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(仮)  作者: イオン水
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第68話 ぷしゃー

えーと、えーと、何から話したらいいんだろう?

ああ、えと、初めまして?じゃない、こんにちわ、妖精少女です。

本当はお兄ちゃんが話す予定だったんだけど、きゅうに「妖精少女がしなさい」と言われたので、わたしが話す事になりました。


誰に言われたのかって?

誰だっけ?


そんなのは無理って言ったんだけど、「妖精語でいいから」と言われた。

何か翻…ほんにゃく?するらしい。


誰が?

知らない。




殿下お兄ちゃんの奥さんになる人が来た。


最初に来たのは隣国の王孫女。

わたしと同じくらいの女の子。


隣国の王孫女が殿下お兄ちゃんのお嫁さんになれるなら、わたしもお兄ちゃんのお嫁さんになれるんじゃないのかな?

妖精お姉ちゃんに聞いたら「妖精少女はまだダメよ」と言われた。

隣国の王孫女がよくて、何でわたしが駄目なんだろう。

妖精お姉ちゃんは「隣国の王孫女様はお母さんに"いいよ"って言われてるからね。妖精少女は違うでしょ?」と言ってた。


言われてない。

そっか、ママが「いいよ」って言わないとダメなのか。

今度会ったら、ママに聞いてみよう。




隣国の王孫女とはすぐに仲良くなった。

隣国の王孫女の居た国に、わたしの住んでた妖精の村があるらしい。

知らなかった。


でも隣国の王孫女は、妖精の村には行った事が無いんだって。

なんか「そういう約束してるの」とか言ってた。

昔々、隣国の王孫女のお爺ちゃんのお爺ちゃんのお爺ちゃんの…あれ?何人だったか忘れた。

えと、隣国の王孫女の昔々のお爺ちゃんと、妖精族の昔々の偉い人とで、そんな約束をしたんだって。


約束は破っちゃダメなので、今度、こっそりと妖精族の村に連れて行ってあげる約束をした。






次に来たのが、えーっと、北国の筆頭貴族の娘…お姉ちゃん、だっけ?

