第22話 告白
―あのまま王都に攻め込んでいたほうが良かったかもしれない。
魔王『まあ先延ばしにするだけだがな』
急に出てきた新事実(と僕だけ思っている内容)に僕は困惑していた。
僕「でもそれは、皆がそう思っているだけでは?」
美女さん「そんな事はありません」
僕「何故そう思うの?」
美女さん「今までの若の行動や言動に対する姫様の反応を見てれば」
僕「どこが?」
美女さん「言ってもよろしいのですか?」
―よろしく無い!
そういう間もなく美女さんが今までの出来事を上げる。
翁に会った後に迎えに言った時の事、王の館までの道中、翁の館での事、小砦での姫との話、大砦から迎えにいった時の姫の態度、大砦での僕の忠誠を誓ったときの事。
次々に出てくる内容に他の面々が「ほほう」と頷く。
―殺せ!いっそ一思いに殺せ!!
あまりの恥ずかしさに悶死しそうになる僕。
美女さん「などという状況を総合する限り、事実ですね」
美女さんが話を締めた。
僕は顔を真っ赤にして死に体である。
翁「でじゃ、先程の話に戻る」
翁が後をついで続ける。
翁「王位は王子が付くのが順当なのでそれは変わらないとしても、姫と婚姻を結ぶ気は無いか?」
僕はあまりの事に口をパクパクするしかない。
―婚姻?僕が?姫と?
冗談にもほどがある。
―しかも僕は魔族だし
魔王『魔族も人族も元は同じ種族だと言っただろう。子をなす事も出来るぞ?』
―KO!
魔王『まあ我には元々婚約者と呼ばれるものが何人かおるしな。一人くらい増えても問題なかろう』
混乱した僕に魔王が更なる爆弾を落とす。
―こんやくしゃ?!
魔王『馬鹿っぽいぞ。その言い方』
―聞いてないよ!
魔王『言って無いな』
―大事な事なら言わないと!!
魔王『とはいえ、王族として宛がわれただけであった事もない者ばかりだぞ?行方不明になって大分立つ。今頃破棄されているだろうよ』
―そ、そうか
魔王『それに魔族は一夫多妻制だ。問題ない!』
―大アリだよ!
魔王の衝撃の発言に突っ込むのが必死で僕は黙り込む。
まあ唯単に現実から逃げているとも言うけど。
翁「どうなのじゃ?」
現実そうそう逃がしてくれない。
逃げられないのは魔王からだけじゃないんだ。
僕「少し―考える時間を下さい」
翁「そうも言ってられんのだが」
僕「今のままの気持ちでは拒否以外ありません」
翁「ふむ―では明日の夜まで待とう」
そう言うと話は終了した。
僕は茫然自失となりながらも美女さんに「話があります」と言うと部屋に戻った。
――――――――――
部屋で美女さんと向かい合う。
僕「どうしましょう」
美女さん「若がお決めになる事かと」
僕「姫が―その、アレなのは間違いないんですか?」
美女さん「そうですね」
僕「―魔王に婚約者が居る事は知ってますか?」
美女さん「そうなのですか?でも居てもおかしく無いですね」
知ってるとばかり思っていたが、意外と知らないらしい。
不思議に思っていると「私は若の従者となって日が浅いので」と言った。
長寿の魔族の「日が浅い」がどれ程の物か分からないが、とりあえず知らないらしいので簡単に説明した。
美女さん「なるほど。でもそれがどうしました?」
僕「え?」
美女さん「別に実際に妻が居る訳では無いでしょう。それに魔族は一夫多妻制ですし」
―美女さんまで!
