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楽園から続く道  作者: 詠み人知らず


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36/49

変貌

800PV、ありがとうございます。

――準決勝当日


輝幸は、会場で綾子と合流し、開始を待っていた。

その時、会場に、圭介と遊星が現れた。

圭介と目が合ったが、お互い目をそらした。

輝幸は、何事もなかったように綾子の方を向きなおした。


出番は「ハルシネーション」の方が先だった。

舞台袖で遠くに聞こえる笑い声、笑い声、笑い声。


“相変わらずの爆発力みたいだな。”

と輝幸は思った。

しかし、彼の心は、それまでのように不安で塗りつぶされてはいなかった。

不安もあったが、それと同じくらいの闘志が今の輝幸の中にはあった。

出番を終わり、舞台袖に戻ってきた圭介と目が合った。

輝幸が、圭介の目を見つめると、圭介が一瞬驚いたような顔をしたように見えた。

綾子の方を見ると、輝幸の方を見て口角を上げていた。

「どうした?」

と、輝幸が聞くと、

「準備はできてるようね。」

と綾子が応えた。

綾子に応えて、輝幸は今の気持ちを口にする。

「このネタは準決勝まで。これまで練りに練ったこのネタの、集大成を見せたい。」

輝幸は言った。

綾子は無言で頷いた。


そのとき、スタッフが輝幸達の出番を知らせた。

それを聞いた綾子が言った。

「さぁ、再挑戦よ。」

「行こう。」

輝幸が応えた。

二人の舞台へ出る足どりは、確かだった。



ツカミは綾子のアドリブだった。

それを輝幸は瞬時に切り取る。

そして、開始早々、客席がはねた。


その勢いのまま、ネタの本線に突入する。

ポイント、ポイントで確実に笑いが起きる。

そして、

「それ、優しさじゃなくて、“気まずさの分割払い”だろ!」

弾ける笑い。

これまでと違い、輝幸はネタの最中も冷静に状況を俯瞰する。“よし!行ける”

畳みかける綾子。

さらに突っ込む輝幸。

客席の「笑いのグラフ」は、終了間際に頂点を迎えた。


舞台袖に戻り、輝幸は振り返る。

“理想的な展開だった”

綾子の顔にも自信が見える。

「やり切ったね。」

綾子は言った。

2年前に敗れた舞台。

普通ならば、「実力を出し切ったから、あとは結果を受け入れよう。」というところなのかもしれない。

だが、輝幸は、

「大丈夫だよ。」

と言った。

それを、聞いて綾子は驚いたような顔をしたが、

「うん。」

短く返事をした。


――結果発表。

「アペリオ」


聞いた瞬間、輝幸はガッツポーズをし、

「よし!」と言った。

そして、綾子と顔を向かい合わせると、がっちり堅い握手をした。

輝幸はしばらく喜びと興奮に浸ったが、そのすぐあとに実感がやってきた。

“やっとここまできた”


輝幸達を含め、決勝に進む9組が出そろった。

その中には、「カリカリ梅」、そして「ハルシネーション」の名前もあった。

 ――圭介と遊星


決勝を勝ち取ったが、その時、輝幸の頭の中に、父の顔は浮かばなかった。

強者ライバルたちと、最高の舞台で、綾子とともに闘うことができる。

輝幸の胸の中は、そんな期待と興奮で一杯だった。

いよいよ、第一章も佳境、

手に汗握る決勝の舞台が始まります。

応援、よろしくお願いいたします。

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