ちょっと言いにくい。


体が少し弱いんだって。

だから来る時も、疲れて動けなくなっちゃったらしい。

馬車の旅はふたんが大きいみたい。


馬車の旅って楽しいのにね。

お兄ちゃんと美女お姉ちゃんと一緒だったからかな。

北国の筆頭貴族の娘…お姉ちゃん?には美女おねえちゃんが居ても、お兄ちゃんは居なかったので、楽しさ半分だったんだね。


途中で姫お姉ちゃんが来て、もっともっと楽しくなった。

また馬車の旅がしたいなぁ。

今度は有力貴族の娘お姉ちゃんもいるから、もっともっともっともっと楽しい旅になりそう。




えーと、その北国の筆頭貴族の娘お姉ちゃん…は体が弱いらしく、あまり走り回ったりはしないみたい。

いつも椅子に腰掛けて微笑んでいる感じ。


そういえば隣国の王孫女は、子狼を見たときにかなり驚いてたけど、北国の筆頭貴族の娘お姉ちゃんはあんまり驚いてなかった。

北国には狼が結構いるんだって。

子狼の仲間がいっぱいいるって、一回、会いに行きたいかも。

子狼の友達が出来たらいいな。






今日は姫お姉ちゃんのお茶会の日。

沢山のお姉ちゃん達がお茶会に来る。

最初は知らない人ばかりで怖かったけど、みんな良い人たちで、今は楽しみ。

最近は隣国の王孫女も一緒だし、今日は北国の筆頭貴族の娘お姉ちゃんも来るらしい。


お城の部屋でお姉ちゃんと一緒にお茶会の準備をする。

わたしもカップを並べたりして手伝う。

姫お姉ちゃんが甘い食べ物をテーブルに並べたりして、妖精お姉ちゃんは飾っている花をなおしたりしている。


お茶会に出るのを嫌がっていた妖精お姉ちゃんも、今ではわたしと一緒に出てくれる。

まだお姉ちゃんたちに話しかけられるのは苦手みたいだけど、それでもちゃんと話をしてるので、姫おねえちゃんも「よかった」と笑顔で手を合わせてた。

姫お姉ちゃんがそういうなら、いいことだと思う。

妖精お姉ちゃんも最近は少し楽しそう。




姫お姉ちゃんのお茶会に来るお姉ちゃん達は、やさしいお姉ちゃんばかり。

ほとんど、来る人はいつも一緒だ。


知らない人が来る事があるし、たまに嫌な人もいる。

でもそういう人は、わたしたちの遠くに座っているので、余り嫌な事はされない。

他のお姉ちゃん達が、姫お姉ちゃんやわたしたちを守ってくれてるみたい。


倒すのに暴力なんか使わない。

むごんのプレ…プレッシャー?ぷしゃー?その「むごんのぷしゃー」とかいうので、追い返すみたい。

お姉ちゃんたちは強い。


前に「姫の騎士団にどうして入らないの?」って聞いたら、笑われた。

「わたし達は彼女達と違う方法で、姫様と妖精少女たちを守るのよ」って言われた。

何か良く分からないけど、カッコイイ。

姫お姉ちゃんと有力貴族のお姉ちゃんと美女お姉ちゃんの次くらいに、みんなも好きって言ったら、大変な目に合った。

5人のお姉ちゃんが居たけど、順番に抱きしめられて、撫でられたり頬をすりすりされたり、キスされたりした。

姫お姉ちゃんが5人になったくらい、めちゃくちゃだった。


でも全然嫌じゃないし、好きなので嬉しかった。





北国の筆頭貴族の娘お姉ちゃんだけど、やっぱり調子が良くないらしく、数日に一回は寝込んでしまうみたい。

お見舞いに行ったら起きてたけど、ベッドからはまだ降りれないんだって。


たくさんお話をした。

北国はとても寒いところで、冬は雪が降るんだって。

こっちも降るよって言ったら、もっともっと降って外に出れなくなるらしい。

想像が出来ない。



いろんな事を聞いた。

隣国の王孫女の話も面白いけど、北国は遠いので、こことは一杯違うところがあるみたい。

「今度、隣国の王孫女と一緒に話を聞きたい」と言ったら、優しい顔で頷いてくれた。



ここら辺じゃ雪はすぐに消えちゃうけど、北国ではすぐには消えないんだって。

じゃあどうなるのかと言うと、つもる?らしい。

わたしよりたかく雪がつもる。

何でここら辺はつもらないのか聞いたら、もっともっと寒くならないと雪にならずに、雨になるらしい。

雨と雪が同じなんだって。

もともと水なので「それだけつもったら泳げるね」って言ったら、雪は泳げないって言われた。

水なら浮かぶけど、雪は浮かばないみたい。


不思議。





「北国の筆頭貴族の娘お姉ちゃんは、何で北国の筆頭貴族の娘お姉ちゃんなの?」って聞いたら、目まんまるにしてた。

言ってる事が難しいんだって。

ん~。何ていえばいいんだろう?

わたしが困っていると「じゃあ、何で妖精少女は妖精少女っていうの?」と聞かれた。


何でだろう?ママが決めたから?

そう言ったら北国の筆頭貴族の娘お姉ちゃんはわたしの頭を撫でながら「わたしもよ」と微笑んだ。




北国の筆頭貴族の娘お姉ちゃんは、殿下お兄ちゃんと結婚するのかな?

聞いたら「それは殿下のお決めになる事よ」と微笑んで言った。

結婚したく無いのかな?と思ったけど、そういう訳ではないらしい。

何で殿下お兄ちゃんが決めるんだろう?