美女さん「問題は他にあると思いますが?」
僕「……」
美女さん「まずは若の気持ちです」
僕「それは―」
美女さん「少なくとも好意は持っているでしょう。程度の差はあれど」
僕は考えて頷く。
美女さん「それが姫を愛おしいと呼べる感情かをゆっくりとお考え下さい」
僕「―うん」
美女さん「そして最大の問題は、魔族ということです」
僕「……」
美女さん「魔族と人族は突き詰めれば同じです。結婚も子をなす事も可能でしょう。ですが王族との婚姻となれば問題は山積みとなります」
「しっかりと考えて答えを出してください」と言うと席を立つ。
何処に行くのかと尋ねたら「姫が気になります。この事が耳に入る前に私から説明したいと思います」と言い部屋を出て行った。
―姫をどう思うか―か。
魔王『好意を抱いているのだろう』
―そうだね。今までは友人としてだったつもりだけど、考えてみるとそれ以上の気持ちを無理やり「友人」として抑えていたかもしれない。
魔王『なら悩む事もあるまい』
―でも
魔王『魔族の事か?』
―それもあるけど、それは姫や周りの人に話をするしかないと思う。
魔王『ではなんだ?』
―もしここで姫を受け入れたら、魔王のやるべき事の支障になるかもしれない。
魔王『……』
当初、魔王は剣もろくに使えない僕に「こんな事では魔王になれないぞ!」とか「他の魔王に勝てない」と言っていた。
それがいつの間にか言わなくなっているのは、魔王の優しさだと思う。
だがその優しさにいつまでも甘えているわけには行かない。
魔王『魔族の争いは最終的に勝てばよいのだ。何十年も戦うなど良くあることだ』
そんな事を言う魔王。
そんな魔王に「ありがとう」と言うと『べ、別にお主の為を思っている訳じゃないからな!』とツンデレ発言した。
精神が2つある影響が悪い方向に出ている気がする。
この問題も早く何とかしないといけないのかも知れない。
どれくらい時間がたっただろうか。
疲れているのに意識が冴えて眠れず魔王と話をしていると、明け方頃に部屋の扉がノックされた。
返事をすると「よろしいでしょうか?」と美女さんが声を掛けてきた。
僕「起きてますよ」
美女さん「そうですか。よければ姫様とお話なさいますか?」
こんな明け方まで姫が起きていた事にビックリだ。
美女さん「姫様も若に気持ちを知られた事に対して動揺しておいででしたが、今は落ち着かれました。お話しするなら早い方が良いかと思われますが?」
僕「そう―ですね」
僕は頷い美女さんに言う。
僕「魔族の事も伝えようと思います。その後、王子や翁にも。場合によっては今日中にここを出る事になるかもしれません。妖精少女の安全の確保をお願いします」
美女さん「分かりました。一緒に居るようにします」
そういうと美女さんは僕を促して部屋を出ると廊下を渡り姫の部屋をノックする。
中から「どうぞ」という姫の声がして美女さんは姫の部屋の扉を開ける。
美女さん「失礼します。若をお連れしました」
その言葉に椅子に座る姫が身を硬くする。
僕も逃げたい気持ちを押し殺して姫の部屋に入る。
美女さん「さすがに未婚の女性の部屋に早朝とはいえまだ夜も空けていない状態で男性と2人には出来ませんので、私も控える事になりますがよろしいですか?」
姫「お願いします」
美女さん「妖精少女、こちらへ」
子狼と戯れていた妖精少女を呼んだ美女さんは妖精少女をベッドの端に座らせるとその傍らに立った。
僕と姫は無言で向き合う。
目も合わせる事が出来ない。
それを見かねた美女さんが「このままですと何も話が出来ないまま誰かが来てしまいますよ?」と言う。
僕「え、あの、その、聞きました」
姫「―っ!」
僕「正直な気持ちを言うと戸惑ってます」
僕の言葉に姫が震える。
僕「でもうれしい気持ちで一杯なのは確かです」
姫が顔を上げる。
僕「僕は今まで姫を友人だと思って接して来てました」
姫「……」
僕「でも姫の気持ちを聞いて、そうじゃないと初めて理解しました」
出来るだけ姫に僕の気持ちが伝わるように言葉を選ぶ。
僕「姫と僕の立場の違いを知っていたので、知らず知らずの間に『友人以上の好意を抱いてはダメだ』と思うようになっておりました」
