沈み込みそうな真紅のカーペットが敷き詰められ、天鵞絨びろうどのカーテンが締め切られた広壮なサロンに集められていた。

 ローゼンブルーム中佐は感情の読めない半眼で、関係者一同を見渡しながら通達した。


 細身の引き締まった身体に憲兵隊の濃灰色の軍服、黒皮のトレンチコートを纏った中佐は、短く刈り込まれた金髪に如何なる時も無表情な鋭い顔貌が、酷薄で不吉な印象を与えた。抑揚のない、低く単調な声音は悪魔の問いかけのように感じられて、相対する者から恐れられていた。


「セシルトン卿、コクヴィル卿に不審な様子はありませんでしたか?」

「いいや、そのような素振りはなかったのう。もの静かで、普段通りに落ち着いておった。儂らも、何が原因なのやら、皆目見当がつかぬわい」

 老齢のセシルトン卿が、重い声で山羊髭をしごきながら言った。階級にとらわれず、温厚な人格者と評判のその顔は、沈鬱な表情を浮かべている。

「では、卿の周辺に、何か変わったことはありませんでしたか? 些細なことでも構いません」ローゼンブルームは、集った面々を見渡して質問する。

 若手の議員が手を挙げた。


「コクヴィル卿のご令嬢が、体調を崩して北部高地へ転地療養をされたそうです」

「何? 儂は聞いておらんぞ。解せぬな。そのようなこと、名付け親である儂に報告せぬなぞ、これまでなかったぞ」

「貴方は、あー、セジウィック卿、どのような経緯でそのことを知りました?」

「実は私、セリア嬢とはカレッジの学部が同じでして、その縁でよく美術館へご一緒するのです。最近、お見えにならないので、卿との挨拶のときに伺ってみたのです。忙しいと、すぐに行ってしまわれましたが」


 中佐はしばし考え、記憶のメモに保管した。その後、個別に一通り事情聴取が終わると再度、守秘を念押しして撤収した。

 その後の捜査でも、横領や盗難などの不正は見当たらず、コクヴィル子爵の自殺の理由は発見できなかった。


 だが、裏付けとしてミネルヴァ王国南部ダーヴォニムシャーの港湾都市シェアハプトンにある領主邸へ派遣した捜査官が、奇妙な話を持ち帰った。

 家族はセリア嬢の療養の話など知らず、更にはセリア嬢はコクヴィル卿と同行していると思い込んでいたというのだ。

 セリア嬢の行方は、杳として知れなかった。王都へ入った後の足取りは、彼女という人間は元からいなかったかのように、痕跡が消滅していた。


 何か重大な事件が進行しているのではないかと懸念を抱いたローゼンブルーム中佐のデスクに、一通の手紙が届いた。

 封蝋は『太陽を背負う雄山羊』の紋章。それを見た瞬間、中佐の顔は引き締まった。

 差出人の名はなかったが、紋章で分かる。


 【特殊技能者斡旋組合(ランナーズ)】所属のSSS級ランナー、ジョージフ・アルバート。彼からの手紙ということは、また何事か国家規模の危機への「対処」に関与することになるということだ。

 かつてローゼンブルーム中佐は、【十人委員会】の主導する秘密作戦に外部徴用員として参加したことがあった。

 そのときも、このランナーズ最高ランカーからの手紙が始まりだったのだ。



       ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆



 シアーズと潜入班は、都市国家『ギレミア』の内陸部をぐるりと取り囲む市壁内部の通路の角で、息をひそめて身を隠していた。斥候役のゼッド・ヴォーティガン一等水兵が狼の能力で安全を確認し、合図した。


 ほぼ百ヤードほどの厚さの巨壁基礎の内部には、警備や作業員のための居住施設が備えられていた。轟音を上げる浄化施設を過ぎ、魔石灯が灯る狭い通路を一列になって進むと、寝所や食堂などのドアが並んでいる。

