表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
貴方に恩はありませんので、出奔させていただきます  作者: Hatsuenya


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

24/24

大山鳴動して、地固まる?

 読みに来て下さって、ありがとうございます。


 ミネとオルツァーの旅も、後少しです。



 朝の食堂は、随分と活気があった。


「料理人達が、戻って来てくれたんだよ」


 班長さんが、私の後ろにぴったりくっついているオルツァーさんにビクビクしながら、そう言った。


「料理人の1人の女の子を怒らせた莫迦は、今、料理人達と一緒に嬉々として罰当番の皿洗いをやってるよ。彼女と結婚する事になったんだそうだ」


 はい?


「ビックリだよな。まさか誰も、奴がプロポーズをしようとして失敗した挙げ句、騎士団全部を巻き込んで大騒ぎをやらかすとは思いもしなかったよ」


 余程、私は呆気に取られた顔をしていたらしい。マイクと班長さんは、オルツァーさんの顔色を伺いながら、私達に一緒のテーブルに着くように勧めてくれた。

 一体、オルツァーさんは、前回ここに来た時に、何をしたんだろう。周りの騎士達も、何故だかオルツァーさんの顔色を伺って、少し小声になっていた。

 私達が椅子に座ると、年配の厳つい男の人と、可愛い女の人と手を繋いだ罰当番のエプロンを着けた若い騎士の1人が、私達のテーブルに近付いて来る。


「昨日は、留守をしていて申し訳ない。しかも、マイクとミネ君には、料理を手伝って貰ったそうで、ありがとうございました」


 年配の男の人は騎士団長で、騎士と女の(エレナさん)は、どうやら今回の騒ぎの元凶のカップルらしい。


「本当に、申し訳ありませんでした」


 2人は、私とマイクに平謝りした。事の起こりは、エレナさんにプロポーズしようと彼女の仕事が終わってからデートに誘った騎士のグランドさんが、「明日の仕込みで忙しいから、無理」と断った事が始まりだったそうだ。

 プロポーズのシチュエーションも考えに考え、緊張して吃りながらも、意を決してエレナさんを誘ったグランドさんは、混乱して


「皆の為じゃなく、俺の為に料理をしてくれ」


 と言ってしまい、いきなり仕事を辞めろと言われたのかと思ったエレナさんとケンカになり


「騎士の仕事と、料理の仕事、どっちが大変だと思ってるんだ!」


 と言うグランドさんの言葉を聞いた他の料理人が怒って、皆に飛び火したらしい。



「最初に俺達のケンカに加わったナリウスは、元からエレナが好きで、俺とエレナの仲を割こうとしてたもんで、料理人の皆を煽りやがって。

 気が付いたら、オーロやら他の俺と同じく若い騎士の奴らも加わって喧々囂々の大喧嘩。

 料理人や掃除洗濯を仕事にしている奴らまで仕事をボイコットするわ、俺はエレナに振られるわと、とんでもない事態になった訳です。

 本当に、申し訳ない」


 一緒になって謝っている2人を見ると、大山鳴動してネズミ一匹とは、この事かと溜め息が出た。


 私には、男と女の痴話喧嘩は、よくわからないので、「大変でしたね」と言っておき、婚約のお祝いを伝えた。


「うちの母ちゃんが、よく俺に、『ケンカする前に深呼吸をしろ。冷静になるから』って言うんだ。子供の俺が言うのも何だけれど、騎士様達も試してみればどうかな」


 マイクは、いつも私の上を行っている気がする。

 確かに、特にグランドさん達には実践して頂きたいわね。


 旅の間に色んな夫婦や男女関係を見てきたけれど、何だか私には、恋だの愛だのが、よく分からない。ケンカをしているクセに仲がよかったり、自分から別れたクセに縋ってきたり。


 私が怪訝な顔をしていたからか、オルツァーさんは、私の頭を撫でてポンポンした。


「心配するな。大人になったら、何となく判るようになるから」


 これでも私、17歳、何ですけどね~。もう1年経っても、判る気は、しないです。

 でも、オルツァーさんのこんな所は、好きだな。


 

 朝食後、私とオルツァーさんは、騎士団やマイクに別れを告げた。


「ミネ、砦の騎士様との事は、よくよく考えた方が、いいぞ。人の人生に口出しするのは良くないと思うけどな」


 べったりくっついて離れないオルツァーさんは、マイクを睨んだ。


「何も、やましい事は、ないからな。私にとってミネは、可愛い弟みたいな者だ。もしくは、可愛い息子かも知れないな」


 オルツァーさんは、マイクに堂々と言い切った。弟とか息子って、本当は女なんですけれど、どうしたらいいんですか?

 と言うか、オルツァーさんは、どう見ても20代ですよね?私、本当は17歳なんで、どう考えても息子は、ちょっとあり得ない。

 迷走している気がするオルツァーさんに馬に乗せられ、私とオルツァーさんは砦に向かった。


 もうすぐ、旅が終わる。





「おう、ミーシャさん。お姉さんのお孫さん、見つかったぞ。無事だったぞ」


「本当かい、団長さん!良かった、良かった。死んだ姉さんからは、いざと言う時には頼むと言われてたのよ」


「うちの甥のオルツァーが、慌てて迎えに行ったぞ」


「その、オルツァーなんだけど……大丈夫なの?えらく、あの子を気に入っているみたいだけど」


「まあ、あいつも色々あったからな。俺は、あいつが男の子に走っても、気にしないぞ。まあ、相手が子供なのは問題だが、男同士なのは問題ないんじゃないか?ミーシャさんには悪いけどな」


「いや、別に、私は当人同士が好き合っているんなら、問題ないのよ。ミネは、女の子だし。年齢も17歳の筈だし」


「へ?……何だ、それ」





 何が何だか判らないので、取り敢えずオルツァーにはミネについて黙っていたミーシャですが、流石に、砦の騎士団長には伝えました。


 次回こそ、前半が終わる筈。多分。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