僕の言葉を必死の面持ちで聞く姫。
僕「僕達の立場の違いが何を指すかご存知ですか?」
姫「私がこの国の姫という事ですか」
僕「それも一つです。だがそれくらいなら何とも思いません」
姫「…やらねばならない事がある、という件ですか?」
僕「そうですね。それが大きいし、それに起因する事なのです」
姫「それは―」
姫の問いに一瞬、言いよどむもしっかりと姫を見て言う。
僕「僕は魔族です」
姫「―っ!!」
僕「僕は魔族であり、やるべき事と言うのは魔族の土地での王位継承争いです」
姫は僕の言葉に何も言わない。
僕「魔族なんです。魔族も人族も元々は一つだったと言ったのは覚えてますか?」
頷く姫。
僕「それでもこの2つは分かれて長い時がたちました」
姫は僕を凝視している。
僕「その間に生まれた魔族と人族の心の溝は小さいものではない」
そう、何百年と争ってきた。
決して昨日今日の出来事ではない。
僕「本当は黙ったまま去るつもりでした」
僕の言葉に姫が口を開きかけるが何も言わない。
僕「でもそれでは姫に不誠実だと思ったのでお話しました」
姫が痛いほど見つめてくる。
僕「僕は魔族です。でも姫の事を愛としく思っている事も事実です」
姫「―っ」
僕「僕が誓った姫の笑顔を守りたいという気持ちにも一切の偽りはありません」
話し終えた後に冷えの言葉を待つ。
無言に耐え切れずに「もし許されるなら―」と僕は言う。
僕「王都攻略までいる事を許してもらえないでしょうか?」
姫「!」
僕「僕は王都攻略後は戦の中で戦死した事にして国を出ます。もしそれもダメなら今すぐここを出て行こうかと思います」
そういった後は何もいうことが無くなり黙り込む。
どれくらい沈黙していただろうか。
姫が何か呟いた。
姫「―」
よく聞こえなかった僕は姫の言葉に必死で耳を傾ける。
姫「―そんな事は関係ありません」
姫の言葉を待つ。
姫「私は若が―好きなのです。魔族とか関係ありません」
顔を真っ赤にしながらもそういう姫に「ありがとう」と僕は言う。
姫「それに―人族と魔族はむ、結ばれないとか、そういう事はないのですよね?」
美女さん「人族と魔族の夫婦は居ますよ。珍しいだけで」
姫「それなら―」
美女さん「子も為せますしね」
その言葉に顔を真っ赤にする姫。
「今言わなくてもいいじゃない!」と美女さんを見ると微笑んで言った。
美女さん「でもお伝えしましたが、お二人の婚姻を望む声は出ておりますし」
僕「そうだけど、するかしないかはまだ分からないよ!」
そういう僕に姫が顔を挙げ「私は―!」と言うとさらに顔を真っ赤にして俯いた。
姫「―私はそう、望んでいます」
姫のストレートな言い方に死にそうになる。
僕「え、あ、その、それは―」
姫「それは?」
何かが吹っ切れたのか姫が顔を真っ赤に聞いてくる。
僕「やるべき事もあるので、それが全て終わってから話し合うと言う事で―いいでしょうか?」
姫「どれくらいかかりますか?」
僕「えと―」
美女さん「数十年はかかるかと」
美女さんの言葉に絶句する姫。
そしてそのまま固まって涙をこぼしだした。
美女さん「泣かせましたね」
僕「美女さんの言葉ででしょう!」
美女さん「でも嘘は申しておりません。空手形で逃げようとした若の所為です」
そう言われると辛い。
僕「姫…決してそのようなつもりでは」
姫「では、どうして」
僕「―それは、いつ帰るか分からない状況で姫と婚姻を結ぶ事は出来ず、かといって連れて行くことは出来ないと思い―」
姫「かまいません!」
僕「そういう風に―はい?」
姫「それでも構いません。足手まといならここで待ちます」
そういうと姫は一生懸命語りだした。
恥ずかしいので割愛するけど、とりあえず僕を好いてくれているようだ。
恥ずかしさに死にそう。
姫「ですので、私を―」
そういうと姫は真っ赤になって俯いてしまった。
それを見て僕は色々考える。
「どうするのがいいのか?」などという事から「可愛いなあ」という事まで。
1:9の割合で『馬鹿だな』―否定できない
―魔王は僕が姫と結婚してもいいの?
魔王『そうだな。特に問題は無いな』
―そう、なの?
