27話 カーラって一体…
・村長はセクハラジジイ
・アンジェリカはカーラに恨み
・村長がカーラと不倫???
私は村長の家を出るとすぐにわかった事をメモし、事件の事を考えながら商店街の方へ向かう。
これかた転移者保護の仕事の見回りである。今日は商店街、牧場、湖と言ったコースで回るのが良さそうである。
今日は比較的気温が高くなく、風もサラッとしている。そのおかげでさほど疲れないが、村長宅でのメンタルダメージが激しい。
商店街は転移者も不審な扉も無いようで安心すると同時に、ミッキーのパン屋に入る。小麦粉やパンの焼ける香りに私のメンタルはちょっとだけ回復してきた。
「マスミ、疲れてる?」
ちょうどミッキーが工房の方から出てくる。やっぱり村長宅でのストレスが顔に出てしまっているようだった。
「大丈夫。ちょっとだけ暑かっただけよ。何かおススメある?」
「そうだなぁ。今日は雑穀パンはちょっと、中見の配合を変えてみたんだよ。試してみる?」
「ええ」
私が笑顔でうなづく。ミッキーはイケメンでは無いが、こうしてパン屋で働いている姿は生き生きとしていてカッコいい。ミッキーがカーラの想い人である可能性はあるだろうか。誰も彼も怪しく見えてしまうのが本音だった。
「試作のパンがどうだった?」
お金をはらいパンの袋を渡しながら聞いてきた。
「どれも美味しかったわよ。ちょっと日本のパンに似ていて懐かしかったわ」
「そうか」
ミッキーは少し考え込み、今週末教会で行われるバザーでシチューの入ってパンを村のみんなに配ろうと言う。
「どう思う? みんな気に入ってくれるかな?」
「大丈夫よ。私が保証するわ」
そう言うとミッキーは納得したように頷いた。
「捜査の方は進んでる?」
「それがさっぱり。どうやらカーラはイケメンと付き合っていたらしいんだけど、何か心当たり無い?」
「前も言ったけど、デレクと中良さげだった。まあ、でも恋人同士って感じじゃなかったんだよなぁ…。あ!」
ミッキーは何かを思い出したようだ。
「そういえば俺、カーラにちょっと付き合う? みたいに言われた事あったな…」
「本当?」
どういう事だ。色目使っていたのは、牧師さんだけで無い?
「うん、まあ。パン屋の仕事が忙しく、その割には稼げない事言ったら別にそんな雰囲気はなくなったけど。カーラって何考えてるのか謎だよな」
私はミッキーのパン屋を出ると、メモを書き込んだ。
・カーラはミッキーにも色仕掛け???
私は深いため息をつく。給料が低いと聞くと逃げていく様子などカーラに闇も深そうだと感じるのと同時に、村の女性からカーラが嫌われていた理由もよくわかってしまった。
村長と愛人関係だったのかも真意は不明だが、色仕掛けをしていた可能性は十分ある。
いくら金に困っているからと言ってこんな女を売るような事をしていたなんて。
私の中のカーラの印象はほとんど地に落ちた。マリーやアンジェリカにも良い印章が無いが、彼女の気持ちもわかる。
・カーラを嫌っている女達が犯人である可能性も十分ある!
引き続き調査を続けなくては。




