Stage of extra
この物語はシリーズものになっております。
登場人物/用語紹介を設置しましたが、初めてお読みいただく方には分かりづらい部分が多々あるかと思います。その場合は『過去の預言書(http://ncode.syosetu.com/n1211q/)』をお読みいただければお楽しみいただけるかと思います。
Stage of extra
(過去の精霊予告)
心の中にあったものは不満だったのかもしれない。具体的に並べ立てれば、ひっきりなしに続くだろう愚痴を、彼はため息と共に吐き出した。
善悪が定められるならば楽なことだと、彼は心の中で繰り返した。これが答えで、これが誤りだと示すことが出来れば、どれだけ楽になるだろう。しかし、そうはいかない。一つ歳を取る度に気づかされる。この世の中に、物事をはかる物差しなどなく、正解と呼べるものは一つとして存在しない。
不確定な世界で生きる術を、子供と大人の境を彷徨う彼にはまだ見いだすことが出来ない。しかしそれも時間が解決していく。大人達は皆、そう思っていた。
それは人生という道の一つの水溜まり。飛び越えるのも、避けて通るのも、全て彼の自由だった。
しかし、彼女との出会いによって、そこに新たな結末が現れる。
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[ Hypoid ]
水溜まりに溺れ死ぬ。