 途中、作業員の詰め所があったが談笑に夢中で、身を低くかがめ素早く戸口を過ぎる一行には気づかなかった。


 やがて、奥まった人気のない倉庫に潜り込み、雑のうから古着をだし着替えた。護身用の携帯小杖を上着に隠し、鞄に医療キットを入れ肩から提げた。

 雑のうに階級章や身元を示すものをはぎ取った戦闘服を詰め、そこに小箱をくくりつけて物陰に隠す。荷物は失って構わないものだ。小箱から紙弁をはぎ取り、見つかって騒がれないよう、念入りに隠した。足元に、偽装用の数本のタバコの吸い殻と酒瓶を何本か置く。


 一応の警備はされているようだが、侵入者があるとは思っていないようで、ザルのような警戒だった。とはいえ、発見されれば即潜入失敗となるので、たまに遭遇する者をやり過ごせるよう、ゼッドは気を引き締めて先導を務めた。

 誰もが無言で、訓練で身につけた慎重さと大胆さを組み合わせて、施設内を進んでいく。遣り取りは全て、ハンドサインで行われた。


 出口近くまで、発見されることなく順調に進んだ。

 だが、出入りを監視する警備員の詰め所があり、すんなりとはいかない。

 一行が息を潜めていると、通路の奥から騒がしい音が聞こえて来た。天井付近では、薄らと煙が漂ってきていた。

 警備員たちが、一人を残して火元へと駆けて行く。


 ゼッドが慎重に背後から忍び寄る。警備員は気を張っているのか、熱心に外を監視している。振り上げた腕の衣擦れに気づいたのか、気配に気づいたのか、警備員はハッとする。振り向こうとする寸前、ゼッドの手刀が首に撃ち込まれ、警備員は昏倒した。


 ゼッドの合図で、一同は出口をすり抜ける。

 ゼッドは棚の上の重そうな箱を下し、中身をぶちまけて警備員の上半身の近くに箱を投げ出し、そのまま仲間を追いかけた。


 一瞬、太陽の光で目が眩む。

 目が慣れると、眼前には密林が伐採され赤茶けた地面が広がっていた。

 土を踏み固めた幅の広い道路がどこまでも続き、遥か向こうには農地が見える。

 南方の強い日差しの下、H.M.S.フラウンダーの潜入班は、ギレミア国内に足を踏み入れた。



       ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆


 