「北国の筆頭貴族のお姉ちゃんは決めないの?」って聞いたら、「この国に来る事をちゃんと決めたわよ」と言われた。

それは決めたけど、結婚は決めれないらしい。



「お兄ちゃんの時とはちがうんだね」と言ったら、北国の筆頭貴族の娘が「?」という感じに首をかしげた。

だからお兄ちゃんの時の話をする。


姫お姉ちゃんや有力貴族の娘おねえちゃんから奥さんになった事を。

その話を北国の筆頭貴族の娘お姉ちゃんは「あら」とか「まぁ」とか言いながら、楽しそうに聞いてくれた。


「殿下お兄ちゃんも、お兄ちゃんみたいに皆と結婚したらいいのにね」と言うと、北国の筆頭貴族の娘は「う~ん」と考えた後で、「そうなるといいわね」と微笑んだ。




部屋の扉から「こんこん」と音が鳴る。

北国の筆頭貴族のお姉ちゃんが返事をすると、隣国の筆頭貴族のお姉ちゃんの侍女さんが「姫様が参られましたが、いかが致しましょう」と言った。


姫お姉ちゃんが来たらしい。

北国の筆頭貴族の娘お姉ちゃんが「お通ししてください」と言うと、侍女さんは頭を下げて部屋から出て行った。

すぐにまた扉が「こんこん」と鳴る。

また北国の筆頭貴族のお姉ちゃんが返事をすると、今度は姫お姉ちゃんが入ってきた。


「失礼します」と部屋に入る美女お姉ちゃん。

「ここに妖精少女が来ていると…」と言いながら、わたしを見た姫おねえちゃんは笑顔のまま「やっぱりここに居たのね」と言った。

姫おねえちゃんは、ベッドの脇の椅子に座るわたしの前に来ると、北国の筆頭貴族の娘に「少し失礼します」と言った。

「お体は大丈夫なんですか?」と聞く姫お姉ちゃんに、「今は落ち着いてますので」と微笑む北国の筆頭貴族の娘お姉ちゃん。

それに「よかった」と安心したような声を出した姫お姉ちゃんは、わたしの方を向いた。



わたしは姫お姉ちゃんを見ないように下を向く。

そのわたしに、姫お姉ちゃんが「妖精少女」と声を掛けた。

無視なんか出来ない。

でも姫お姉ちゃんの顔を見ることは出来ない。

「…はい」と返事をすると「何でここに居るの?」と姫お姉ちゃんは聞いた。


「北国の筆頭貴族のお姉ちゃんが、ひまだったら可愛そうだと思って」と言うと「何で暇だと思ったの?」とすぐに聞かれた。

「体調が良くなくて、ずっと寝てるから…」わたしの声は少しずつ小さくなる。



みんなは知らないかもしれないけど、姫お姉ちゃんは怒ると怖い。

有力貴族の娘お姉ちゃんより、美女お姉ちゃんよりも。

美女お姉ちゃんは、怒ったところをまだ見たこと無い。

怒られた事はあるけど、姫お姉ちゃんと有力貴族の娘お姉ちゃんとはちょっと違う。

有力貴族の娘お姉ちゃんも怒ると怖い。

でも姫お姉ちゃんが怒った時は、まったく別。


姫お姉ちゃんが本気で怒った時は、有力貴族の娘お姉ちゃんは何も言わない。

最後は「まぁまぁ、姫ちゃん。妖精少女も反省しているから、ね。」と言ってくれるけど、それは姫お姉ちゃんがある程度、怒ってから。


本当に怒っている時の姫お姉ちゃんが、いちばん怖い。



わたしは姫お姉ちゃんに怒られた。

姫お姉ちゃんはわたしに大きな声を出したり、叩いたりなどは絶対にしない。

でも姫お姉ちゃんに怒られると、本当にダメな事をしたんだと思ってしまう。



わたしは「病気でしんどいのに、勝手に来てごめんなさい」と涙を浮かべて、北国の筆頭貴族の娘お姉ちゃんに謝った。

涙声で「さい」が「しゃい」になっちゃったけど、ちゃんと伝わったかな?


北国の筆頭貴族のお姉ちゃんは、わたしを怒る姫お姉ちゃんに「気にしないで下さい」とか「妖精少女は悪くないんですよ」と言ってくれてた。

わたしが謝ると「うんうん。ちゃんと謝ってえらいね」と頭を撫でてくれた。



わたしが落ち着いた時に「本当に妖精少女が来てくれて、嬉しかったんです。ですので、これ以上は怒らないで上げてください」と言ってくれた。

「本当に暇を持て余してましたし、興味深い話も聞けましたので」と微笑む、北国の筆頭貴族の娘お姉ちゃん。


「興味深い話?」と首をかしげる姫お姉ちゃんに「姫様と若様の馴れ初めです」と北国の筆頭貴族の娘お姉ちゃんが言った。

その言葉に「まあ!」と姫お姉ちゃんは言うと、わたしを見た。

すぐに北国の筆頭貴族の娘お姉ちゃんは「聞いたのは、姫様から若様に交際を申し込んだ、と言う事ですよ」と、その話に何でなったかというのを簡単に説明してた。


話を聞いて「なるほど」と姫お姉ちゃんは頷くと、わたしを見て「勝手に言っちゃダメでしょ」と指先で、わたしのおでこを「ツンッ」とつついて「めっ」と言いながら笑った。


怒られた!!


怒られたけど、いつもの優しい姫お姉ちゃんのままだったので、「ごめんなさい」と言いながら、わたしも笑ってしまった。


「宜しければ、馴れ初めをお聞かせください」という北国の筆頭貴族の娘お姉ちゃんに、姫お姉ちゃんは「わかりました」頷くと、テーブルから椅子一つ…1きゃく?何で「きゃく」なんだろう?

とりあえず椅子を一つを持ってきてわたしの横に座った。

北国の筆頭貴族の娘の話を書いてましたが、若視点だとイマイチだったので、妖精少女にバトンタッチしました。(可愛い!)



あれ?

北国の筆頭貴族の娘の事を、ちゃんと伝える事が出来てます…よね?




北国の筆頭貴族の娘、不憫な子…

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