魔王『お主は我で、我はお主だからな。問題ない』
―魔王の存在も話したいんだけど
魔王『お主がそう判断したならよいだろう』
―そっか
僕は姿勢を正すと姫に話しかけた。
僕「姫―」
姫「はい」
僕「もう一つ伝えないといけない事があります」
僕は自分が別の世界で生まれて理由は分からないがこの世界に来た。
その時にこれも理由は不明だがこの世界の魔王の体に入り込んだ事。
そしてその魔王は僕の意識の中で残っている事を伝えた。
姫「その…魔王さんは今もいるんですか?」
僕「います」
姫「その…今の姿は魔王さんの姿なんですか?」
僕「良く分かりません。僕はこの体を僕の…元の世界と同じ体だと認識してます。ただ魔王も同じように自分の体だと認識している様です」
姫「よくわかりませんね」
僕「僕もわかりません。ただもとの世界と姿かたちが変わっているわけでは無いですね」
姫「…」
僕「これが僕の真実です」
姫「…私に剣を捧げてくれたのは若ですか?」
僕「僕です。魔王は意識は残ってますが行動に影響を及ぼす事は出来ません」
姫「…そうですか」
僕「この事を知っているのは美女さんと姫だけです。妖精少女にもまだ話してませんし、王子達には魔王の事は言うつもりはありません」
姫が僕を見つめる。
僕「これを聞いて姫が僕の事を嫌いになったのなら今までの話はなかった事にしましょう。できれば魔王の事を黙って置いていただけると有難いです」
姫「誰にも…いいません」
僕「ありがとうございます」
そう言うと互いに黙り込んでしまった。
どれくらいそのままだっただろうか?
体感では長い時間だったが、実際は一瞬だったのかもしれない。
姫が「今度、魔王さんの話も聞かせてもらえますか?」と言った。
姫「若は若です。私は今の若をす、好きに…なったんです」
顔を真っ赤にする姫に僕は感動すら覚える。
純粋に好意を寄せられた事が嬉しい。
僕「では婚姻というか婚約、という事でいいでしょうか?」
姫「―っはい!」
僕「王子や翁には魔王の事は言いませんが魔族である事を伝えます」
姫「―はい」
僕「そこで反対されたら婚姻はダメになると思ってください」
姫がそれを聞いて泣きそうになる。
泣いて欲しくなんか無いのに。
僕「だからそうなると、姫には選んでもらう事になります」
姫「え?」
僕「国か僕かを」
姫が息を呑む。
国を選べば僕と分かれる事になり、僕を選べば国を捨てる事になる。
どちらにしろ辛い選択を迫る事になる。
姫「わかりました。でも―受け入れられる可能性もあります」
僕「そうですね。そうなった場合は、僕はいつかやるべき事の為に国を出る事になります」
姫「―!」
魔王『まあ、行きっぱなしも無いだろうし、数ヶ月出て戻って、また数ヶ月という感じも出来るがな』
―そうなの!?
魔王『移動手段はあるのだ。出来ない事ではない』
再度涙を浮かべる姫にあわてて言う。
僕「でも向こうに行きっぱなし出はなく、数ヶ月に一度は戻ってきたりします!」
それを聞いて姫が少しほっとする。
「それでも数ヶ月は離れ離れで心配です」という姫は本当に可愛い。
僕「僕が魔族の王になったら姫を迎えに上がる事になります」
杯「はい―!」
僕と姫が見詰め合う。
美女さん「まとまってよかったですが、まだ言うべき事がありますよ?」
僕「え?」
美女さん「婚約者です」
僕「あ!」
その言葉に姫が「婚約者?」と聞いてくる。
僕「僕も魔族の王族なので婚約者候補が何人も居ます」
美女さん「殆どが面識の無い方々ばかりで、若が行方不明になって半年以上経っておりますので、破棄されている可能性は高いですね」
僕「そ、そうです」
美女さん「でも魔族は一夫多妻制ですので、姫様と婚姻されても政略的に複数の別の姫君とも婚姻関係を結ぶ事があります。その事は最初にご了承ください」
―そうなの!?
魔王『それは魔王だから仕方あるまい』
姫はその事に驚いているようで固まってしまった。
沈黙が部屋を満たす中、「私もお兄ちゃんのお嫁さんになる!」と妖精少女が元気に言う。
それを美女さんが笑顔で頭を撫でながら「それはいいですね」と笑う。
―いいのか!?
