34話 わんの頼みを聞いてくれ3
今回は少し短いです(いつもか)。
―小田城本丸・大広間―
ずらりと並んだ小田家の家臣たち、その中には菅谷親子をはじめとした小田家四天王、鈍斎や又五郎ら小田六騎、真幸ら大島四天王、堤さんたち海老ケ島七騎、そして弾正さんら一門以下小田家支配下の領主たち。全員は来ていないようだが、総勢五十人くらいは俺とコウシンを見るように並んでいる。よく映画とかドラマで敵の使者を左右に並んだ家臣の中央に置くような感じだ。
「小田左京太夫様のおーなーリー。」
「「「「「「「「「「「「「「「ははぁ。」」」」」」」」」」」」」」」
左京太夫様が入ってくると全ての将が平伏する。
「貴殿、名は何という?」
「私は、琉球王国が鎖之側の者、南風原幸清にございまする。」
鎖之側とは琉球王国において外交や文教などを職掌とする官庁およびその長官名のことだ(Wikipedia参照)。コウシンはそこで働いているということだろう。
「サスノスバ?」
左京太夫様もわからなかったみたいだ。
「琉球王国において外交を行う官庁でございます。」
と、俺が答える。
「なるほど。ではなぜ外交を行う者がここへ来た?」
「諸侯の情勢を見、我が国をより良くするためにございます。現在の琉球は軍事力は首里親軍という近衛隊はありますが、その軍の弱体化がみられるために強化したいという点。そして、我が国の経済を回している貿易で何をこちら側に流すかということを見る点にございます。」
「ふむ、嘘偽りは言うてないようじゃのう。よかろう、お主を客分として小田家に迎えよう。」
「ありがとうございます。」
よかった。コウシンはここにいられることになったし、あとで、俺からむこうのことについて聞くとするか。
「南風原、貴殿は源とともに氏治のもとにしばし置くとしよう。」
「ということは、小田城に住むということでしょうか?」
「そういうことになる。頼んだぞ、源。」
「御意!」
《コウシンが なかまに くわわった!》
そうド〇クエなら出てきそうな感じで俺の心の中は盛り上がっていた。




