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魔王の城から徒歩5分

作者: 菊地 啓一

スマホでの投稿を練習する為に作ったお話。

ルビで遊びたかっただけだとも言う。

おはようございます。ゆうしゃです。

いやあ、今日も門番さんは鎧の色艶が素晴らしい。

ええ、ええ。先々代魔王より賜った家宝の〈慟哭する暗闇色のアダマンタイトアーマー+6〉でしたっけ?

ははは、ご謙遜を。

毎日欠かさず磨いてらっしゃるのでしょ?

全身鎧をそうまで手入れするのは並大抵じゃございません。

いえいえ、誉め殺しじゃありません。

通る為の方便でもありませんて。

門番さんのね、質実剛健かつ勇猛無双な佇まいに敬服しているだけなんです。

おや、あらま。

暑くて仕方ないですか、これは立ち話が過ぎましたね。

はい、ではまた。



おはようございます。ゆうしゃです。

おや、今日のフロアマスターさんは物憂さげですね。

なるほど、部下からの反抗にあって悩んでいたら、上司から人員管理なってないんじゃね? と追い討ちされたと。

それは、さぞお辛かったでしょう。

こおんな大きな城のね、人員配置から兵站、挙げ句の果てには慰労までやってらっしゃるんでしょ?

それは、もう大変なご苦労だと存じます。

無理しちゃ駄目ですよ。躍起になって何とかしようとすると、返って良くない事になるもんです。

ええ、そうですよ。

部下さん達ともね、仕事から離れた所で愚痴を聞いて見ましょうよ。

腹を割って話して見れば、通じる事もあるもんです。

はい。ええ。

おや、漸く笑って下さった。

これでいつもの可愛いフロアマスターさんです。

おっとと。危ない、危ない。

階層支配者権限(フロアマスタースキル)閉じ密る四方壁(デモンズウォール)]なんて吃驚するじゃないですか。

ああ、はい。もう行きますから。怒らないで下さいね。

ついでに、分からんちんなことを言った魔王さんに苦情を入れておきますから。



おはようございます。ゆうしゃです。

さて、今日も玉座の間前ログインボーナスを貰いましょうか。

おお、扉の合わせから漏れ出る煙の様な黒い影は、魔王(シャドウオブ)の影(デーモンロード)さんですね。

はい、おはようございます。

え? ログインボーナスとは何か、ですか。

んん……。一言ではうまく伝えられないと思いますので、順を追って説明してもよろしいですか。ありがとうございます。

えー、まず、こちらの扉をご覧ください。

この固く閉ざされた、高さ5メートル強のミスリル鋼でできた両扉は、解錠する為の魔法の属性を曜日によって変えるのです。

今日なら土属性ですね。

で、こうやって最上級の(アトラス アペン)土属性(ディング ティー)魔法(テーブル)を叩き込むと、ほら。

え? 強化魔法(バフ)が掛かった様に見えた?

そうですよ。この扉を開けた者は、開けた日の属性に応じた強化(バフ)を得られるんです。

つまり、これがログインボーナスと言うわけです。

あ、分かっていただけて良かったです。

はい? どんな強化(バフ)があるのか、ですか。

日曜日は太陽神の赫赫たる威光(体力常時微回復)

月曜日は月女神の祝福(状態異常無効化)

火曜日は炎神の尽きぬ炎(攻撃力上昇)

水曜日は水神の揺蕩う水球(防御力上昇)

木曜日は雷神の迸る指先(敏捷性上昇)

金曜日は堕天使の禁断の智慧(魔法攻撃力上昇)

土曜日は地母神の揺るがざる愛(精神力上昇)

ですね。

ではそろそろお暇させていただきます。

また明日。

……強化(バフ)持続時間は?

ははは。


()()()()()()()()()()()()ですよ。


では今度こそさようなら。

魔王(シャドウオブ)の影(デーモンロード)さん。



おはよう。今日は元気にしていますか、魔王。

ははは、玉座の上で膝を抱えて座って居ては、高台に据えられたその椅子の価値が損なわれるというものですよ。

おっと、第一声に帰れ、とは余りにもつれない態度ではないですか。

それに、知っているでしょう?

結局私は其処へ向かう必要があるのだと。

ははは。そう何度も来るなと言われても。

大丈夫、何もしませんよ。当たり前じゃないですか。

魔王と戦って、極限(カンスト)まで重ねた強化魔法(バフ)が剥がれては、勿体無いでしょう?

だから、魔王も決して戦いを仕掛けないでくださいね。

瞬きもできずに死ぬのは嫌でしょう?

ええ、賢明な判断です。良い子ですね。

もっと良い子になる為に、お仲間への言葉はよく考えて喋りましょうね。

フロアマスターさんが困っているのに、突き放す様な言葉をかけるのは、上司失格です。

? ゆうしゃはフロアマスターが好きなのか?

はあ。少なくとも、魔王よりは好感が持てる方ですね。

それよりもちゃんと反省して立派な魔王になりなさい。

これはご近所の誼で忠告しておきます。

では、また明日。




ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー




そうして、彼は玉座の上で涙ぐむ小さな魔王の横を通り過ぎ、彼の身体がすっかり隠れる程大きな玉座の裏へと回った。

玉座の裏側から背もたれ部分を下から上へと持ち上げる。

すると、隠された階段が姿を現した。


テレポーター


からの自宅まで徒歩五分の魔境が彼の自宅。

最後の町(ラスダンまえ)での夜勤明けだった

オチが決まらず2年ぐらい放置されていたので、捨てるぐらいなら放流しようと思いました。

読んでくださった方には感謝の念に堪えません

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