魔王『まあ妖精族とも子は為せるだろう』
―ええええええええ
魔王『何を驚く、たいていの種族となら出来るぞ?』
―わざわざ人族と魔族は元の種族とか説明要らなかったのでは!?
魔王『いらんな』
―じゃあ何故!
魔王『しかし、そういう説明があったほうが踏ん切りがつくだろう。実際ついただろうし』
その通り過ぎて魔王の言葉に言う事が無くなる。
僕が黙っていると姫が少し笑って言った。
姫「そうね。妖精少女なら、妖精少女と美女さんなら私は大丈夫」
―姫!?何で美女さんまで!!
「あら私もよろしいので?」と笑う美女さん。
冗談にしても恐ろしい未来である。
姫「ええ、他の―婚約者の方達は分かりません。想像もつきません」
僕「……(茫然自失)」
姫「でも、王族の義務として子を為す為に妾を囲う事があるのは私も知ってます。そういうものだと割り切ります」
意外と言うか何というか、驚いている僕をよそ目に「それでこそ魔王の妻です」と美女さんが笑った。
「これでお兄ちゃんと姫お姉ちゃんとずっと一緒に居れるね」と笑いながら姫に飛びつく妖精少女の頭を撫でながら「そうね」という姫。
―何このハーレム
魔王『爆ぜろ?』
―いやだよ!
魔王『冗談はさて置き、旨くいってよかったのでは?』
―そう、なのかな?
魔王『まあ婚約者の方も、本当にたいていの者はもう破棄していると思うので大丈夫だ』
―そ、そっか
魔王『危険なのは数人だ!』
―え?
魔王『まあがんばれ!』
―冗談だよね?
魔王『ソウダネ』
―茶化さないで真剣に答えて!!
魔王『まあ、危険と言うか、まだ婚約を守ってそうなのが一人二人いる可能性があるだけだ。それ程たいした事にはならんさ』
―ああああ、なんかフラグっぽくて嫌だ!
魔王『死亡フラグだな』
―死ぬのは嫌だ!!
心の中で魔王と漫才をしていたら美女さんに声を掛けられる。
美女さん「で、王子様達にはいつ話しますか?」
忘れて―は無いけど、逃げてた。
そうか、早く話さないとダメだね。
僕「今から―話そう」
姫「若…」
僕「王子と翁と爺と話す機会を作ってください」
美女さんに言うと少し考えて答えた。
美女さん「姫様がよろしければ、姫様のお部屋にお呼びしてお話するのはどうでしょう?」
僕・姫「「え?」」
美女さん「ここなら邪魔者は入りません。その場で姫様のお気持ちもお伝えできます」
姫「―そう、ですね」
僕「いいの?」
姫「はい」
「よろしくお願いします」と姫が言うと美女さんは一礼してすぐに部屋を出て行った。
緊張で互いに言葉を無くす僕と姫。
―2人きりって何を話せばいいんだ?
魔王『2人だけじゃないがな』
―確かに魔王は居るけど!
魔王『そうではない』
―え?
そういうといきなり「何で何も言わないの?」という声が聞こえてきた。
その声にビックリして妖精少女をみる。
―妖精少女の存在を忘れてた!
魔王『おろかな』
自分の愚かしさに笑いそうになって姫を見たら、どうやら姫も同じだったようでお互いに顔を見合わせて笑った。
妖精少女が良く分かってない感じだが僕達が笑っているのがうれしいのか一緒に笑ってる。
「ずっと一緒に居られるのがうれしい!」という妖精少女を優しい笑顔で撫でる姫を見ながら「妖精少女を娶るとかは想像つかないけど、養女にするのはいいかも―」と勝手な事を考えていた。
予想外の展開で姫と若が心を通わせました。
姫おめでとう。
話が一段落したら後書きに、当初の予定とどう違うのかが後書きにでもちょこっと書けたらと思ってます。
ここから当面「爆ぜろ!」と言う場面が続きます。
こういう話を求めてなかった方、すみません。
本当にすみません。
文字修正
王族そして → 王族として
姫が生きていた事に → 姫が起きていた事に
魔賊 → 魔賊
2里には → 2人には
姫「そえは―」 → 姫「それは―」
半年以上立って → 半年以上経って
黙ていると → 黙っていると
以外と言うか何というか → 意外と言うか何というか
話し機会 → 話す機会