 時間は遡り、潜入班が出発した日の夕方──。

 H.M.S.フラウンダーでは、やっと帰還したマルカム・カンモーの報告により、ティム・キャニング士官候補生捜索隊が編成された。


 インジルド・チェルディッチ……砲雷科兵曹/捜索隊長

 イアン・ストークス………………水兵長/砲術班主任、闘術班主任

 ジョン・ベケット…………………一等水兵/闘術員

 ダミアン・ヘイ……………………二等水兵/砲術員

 マルカム・カンモー………………二等水兵/闘術員/案内係


 以上の五名が、夜明けを待って派遣されることとなった。


「海賊の襲撃であれば、追撃がないことが不可解だ。第三の勢力やもしれん、充分警戒するように」

 出発前のエムリス・ウセディグ副長の訓示により、捜索隊の者も艇に残る者も、ギレミアの海賊に加えて山賊や魔物を警戒して周囲への監視を強めた。


 何事もなく朝になり出発した捜索隊は、前日に潜入隊が通った道を辿り、『ギレミア』の巨壁に広がるダムの手前、鬱蒼と繁る樹林の中を河筋がうねる岸辺へと着いた。

 ボートを畳んだ彼らは、まずは周囲を警戒しながら岸を取り巻く叢の中で、襲撃者たちの痕跡を探し求めた。


 少し奥まったところに火をおこした跡があった。火矢に使ったものだろう。

 乱れた足跡が辺りを錯綜し、密林の奥へと続いていた。

 すぐ側の立ち木には、候補生の衣服の切れ端が引っかかっていた。

「血の跡がない。少なくとも、ここでは候補生は殺されてはいないな」と、ストークス水兵長が言った。

「捕虜となった公算が大きいな。早く見つけて救出しよう」


「これから足跡の残りにくい密林だ。どんな痕跡も見逃すなよ」チェルディッチ兵曹が、気負ったように言った。どうやら初めての隊長任務で、興奮しているようだ。

 ストークスとベケットは、顔を見合わせて苦笑した。

 彼らは鬱蒼とした密林へと、分け入った。 


 しばらくはカンモーが先頭に立ち、ヒヒ獣人の腕力で下草を薙ぎながらキャニングの痕跡を探しながら進んだ。

 幸いなことに、キャニングを連れ去ったと思われる集団は、大きく距離を開けながらも途切れながら続く獣道に沿って移動しているようで、追跡は楽に速度を上げることができた。


 それは、丁度獣道が途切れて、追跡班がコボルトたちが迂回した痕跡に気づかずに直進したときに起こった。

 何の前兆もなく突如として、上から握り拳二つ分の大きさの赤黒いブヨブヨの塊が、大量に落ちてきた。

「ぐっ、アチチ! 気をつけろ、コイツ刺すぞ!」

「肌が出ているところを守れ! キバ蛭だ、無理に剥がすな。傷口が広がるぞ!」

「走れ、安全地帯まで、とにかく走れ!」


 ストークスが指示を出し、皆は全身に蛭を纏いつかせながら、急いでその場を逃れる。

 首筋や顔を守りながら必死に走り、どうにか開けた場所に辿り着くと、一同は息を荒げてしゃがみ込んだ。

 ダミアン・ヘイが私物のタバコに火をつけ、皆に配る。互いの身体にかじり付くキバ蛭にタバコの火を押し付けると、苦しげに身を捩り、吸った血を吐き出しながら剥がれ落ちて行った。


「ちくしょう、血が止らん」

「よく探せ。服の下に残ってたら、目も当てられん」ベケットたち水兵が呻く。

「蛭の野郎は、餌の血液が固まらないように、酵素を注入するんだそうだ。傷口から絞り出しておけ。水筒の水で洗って、消毒したら絆創膏を貼れ。終わったら出発するぞ」

「せっかくタバコに火をつけたんだ。一服の間、待ってくだせえ」

「よし、手早くな」


 これまでの所、チェルディッチ兵曹は、ストークス水兵長にリーダーのお株を奪われっ放しだった。勿論、ストークスには越権の意識はない。チェルディッチの勝手な僻だが、なんとなく面白くなかった。

 立ち上がって周囲を見回すと、細く垂れた枝に生るオレンジのような実を見つけた。喉が渇いて疲れていたチェルディッチは、思わず近づいてもごうとした。


 実を掴もうとした瞬間、シュルシュルと枝が持ち上がり、チエルディッチに巻き付いていく。大木の中央では、ツンとする溶解液に満ちた袋状の器官が口を開けた。

「おああああああ、しまった!」

「兵曹! 総員、格闘戦用意! ヘイ、援護射撃を……」

「ダメだ、燃やせば煙が出る。格闘のみだ!」

 捕まった当のチェルディッチが、必死ながら命令を怒鳴る。


「お前ら、いくぞ! 戦闘開始!」ストークスの号令で、闘術員は魔力篭手を展開し、その刃で枝に斬り掛かる。砲術員のヘイは密林装備の鉈を手に、慣れない格闘に突撃した。

 正面から振り下ろされた触手枝の衝撃に、ヘイは弾き飛ばされる。隣ではヒヒ獣人のカンモーが、鋭い爪状の魔力刃で蠢く枝を薙ぎ払う。ベケットは拳を魔力障壁で包み篭手状にし、叩き付ける枝を殴りつけている。魔物の木の魔力と干渉した反発力が打撃となり、触手枝を破壊し押し返す。


