第十九話「倒幕の先へ――準決勝進出!」
甲子園初戦――高知海援水産との死闘を制した瑞鳳高校。
岡田以蔵の魂を宿す4番・伊東マサヒロの一撃に震えながらも、
最終回、木下カイと青山シンジの“命を懸けたバッテリー”が打ち勝ち、見事に逆転勝利を収めた。
その夜の宿舎。
選手たちは疲労と興奮の入り混じる中、静かに次の戦いへ備えていた。
「坂本ナオト……あいつ、すげぇ球投げてきたな」
谷口ケイジがポツリと呟く。
「ああ。だが、それ以上に心を燃やしてた。剣も球も、結局は“魂”だ」
木下カイの目はすでに、次の試合を見据えていた。
二回戦。対戦校は北関東の古豪・霧島学園。
打力は弱いが、守備力と走塁でかき回してくる“策士型”のチーム。
序盤、相手の仕掛けるダブルスチールやバント攻勢に守備陣が混乱。
一時は2点のビハインドを背負う。
しかし――
「こんな時こそ、冷静にデータを使うべきだ」 宮田タクマの知略が火を吹く。
試合中にノートをめくり、打球傾向、投手の配球癖、走塁パターンを分析。
「次の走者、二球目に走る!」
的中する予測。立て直す守備陣。
六回裏、吉岡ユウタのライトスタンドへの一発で逆転。
守備からリズムを取り戻し、そのまま4-2で勝利。
三回戦。相手は西日本の新鋭・羽黒台高校。
ここまで無失点で勝ち上がってきた、全員150km/h超えの豪腕継投チーム。
「正面から打ち合うだけが戦じゃねぇ」
西ユウスケが、初回から粘りに粘って四球を選ぶ。
バント、盗塁、スクイズ。小技の連打。
「こちとら新選組、打ち合いだけが取り柄じゃねぇってとこ、見せてやるよ」
中盤、谷口ケイジのタイムリーツーベースで同点。
八回、カイが魂のストレートで三者連続三振を奪い、流れを完全に奪う。
九回、1アウト満塁から、神谷ハヤトが放ったセンター前タイムリーで勝ち越し。
接戦を制し、3-1で勝利!
こうして瑞鳳高校は、ついに準決勝へと駒を進めた。
スタンドの応援も日に日に増え、彼らの戦いに「何か」を感じた観客たちが、 徐々にその存在を注目し始めていた。
「次の相手は……会津高校、か」 木下カイの声に、チームメイトたちの表情が引き締まる。
「会津高校って、、、松平監督が前にいたところだよな?」