 ストークス水兵長は斜に構えて一気に触手枝に躙り寄り、体を右にずらしながら左手で枝の攻撃をいなす。右手に刃状の魔力篭手を発動し、掬い上げるようにチェルディッチに巻き付いた触手枝に斬りつける。更に叩き付けてくる枝を体を開いて躱し刃を下に、円を描くように走らせ切り裂く。右方向から襲い来る別の枝を、ストークスはするりと半身で躱した。


 戦いが続くうちに、傷ついた枝では支えきれずチェルディッチは解放され、地面に落ちた。走りよったヘイが襟首を掴み、魔樹の攻撃範囲から引きずり出す。ストークスたちも後退し、安全圏で息を吐いた。

「ハァ、ハァ……無事ですか?」

「うん、済まない。私の不注意だった……」チェルディッチは、がっくりと項垂れた。

「いや、あそこで火力を禁じたのは、なかなかですよ」

「ありがとう。これ以上アレと戦っても、得るものはないな。警戒しながら休憩したら、出発しよう」

「同感です」

 ストークスとチェルディッチは、ばったりと大の字で下草に倒れ込んだ。



       ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆


 

 丁度その頃、どれくらいの時間が経ったのか、ティム・キャニング士官候補生は、朦朧としながらも意識が覚醒するのを感じた。

 身体はユラユラと揺れている。どうやら太い棒に括り付けられ、何者かに運ばれているらしい。衣服は濡れており、とても不快だった。矢で貫かれた右肩は、ジンジンと痛んでいる。幸いなことに鏃に返しはなく、きれいに抜かれたようだった。

 どうしてこうなったか、状況が理解できない。

 ぼんやりとした薄暗い視界には、複数の黒い影が蠢いているようにしか見えなかった。

「……離せ、僕は動物じゃないぞ」キャニングは、喘ぎながら言った。


 黒い影は、歯擦音の多い理解出来ない言葉を鋭く発し、槍の穂先でキャニングを突いた。痛みで声を上げると、面白がってゲッゲッと笑いながら、何度も突いてくる。

 キャニングは、イライラが怒りに変わるのを感じた。

「イテッ、イテテッ! やめろ、やめろよ。……やめろって言ってるだろっ!」


 怒声と同時にライオン耳が飛び出し、普段は抑えている尻尾と体毛が伸びる。同時に、獣の体臭が濃くなった。五感も冴えて、視界もハッキリする。

 負傷しボートから落ちたのを思い出し、捕虜となったのを理解した。


 自分は8匹のコボルトに、荷物のように運ばれているようだった。1匹はキャニングの雑のうを提げていた。

 コボルトたちは、突如として強獣の臭いにさらされて、恐慌状態に陥った。

 緑色のうろこを持ち、毛のない犬に似た頭部には角、ドラゴンの血を引く小柄な二足歩行の爬虫類たちは、縦長の細い瞳をむいて鋭い叫び声を上げた。


 騒ぎながらキャニングの括り付けられた棒を放り出す。地面に身体を打ち付けて、キャニングは思わず苦鳴を漏らした。

 コボルトたちは辺りを走り回ったあと、一カ所に固まった。

 1匹が恐る恐る近づいてきて、素早く縄を切った。ささっと仲間のところへ走り、皆そろって膝をついた。両腕を前へ伸ばし、何かを唱えながら上体を地に伏せる動作を繰り返す。

 キャニングは、コボルトたちの突然の態度の変化に唖然としていた。


「ねえ、僕を帰してくれないかな」

 キャニングが声をかけるが、立ち上がったコボルトたちは揃って密林の奥へ案内しようとする。

「クーキュ〜ン」「クルルルルル」と喉声を鳴らし、案内をする仕草をみせる。小さめの固体などは、戦闘服の裾をチョイチョイと引っ張っている。

 キャニングはため息を吐いた。現在位置も分からず、コボルトたちから離れても自力で帰還するのは難しい。結局は遭難してしまうことだろう。


 とりあえずは、彼らの目的地であろうコボルトの集落で、道案内の手はずでもつけられないかと思い、彼らに着いて行くことにした。

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